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ホモ・フローレシエンシスの森?


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 インドネシア方面にはネグリト(矮人)という身長の低い民族が住んでいるという。現在残っている民族は一見ネグロイドのように見えるモンゴロイドとの混血のよう(彼等はモンゴロイドに区分されるが、見た目はどう見ても短小なネグロイドである)だが、フロレス島で身長1メートル、脳容量が380mlとチンパンジー並の遺骨が発見され、ホモ・フローレシエンシスと名付けられた。もしかすると、現在のネグリトはホモ・フローレシエンシスとの混血かもしれない。
 また、遺伝的には日本人の方がアボリジニよりもずっとホモ・フローレシエンスに近いらしく、南方からの『海上の道』によって渡ってきたホモ・フローレシエンスが倭人と同化していた可能性もある。実際、背丈の短い人が日本に渡ってきた――という歴史的事実はあるようで、民俗学者が研究しているということを聞いたことがある。ただし、そのときの結論は“貧窮”による成長不良だった。
 しかし日本にも少彦名神【スクナヒコナノカミ】の神話があるように、そうした人種がいて、日本人と同化していた可能性もある。

 折りも折り、現在文學界二月号に辻原登氏の短編「だって夏でしたもの!」が掲載されていた。これがネグリトの話なのである。キリシマミドリシジミの研究家である三上隆を捜索するためにボルネオに赴き、そこで……という話である。ここで語られているネグリトは他でもないホモ・フローレシエンシスのことではなかろうか。

直接は関係ないが、こんな記事を見つけた。
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[ABC]インドネシアのジャングルで「ロスト・ワールド」が発見さる(2006/2/7)

 蝶、カエル、及び、植物の珍しい新種の生息地である「ロスト・ワールド」を発見したということが分かった。
「地上に見出されうるエデンの園そのものだ」
 と、米国、インドネシア、及び、ニューギニアの西で雲に覆われた Foja 山へのオーストラリアの遠征の共同隊長であるブルース・ビーラーは、言った。
 Foja 山脈(2,200 メートルの高さ)の近くで生活する固有の民族によれば、彼等が立ち入ったことのない手つかずのエリアは、3,000平方キロメートルに及ぶという。これは大雑把に言えばルクセンブルクかアメリカのロードアイランド州の大きさである。
 25人の科学者のチームは、ヘリコプターに乗って手つかずの地域にある沼地に向かった。
「私たちは、単に表面を線でなぞっただけです」
 と、ビーラー氏はロイター通信に告げた。
「そこに行けば、不思議に惹かれて誰だってまたやって来るでしょう」
 その探検では、顔にある明るいオレンジの斑点によって新種に分けられるミツスイを発見した。これは少なくとも六十年間、島の人々が知るのみで、証明された最初の新しい鳥種である。
 同じく彼等は、20種を超えるカエルの新種、4種の蝶や、五つのシュロの木を含んだ植物の新種を発見した。
 彼等は「Berlepsch's six-wired 極楽鳥」【脚注:どう訳したものやら?】の最初の写真を撮った。これは19世紀の蒐集品が見られたが、以前は生息地が知られていなかった。
 その鳥は、求愛行動の時に雄の頭上で振られる長さ約10cmの六枚の美しい羽根にちなんで命名された。

 鳥、木陰、木の実――

 この探検によって、同様に枝で作られた木陰の前でキエボシニワシドリの写真を撮った、そのとき撮影されたキエボシニワシドリは雌を惹き付けるために、青い木の実を吊そうとしていた【脚注:ニワシドリは雌への求愛行動のために巣を美しく飾るそうな】
 そこで、インドネシアで見たことのない珍しいツリー・カンガルーを発見した。
 ビーラー氏によると、博物学者達は、カンガルーには一般のカンガルーの棲息している地域よりも更に高い高度に棲息する新種があるようだと考えているらしい。
 今回は雨期に訪れたが、そのことは飛び廻る昆虫の数を限られたものにした。
「乾期を訪問するあらゆる探検は、おそらく更に多くの蝶を発見することに繋がるでしょう」
 国際的レベルで環境保全活動を行うNGO組織コンサベーション・インターナショナルで働くビーラー氏によると、その地域は恐らくアジアにおける最も大きな手つかずの熱帯林であった。
 そこの動物は、人間を恐れなかった。
「私は、アフリカにもこのような地域があると思いますし、また南米に同様の場所があることを確信しています」
 世界中で、手つかずの地域は、人間の増加、そして汚染の拡大によっておびやかされるている。3月にブラジルで会合予定であるUNは、現在加速している破壊の速度を軽減する方法を求めるであろう。
 ビーラー氏によると、インドネシア政府は、伐採者や鉱物の試掘者を含む大部分の訪問者を制限し、それらの地域を隔離するという正しい政策を下していたという。
 その科学者達は、長さ約4kmの2本の道を切り開いた――未だ未踏の広大な地域を残して。

――ロイター通信
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 インドネシアにはまだまだ手つかずの自然があるらしい。そこには私たちの知らない別の“人類”が棲んでいるかもしれない。

参考1:
謎の獣人発見か

参考2:
F.E.R.C;インドネシアに生息する? 謎の生物オランペンデクを追え

参考3:
エルエル;スマトラで発見された新猿人の証拠

----(2/10追記)----
知識の泉 Haru's トリビアに写真付きの記事が載っていたので――
http://amor1029.exblog.jp/3172845

なお、ソースもリンク切れでしたが、新たに別の記事が挙がっていました。
http://www.abc.net.au/science/news/stories/s1565276.htm

Posted at 2006/02/09(Thd) 18:13:06

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