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そもそもが聖書からのインスパイア

CNN.co.jp;「ダ・ヴィンチ・コード」の盗作説退ける、英法廷


両氏とヘンリー・リンカーン氏が3人で著した「〜聖杯伝説」は、生き延びたイエス・キリストがマグダラのマリアと結婚し、子どもをもうけ、その血脈が現代まで続いているというアイデアを元にしたもの。このアイデアが、「ダ・ヴィンチ・コード」で盗用されたとして、著作権の侵害を訴えていた。

 この筋書きの一体どこに著作性が?!(笑) 聖書さえ読めば誰でも思いつくような妄想だし、そもそもが聖書からのインスパイア。
 因みに太宰治の「駈込み訴え」も聖書をネタにした話(広義の叙述トリックのうちに入るのか?――というわけで一応主人公の名は伏せておきますが。(笑))ですが、主人公が香油を塗った女性とイエスとの間の恋愛感情を疑るところなどは、容易にマグダラのマリアとイエスとの間に少女漫画的(というよりもオタク女子的)妄想を起こさせますし、イエスの子孫についての妄想というのは、随分昔から行われています。
 源義経だって、チンギス・ハーンと同視する伝説の他に、義経の子息についての伝説もまた多いです。義経の子孫――と称する人が、なぜか無闇に多かったりします。(笑) 誰だって容易に思いつく、素朴な筋です。

 ダ・ヴィンチ・コードはこれからあと何回くらい訴えられるでしょうねぇ。ほとんど売れない作品に終わっていたならこんな阿呆な訴訟は無かったでしょうが、売れるってのは大変な苦労のあることなのですな。

Posted at 2006/04/09(Sun) 13:19:32

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