I teie nei e mea rahi no'ano'a

　最近は海外ニュースの更新が無いが、スパイ衛星を使って遺跡を発見したり、酔って剣を呑み込んで病院へ運ばれた男などを記事にするかどうか悩んで、結局やめにした。並の面白ニュース系のブログなら採り上げるだろうが、ウチは面白ニュースよりも知的発見の方に重きを置いてるし、また類似の記事は過去に幾らでもあるが、それらの記事の面白さに較べれば、かなり劣ることは間違いない。
　自分が面白いと感じることのないネタを無理して記事にするよりは、自力でネタを作るのがこのweblogのスタンスである。

　近頃は『ほんとにあった！　呪いのビデオ』シリーズを観ているのだが、これがなかなか念の入った「ウォーリーを探せ！」に仕上がっていて、慣れて怪現象をいち早く発見できるようになったときの喜びはひとしおである。このカタルシスを得られるだけでも、心霊ビデオは世の役に立つのである。
　さて、誰もが思うことは『この怪現象ってほんとなの？』ということだろう。そこで著作権及び肖像権を侵害しない程度に画像解析をしてみた。心霊現象だけを切り抜いたので、ネタバレにはなるが、しかし相手側が心霊現象と主張するなら肖像権は霊にあるので、少なくともそちらの権利問題はクリアされることになる。(笑)　万が一幽霊様から苦情が届いたら削除しますよ、と。

　ネタバレがいやな方を考慮して、画像はクリックしないと表示しないようにしておく。なお、怪談のミソはその状況にあるので、状況説明は一切省き、純粋に画像だけを解説させて戴く。

　画像１

　画面に向かって手を振る女の子。見やすいようにガンマ値を変えてある。少女と、後ろの給水タンクとの位置の差（黄色い線）をよーく覚えていて欲しい。

　画像２

　この場面、カメラが大きく左右にぶれるのだが、最後に右へぶれきったコマである。

　この少女、実はカメラが右へ動けば右に、左へ動けば左に僅かずつ（ここがポイント）付いてくるのである。給水タンクよりも手前に立っている少女は、本来ならば遠近法により、カメラが右へ動けば給水タンクより左に、左へ動けば給水タンクより右に――という風にカメラから離れるように見えるはずである。
　これは月と高いビルとをイメージして貰えば解る。ビルのバックとして、移動しながら月を撮影した場合、遠くにある月は静止したままカメラに付いてくるが、それよりも手前にあるビルはカメラから離れるように移動する。右へ移動するときに、もしビルが月よりも右側に出てきたとしたら、もはやビルがカメラと一緒に移動しているとしか説明できなくなる。

　この場合、給水タンクが月で、少女がビルと置き換えられる。少女は給水タンクよりも左へ移動しなければならないのに、逆方向である右へ移動している。
　つまり、少女は静止しているのではなく、カメラを追いかけて左右に動いているということになる。随分と映りたがりな霊魂さんだ。(笑)　その割に、顔の映った画像（紹介しません）はうつむき加減。スケベ心満載で顔を見たかった私にはがっかりだった（これをネタに択んだ理由も同じである）。
　真面目な話をすれば、これは合成の典型である。合成というのは、カメラが激しくぶれる場合、その動きに合わせて相対位置をとるのがどうしても難しくなる。ＵＦＯ映像にもこの手の合成が非常に多く、専門家から一発で見破られている。被写体とカメラの動きは無縁なはずなのに、カメラの動きに合わせて、背景と被写体との相対位置の変化が間違っていたら、それは明らかに合成なのである。
　もう一つ。合成というのは人為的な作業のため、慣れていない人がやった場合、画面が狭くなったときに画面の広い方へ動かしてしまう傾向がある。この場合は手前の人物に隠れそうになったので、右側の空いている方へ逃げた可能性がある。
　これは絵を描いてみると解ると思う。美術で永年訓練してきた人はそうでもないだろうが、子供が画面端に人物を描こうとすると、ほとんどの場合中央の方へ歪んでしまう。人間は“画面端”を無意識のうちに考慮に入れてしまうからである。
　もしくは、単純に左右をあべこべに動かしてしまっただけかもしれない。もちろん『幽霊だからこんな動きをするのだ』と言われればどうにもならないが。

　以上。あまり面白くなかったかな。

　※このビデオをご覧になりたい方は「ほんとにあった！　呪いのビデオ＃１５」をご購入またはレンタルください。

　※すみません、記憶違いでした。「ほんとにあった！　呪いのビデオ＃１８」の方でした。一気に５本くらい見たので、混乱していました……。
　youtubeなど、ネット上でも無断で配信されているようですが、こちらでは紹介できません。ちょっと検索すればすぐ見つかりますけどね。

　呪いなんかよりも、メーカーさんから怒られる方がよっぽど怖い。

Posted at 2006/08/06(Sun) 13:26:13

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