I teie nei e mea rahi no'ano'a

文学・芸術など創作方面を中心に、国内外の歴史・時事問題も含めた文化評論weblog

釣った魚に殺しを入れられない

 閉店間際のスーパーで、あさりが半額だったので、買ってきた。もうとっくに死んでいると見えながらも、塩水に浸してやると生き返ったかのように水を吹き出す。
 こういうものを見ると、フライパンに入れるのがどうしてもためらわれてしまう。私はどうにも弱者でいけない。長崎生まれなので、趣味の海釣りも、生活のための“漁”も経験済みだが、どうしても魚にうまく殺しを入れられない。
 殺しの入れ方は、ハンマーピックのようなもので魚の脳髄を破壊してやるのだが、振り上げた時、どうしても魚と眼が合う。そして、一瞬のためらいが生じて手から力が抜ける。そして、急所を外してしまうのである。

 世の中の菜食主義者達の中には、これがダメで肉食をやめた――という人も少なくないだろう。
 しかし、私の場合は植物の葉を摘むことも同じ感覚である。そこまで気にしていては、もはや生きていくことができない。
 魚に殺しをうまく入れられないのは、私の心がまだ子供だからである。
 同様に、可哀想だから、と食べないことよりも、命を貰って生きているのだということを自覚できるほうが、ずっと人として素晴らしいような気がする。

Posted at 2006/07/19(Wed) 22:46:44

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