I teie nei e mea rahi no'ano'a

文学・芸術など創作方面を中心に、国内外の歴史・時事問題も含めた文化評論weblog

児童ポルノ法で絵画が規制されるとどうなるか

 恐らく北米版の漫画規制と同等か、それ以上に厳しくなるでしょうね。

 まずは新しい児童ポルノ法案そのものから。
 向こうは13歳未満が児童の扱いで、スクールガールのコスプレしたねーちゃんが合法的AVに出演していますが、日本は18歳未満が児童です学生服を着たAVは全て児童ポルノとみなされます。北米の規制より一層厳しい(というよりも宗教キ○ガイじみた)基準となります。
 しかも日本にはアートとポルノの区別が全くありませんので、芸術的ヌードであっても、単純に所持していれば違法となります。
 あくまで人権を守る法律ですから、30代の女性が自分が10代の頃の写真を自分で公開(あるいは所持しているだけでも)しても、“写真の人物”の人権を侵害したことで罪に問われます。自身で自身の人権を侵害した場合も違法となる、画期的な法案です。

 それでも、実写の少年少女ポルノについては、いくら規制してくれても我々は大して困りません。しかし、今度の改正に一緒に盛り込もうとしている、絵画の規制に関しては恐ろしいことになりそうです。
 先述の通り、北米と異なって日本にはアートとポルノの区別がありませんので、過去の名画や裸婦デッサンであっても、未成年が描写されたものは、法に触れるようになります。つまりムンクのpubertyの模写を持っていれば、絵画内の人権を侵害したことで書類送検されます
 存在しない人物にも、人権が認められることになります。

 漫画やアニメについては、漫画ポケットモンスターの北米版は日本版とはかなりコスチュームが異なり、ヘソ出しなどは全て塗りつぶされています。
 国民的アニメ「となりのトトロ」の北米版は入浴シーンなどが丸ごとカットされています。笑い話ではありません。
 それ以上に厳しい基準で、さらに北米にもないような罰則を設けようというのが、今度の法案です。
 今までほとんど規制のなかった絵画・アニメ・漫画で、突然厳しい規制を行い、さらに単純所持まで同時に罰則を設けるとどうなるか。これまで生産されてきたDVDやVHSは全てゴミというだけでなく、持っているだけで書類送検される可能性もあるということです。怖いですね。

 児童ポルノ法が改正されるようになる理由は、本来「あんたのとこもうちと同じ基準にしなさい」という国際社会からの働きかけに応じた規制強化です。絵画の規制については、特に働きかけはありませんでした。
 しかし、ユニセフとは全く別物の日本ユニセフ協会などのカルト団体が暴走、絵画の取り締まりも進めるように署名活動をしています。カルト団体ですから、論理も糞もありません。人間の欲望を全て管理下に置くことを望んでいます。オナニーは罪にしたいわけですよ。

『【設定年齢にかかわらず】絵が18歳未満に見え、それがポルノであると認定されれば、描かれたキャラクターの人権を侵害している』

 新しい法案では、上記のような奇妙な罪が新たに設けられることになるそうです。
 設定年齢が無視されてしまいますので、漫画・アニメではほぼ全てのキャラクターが18歳未満とされます。おじさんが読むような気持ち悪い劇画タッチの熟女エロ漫画以外は、違法とされてしまいます。
 美少女グラビア見て現実の女子に劣情を抱いている人間と、漫画やアニメの存在しない人物で満足しているような人間と、どっちが危険か考えれば一発でわかりそうなものです。キモオタなんてどっちみち一生結婚できないわけですよ。(笑) 現実の女性なんか好きになっちゃいかんし、それだけで犯罪(迷惑条例違反やストーカー罪)です。
 しかし欲望は必ずあるので、それをどう処理するかが長い人生を生きる上で重要なことです。欲望は規制なんてできませんし、もしやれば無害なものも有害に転じます。

 もちろん小学生レイプするような、露骨なペド漫画は滅ぶべきだとは思います。でも、それなら出版業界や同人即売会・ショップ、WEBならプロバイダへ働きかけるだけで充分効果を上げられます。現行法でも、過度の表現は取り締まることが可能なはずですが、不思議と誰もやろうとしません。
 規制のために規制を設けるのが狙いとしか、思えません。


 普通ならまず法案の通ることはあり得ませんが、児童ポルノを盾に取ることで、まるで踏み絵のようにほとんどの議員が触れようともしません。
 今回法案に盛り込まれなかったとしても、いずれは絵画などの表現も、官憲から全て取り締まられることになりそうです。
--------(追記)--------
 現在の法案は実写のみ。これに例のカルト団体が推進している絵画も含めるかどうかは、これから論議されていくそうです。
 しかしその実写についても、条文があやふやなために、本人が18歳以上の成人女性であっても「18歳未満に見える」なら検挙される可能性があります。
 つまり恋人や配偶者が何らかの病気や遺伝で発育不全なら、少しでもカゲキな写真を持つことは許されません。
 これは明らかに人権違反ですし、実際に施行される法律でまかり通るとは到底思えません。一体誰が見た目を判断するのか、という問題もあります。

 少なくとも単純所持規制はまず確実ですから、施行後は児ポ法を利用して、嫌いな人を社会的に抹殺することも簡単にできます。
Technobahn;児童ポルノの「だましリンク」で逮捕、FBIが新手のおとり捜査を実施
 日本でもおとり捜査が行われるかもしれませんが、恐らく日本なら警察関係者のリークによって2chで即日特定されるでしょう。
 そこでURLを自動で開くhtmlを用意し、拡張子をjpgで保存します。するとIEは画像としてではなくhtmlファイルとして開きます。
 用意したファイルを嫌いな人宛にメールに添付して送ってあげましょう。htmlを直で送ってもいいです。うまく開いてくれれば一発で社会的に殺せます。jpg埋め込み型のウイルスも活用すれば、世界中の人を容疑者にすることもできます。
 あるいは小細工なしで児童ポルノ画像そのものを画像掲示板やアップローダーに投稿し、それを自分で通報すれば、無差別自爆テロの完成です。ネット荒らしは新しい武器を手に入れましたね。
 仕事に困って刑務所に入りたい人も良心の痛む犯罪を犯さなくても、これを利用すれば簡単に刑務所へ入れるようになります。

 世論もチベット問題に忙しくて、児ポ法どころじゃありませんしね。

Posted at 2008/03/21(Fri) 16:07:20

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