I teie nei e mea rahi no'ano'a

文学・芸術など創作方面を中心に、国内外の歴史・時事問題も含めた文化評論weblog

ネアンデルタール人最期の地

nature.com;Neanderthal's last stand
 六年にも及ぶ、発掘調査によると、ジブラルタルはネアンデルタール人最期の地であった可能性があるという。
 調査結果によると、発掘されたものは放射線炭素測定により、約2万4千年から2万8千年ほど前のものと見られるが、すぐ近辺にはホモ・サピエンス=《現代人》が3万2千年前に生活していたことを示す痕跡が見つかっている。
 そのため、旧人=ネアンデルタール人は数千年もの間《現代人》とのそばで生活していたこということが証拠付けられる。
 ただし、放射線炭素年代測定は数千年という誤差の出ることがあり、その信頼性において、結論を出すのは時期尚早などの声も挙がっている。

 この発見は、進化論上のいとこに当たるネアンデルタール人の身に何が起こったのか、そして《現代人》が彼らを絶滅に追いやったかどうか、という論争をひきおこした。
 ジブラルタル博物館のクライヴ・フィンレイソンとその一行はGorham's Caveと呼ばれるネアンデルタール人の遺跡を発見。そこでの発掘は現在のところ103に及ぶが、ネアンデルタール人的技巧を示す、鏃、ナイフ、擦り器などを含んでいた。

 遺跡のある場所は、野生のオリーブやムラサキイガイのような海産物など、必要な資源が一通り揃っており、ネアンデルタール人にとっては理想郷のようなものだったのではないか、と推測されている。
 過去の調査によって、約4万年前にアフリカからやってきたホモ・サピエンスが5千年かけてネアンデルタール人を中央ヨーロッパ及び西ヨーロッパから追いやったということが推測されており、今回の発見は、実際にどのようにしてネアンデルタール人から《現代人》への推移が行われたかを知る手がかりとして、期待されている。
 しかし結局のところ、ネアンデルタール人と現代人とがどのように接触してきたか、ということに関しては「はっきりしないまま」だという。

※表記中の《現代人》について。当時の人類と我々とは生物学上ほとんど全く進化が進んでいないために、このような歴史においては当時の人間も現代の人間も全く同じように扱われる。そのため、生物学的意味と社会学的意味を区別するために、一応括弧書きにした。

Posted at 2006/09/15(Fri) 09:42:30

オカルト・心・科学 | コメント(0) | トラックバック(0) | この記事のURL

この記事のトラックバックURL ->

↑ページの先頭へ

この記事へのトラックバック

「ネアンデルタール人最期の地」へのトラックバックのRSS

この記事へのコメント

名前

E-mail(※スパムトラップですでの何も書かないでください)

コメント


コメント本文以外は全て入力不要です。

ネアンデルタール人最期の地へのコメントのRSS