ananova;'Have a nice day' culture causes depression
――営業スマイルは鬱病を惹き起こす。
時間が無いので、翻訳は省いて、簡単に紹介する(法的にもこの“なんでも評点”式の方がいいかもしれない)。
客商売といえば、営業スマイルが付きもの。しかし、私自身はブックオフで見られるような過剰接客に触れると、どうしても悪寒を感じずにはいられない。それに、自分自身があんなことをやれ――と命令されれば人格を侵害しているとして、憤慨するだろう。
仕事において、顧客への笑顔と好意的な行動を強要されている人は恐らく、失礼な顧客を前にすると、いくら丁寧な対応をしてはいても、心の中では青筋の一本や二本は立てていることであろう。その状態が心身共に悪い状態であろうことは、容易に想像がつく。
フランクフルト大学の心理学者らは4千人にものぼる労働者を調査し、顧客サービスセクターに属する人々が鬱病の高いリスクを負っていることを発見した。
Dieter Zapf教授によると、スチュワーデス、販売員、コールセンター職の人々は全てその影響を受けるという。
Dieter Zapf教授と研究チームは、面白い実験をしている。グループAには『失礼な顧客に対しては自分を護ってよい』と告げ、もう片方のグループBには『いつでも好意的で、礼儀正しい状態を護るように』命令した。
グループAが僅かに心拍数の上昇が見られたのに対し、グループBは電話を切ったあとも顕著に高い心拍数のままの状態が続いたという。
どうやら、情動をコントロールする時間が長い場合には心的ストレスが多くなるらしい。
――なるほど。これは私自身もよく経験する。少しでも感情を暴露して“やり返す”ことが出来れば、鬱憤もそう長くは続かないが、自分の意思とは全く逆の、礼儀正しく自分を抑制していると、何時間もこめかみの辺りがピクピクと痙攣していることがある。
もちろん経験的には誰にだって解ると思うが(尤も給料分のスマイルくらい見せろ、と豪語する人には解らないかも。チップ制度もない日本で、こんな莫迦な話はないと思うが)こうした経験が、科学的・医学的に実証されたのは意味のあることだろう。今後は、客商売の人の負担を軽減するようなシステムや療法が、科学的に開発されるかもしれない。
これは余談だが、ふと友人と交わす、よくある身近な話を思い出した。何度か風俗店で働く女性に、熱を入れる男性の話を時々聞くことがある。風俗嬢はもちろん心底から笑っているわけではなく、営業スマイルである。酷い話になると、彼のことを本気で好いている女性を振ってまで、風俗嬢に入れあげる男がいるという。
もちろん、結末は誰にでも解る通り、いいようにお金を吸い取られておしまいである。振った女も、もちろん戻っては来ない。
莫迦な話だが、世間には幾らでも転がっている。アイドルや韓流俳優に熱を上げるような男女だって似たようなものだ。
営業スマイルは大変な仕事だということはよく解ったが、一方で、営業スマイルを真に受けるような、間抜けなことだけは避けたいものだ。
Posted at 2006/03/19(Sun) 11:31:44
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