[BBC NEWS / CNN.co.jp]
アービングが、ホロコーストの“誤り”を認める

ホロコーストを否定したという容疑で告訴されていた英国の歴史家デビッド・アービングは、ウィーンの法廷で罪を認めた。
「私がアウシュビッツにはガス室がない、と言ったのは誤りでした」(彼が1989年にオーストリアで行ったコメントを参照して)と、彼は法廷で述べた。
しかし、彼はこう主張した。
「ナチによって何百万もの人々が殺害されたことを否定することは、決してなかった」
アービング氏(68歳)は、オーストリアの刑務所で最高10年に直面する。オーストリアでのホロコーストの否定は、犯罪である。
法廷での審議が右翼のデモ、及び抗議運動を引き起こすのではないかという懸念は杞憂に終わった、とウィーン法廷にいるBBCのベン・ブラウンは伝えた。
アービング氏は、青いスーツをまとい、「ヒトラーの戦争」(彼がナチについて書いた多くの著書の一つであり、ホロコーストへ異議を唱えている)のコピーを携え、手錠を掛けられて法廷にやってきた。
アービング氏は、極右の学生団体に講義をするために彼がオーストリアに行った11月に逮捕された。彼はその時以来、拘束されている。彼は、南オーストリアの高速道路上の警察によって止められた。彼がアウシュビッツのガス室の存在を否定する演説、及びインタビューをした1989年に遡る令状によってである。
“私は、変わった”
過去において、彼は主張した。どちらかといえばアドルフ・ヒトラーはホロコーストについてはほとんど知らなかったし、ガス室については捏造だ、と。
2000年に英国の法廷は、彼が提出した名誉毀損の訴えを却下し、そして彼に布告した。
「活動的ホロコースト否認者――反ユダヤ人・民族主義者である」と
裁判が始まる前の月曜日に、彼は、レポーターに告げた。
「私はホロコースト否認者ではない。明らかに、私は見解を変えた。歴史は絶えず成長している樹木である――更に多くの文書が利用可能になるということは解るだろう。そして、私は1989年以来多くのことを学んだ」
ホロコーストの存在を認めたかどうかと尋ねられて、彼はこう返答した。
「私は第二次世界大戦について、それをユダヤ人の悲劇と呼ぶであろう。そこにはガス室があった。何百万ものユダヤ人は、死んだ。それは間違いはない。私は、その数を知らない。私はホロコーストの専門家ではない」
と彼は述べた。
寛大な判決を求める弁解
有罪の答弁で、彼はレポーターに告げた。
「私には、選択肢がない」
彼によれば、彼が意見を表明したことによって審理されていることは「ばかばかしかった」という。
「もちろん、それは言論の自由の問題である……。私は12ヶ月以内にこの法律がオーストリアの法令集から消滅していよう、と思う」と彼は言った。
アービング氏の弁護士エルマー・クレスバックは、被告が「判決にある程度の寛大さ」を求めているであろうとBBCに告げた。
「アービング氏の講義は、17年前のことです。英国の市民であって、オーストリアに住んでおらず、[彼は] 68歳なんです。彼は著名な歴史家です。特にオーストリアにおいてアービング氏は全く危険ではありません」と弁護士は言った。
ホロコースト否定に対する法律を持つ諸国
オーストリア
ベルギー
チェコ共和国
フランス
ドイツ
イスラエル
リトアニア
ポーランド
スロバキア
スイス
----(追記)----
産経webに共同通信の記事が出ていました。禁固三年だそうです。
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ナチと聞くともう星新一氏しか思い浮かばない私だが、もし星新一がオーストリアにいて、ヒトラーを擁護するようなショート・ショートを書いていたことが知られていたら、捕縛されたかもしれない。
過去の歴史について色々考えてみることは大事ではないか。どうせ、妄言は無視されるわけだし、法律で規制するまでのことではない。極右主義者はいつの時代だって存在するのだから。下手な法律があればあるほど、逆に活動家を奮い立たせることになるわけで、逆効果かと。
また、これを日本と中国に置き換えるとなかなか怖いものがある。「南京大虐殺否定は禁固十年」と条文化することを中国が求めてこないとも限らない。何しろ中国は産経新聞を名指しで批判する国家だ(この記事は是非とも永久保存しておいて欲しい。勲章替わりに)。半島もしかり。因みに最も有力な南京大虐殺の事の起こりは、事件を目撃した外国人――主にアメリカ人宣教師によって伝えられた証言であり、資料としては当時の日本軍の動きを快く思わなかったアメリカが日本を抑えるために、国内の反日感情を煽るために上映した映画が基であると言われている。もちろんこれらが表立って語られることはほとんど無い。
これは笑い話でも何んでもなく、現在でも政治家がもし南京大虐殺を否定すれば、中共の飼い犬連中によって失脚させられることはほぼ間違いない。どんな理由であれ、歴史問題を法律で取り締まることは決してあってはならない。
Posted at 2006/02/21(Tue) 03:00:56
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