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人間の免疫システムにはOFFボタンがあった

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 ニュースではなく、2週間前(5日)の記事です。
 恐らく研究者にしか必要ない専門的な記事かと思っていたのですが、何人かの話を聞いてみると、どうやらこのOFFボタンが誤動作している人というのも存在している可能性があるらしく、場合によっては検査結果の数値が伴わない奇病(保険適用外)として扱われているとのこと。
 かかりつけ医と共有したい人もいるでしょうから、訳しておきます。

 現在、《免疫を刺激して活性化》させるサプリメントや薬は沢山ありますが、免疫を止める薬はあまり聞きません。漢方薬では標準の状態に戻すという考え方はありますが、止めてしまうものはないでしょう。

SciTechDiary;免疫系の『OFFボタン』を解明する画期的な研究結果"

ピーター・ドハティ感染・免疫研究所著 2022年10月5日

 科学者たちは、ヒトの免疫反応に重要な役割を果たす分子アラーム・システムをオフにするものを発見した。

 抗菌スーパーヒーローMR1(MHCクラスI関連分子)は、人体のあらゆる細胞に存在するたんぱく質で、悪性腫瘍や細菌感染があると、免疫系の強力な細胞である白血球に警告を発する分子アラームシステムとして機能する。

 これまでの画期的な研究により、MR1が活性化するための細胞内機構は明らかになっていましたが、MR1のアラームがどのように「オフ」になるのかについては、これまで何も分かっていなかった。

 メルボルン大学のヘイミッシュ・マクウィリアム博士とドハティ研究所およびバイオ21研究所のホセ・ビラダンゴス教授が共同で行ったこの研究は、Journal of Cell Biology誌に掲載され、MR1の発現を制御する本質的な分子機構が明らかにされた。

免疫システム・細菌
 ヒトの免疫システムは、「MR1」と呼ばれるタンパク質を持つ細胞が小さな分子(抗原)を捕らえ、「MAIT細胞」と呼ばれる強力な免疫細胞に提示することで細菌を感知している。出典:ピーター・ドハティ感染症・免疫研究所

「私たちが発見したのは、細胞内にAP2(アダプター・プロテイン2)と呼ばれるタンパク質が存在し、それがMR1に結合して細胞内に引きずり込むということです。一度中に入ると、MR1はもう白血球に信号を送ることができなくなり、効果的に免疫反応を停止させることができます」
 とマクウィリアム博士は説明した。

 研究チームは実験の結果、細胞内のAP2を削除したり、MR1を変異させたりすることで、MR1の活性化を制御し、白血球の存在を刺激したり抑制したりできることを発見した。

 この発見は、MR1の生物学の基本的な理解を解き明かすものであり、免疫力を高める治療法を設計するための世界的な取り組みに貢献するものである、とマクウィリアム博士は述べた。
「MR1をオフにする方法を理解することで、免疫反応をブロックしたり、増加させたり、免疫反応を利用して、病原体や腫瘍に対する免疫を制御できるかもしれません」

参考文献 参考文献:Hui Jing Lim, Jacinta M. Wubben, Cristian Pinero Garcia, Sebastian Cruz-Gomez, Jieru Deng, Jeffrey Y.W. Mak, Abderrahman Hachani, Regan J. Anderson, David P. Fairlie, Shanika L. Amarasinghe, Antoine Roquilly 著『チロシンによるエンドサイトシグナルの特殊化で MAIT 細胞への抗原提示は制御されている』, p. 4-5. Anderson, Gavin F. Painter, Jesse Goyette, Shanika L. Amarasinghe, Matthew E. Ritchie, Antoine Roquilly, David P. Fairlie, Katharina Gaus, Jamie Rossjohn, Jose A. Villadangos and Hamish E.G. McWilliam, 2022年9月21日, Journal of Cell Biology(セルバイオロジー誌).
DOI: 10.1083/jcb.202110125

 本研究は、国立保健医療研究会議、オーストラリア研究会議、オーストラリア研究会議 Centre of Excellence in Advanced Molecular Imaging、国立衛生研究所、ニュージーランドビジネス革新雇用省、Horizon 2020 Framework Programmeから資金提供を受けている。

Posted at 2022/10/19(Wed) 03:59:26

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