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「へりくだる」は死語か?

産経web;謙譲語の定義から「へりくだる」消滅


 文化審議会国語分科会は23日、敬語の分類を尊敬・謙譲・丁寧の3分類から5分類に変更する敬語小委員会の「敬語の指針案」をおおむね了承した。指針案では敬語の分類として「お酒」「お料理」などの美化語を追加。謙譲語については、「自分側から相手側に向かう行為などについて向かう先の人物を立てる」表現を謙譲語I、「自分側の行為を丁重に述べる」表現を謙譲語II(丁重語)と細分化した。

産経web;■【主張】敬語の指針 敬いとへりくだりが基本(10/9の記事)

日経NET;敬語の誤用に歯止め、文化審議会が指針案


 国民の約4割が「正しい敬語を使っているか自信がない」とした世論調査を受け、文化審議会は「正しい敬語」の目安となる指針案をまとめた。ファストフード店などで店員が使う「マニュアル敬語」を取り上げるなど、誤用に歯止めをかけるのに懸命だが、使い慣れた「丁寧語」「尊敬語」「謙譲語」の3分類を5分類に細分化することなどには学校現場から戸惑いの声も漏れた。

 産経は「へりくだる」にこだわっているようですが、記事があまりに大雑把すぎて意味不明なので、他の記事も引いてみました。

 敬語の誤用を改め、敬語表現を解りやすくするために、定義を細分化し、さらに「へりくだる」という難しい言葉を外して、解りやすくする狙いでしょう。

 たしかに「へりくだる」という言葉は現代人には馴染みが薄く、すぐにはピンと来ない部分もあります。
「へりくだる」を辞書で引くと『卑下』と出てきますが、この卑下を辞書で引くと『へりくだる』と出てきて、もはや意味が解りません。
『自分を卑下する』という用法はあるのに、なぜか『相手を卑下する』という用法は誤用とされています。不思議な言葉ですね。
 某ジャーナリストによると、卑下は自分を低くすることなので、『相手を〜』という言い廻しには使えないそうです。
 私は単に【卑下】=『さげすむ』という意味だと思っていたのですが。多分、時代を経るに従って、意味が変わってきたのでしょう。

 こんな面倒な「へりくだる」は、恐らく死語としてしまっても問題ないでしょう。
 しかしそうすると、正しい敬語を啓発することも、同時に難しくなってしまいそうです。

 言葉というものは、発明した人がいるから、言葉として機能するわけで、“古い言葉”を否定すると、同時に“正しい言葉”の定義もあやふやになってしまいます。

 敬語もまた、昔の事情に合わせて発明された言葉であって、時代に合わせて定義しなおすことは有効だと思います。
 しかし“正しい”かどうか議論がはじまると、もう話が混乱してしまいます。

 この記事もかなり混乱して、わけのわからないものになっています。

 言葉って難しいものですね。

Posted at 2006/10/24(Tue) 23:49:23

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