I teie nei e mea rahi no'ano'a

文学・芸術など創作方面を中心に、国内外の歴史・時事問題も含めた文化評論weblog

ツクール2000value!サンプルゲーム その2

----(追記)----
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○作品集1(前回からの続き)

 作品への評価とレビューの文章量が比例していないので、☆★を導入してみました。★の数が多いほど、私は好評価。
 私が面白いと思ったかどうかの、極めて個人的な評価です。特にコンパクなどの評価とは大幅に異なる場合があります。

★★★★★……グッド! 超面白い
★★★★☆……面白い
★★★☆☆……なかなか遊べるな
★★☆☆☆……微妙だな
★☆☆☆☆……つまらなかったな
☆☆☆☆☆……採点不能

「盗人講座」/w-n
★★★★★
 俺はもう、感動したね。(笑) 一人称が俺になっちまいましたよ。基本線はギャグなのに、このクオリティの高さ。しかも面白い。
 ツクール作品というと、文章のちゃらんぽらんな作品が多いのですが、この作品は文章も完璧です。タイプミス一つありません。
 一体作者さんは何者だ?――と思ったら、現在プロをなさっている方でした。プログラム、絵や音楽を作れない人にとって、ツクールはいい畑になっているのかも。

 やっぱり地力なしでは、決して創作の仕事に携わることなんてできませんね。アマチュアには締め切りなんてないのだから、とことんクオリティアップが出来るはず。幾らコンパクが最後だ〜とかいう話が出ても、たかが応募作品で締め切りなんて騒いでいるのは、論外です。
 運良くプロになっても、地力がないために消えていく人間がほとんど。地力をつけるためには、ひたすら勉強と努力を積み重ねるより他にありません。しっかりした作品作りについて、こういう作品を見習って欲しいな、と思います。

 そういうことを大切にした作品というのが、ツクール作品には大変少ないので、ついつい口うるさくなってしまいました。

「キマイラ・ブーム」/みゃこ
★★★★☆
 おまいらブーン、に見えてしまっていけません……。
 ちょっと演出過剰で不親切なところがあるのですが、面白かった。
 暗い話ですし、奇をてらっている部分があって感動はしませんでしたが、作者さんの意欲は伝わってきました。

「ほいほい」/岩島 大悟
★★★★☆
 ゴ○ブリホイホイ型アクションパズルゲーム。
 面白かったです。
 でも、主人公の『かねてより欲しかったもの』が一体なんなのか、気になりますけれども……。

「Ruin of lay」/TANI
★★☆☆☆
 かっこいいのですが、結局ツクールの限界や仕様に振り回されています。
 無理してるなぁ、と。ツクールを知っている人には面白いのですが(笑)、ツクール制作じゃない方がいいですね。

「マテリアル −カルチアの詩−」/708
★★★☆☆
 少々画面が暗すぎるような。もう一段階明るくても、雰囲気は損なわれないのでは?
 ディスプレイ温度が高いor液晶なら見えるんでしょうが、ディスプレイ温度が低いと、まともに見えません。
 途中、セーブできない場所で、よりによってバグ(ツクールのバグかも)が発生。どうしても問答無用で終了してしまうので、放棄。

作者さんのサイト

「ポインタの冒険」/Gaz
★★★★☆
 これは軽く衝撃だった。
 まさかマウスポインターが主人公になるとは……。
 しかも、面白く作られている。


○作品集2
「bombe」
★★★☆☆
 なんだか、アーケードによくあるパズルゲームのような……。

「education」/まうす
★★★★☆
 魔法学校での物語。
 やりこみ育成ゲーム(チート無しの場合10時間プレイは覚悟)なのですが、ツボでした。
 主人公のノンが可愛い。特に、イマイチつかみ所のない性格が好みです。絵はちょっとデッサンが狂ってますが、ぞこが余計に可愛い。(変)
 ただ、苦労してマスタークラスを修了したのに、エンディングが雑で残念。女の子が主人公なので、サービスCGでも1枚あればプレイヤーはしあわせなんですが。(笑) 水着姿はありましたけどね……。
 コンテストパークでは銅賞となっていますが、悪いのはシブすぎるゲームバランス。ここがしっかりしていればもう少し評価も違ったかと。
 お金がないとどうしようもないゲームの上、収入源となるアイテムのドロップ率が非常に悪いため、その辺はチートさせて戴きました。しかも、妖精の森へ行く隠し通路に気づかなかったため、イベントをコピペしながら進行。お蔭で、イベントの作り方をすっかり覚えました。そういう意味でも「education」。
 面白いことに、RPGツクール2000は、パシ伝で使っている手製のシステムとは、全く正反対の考え方で作られたものでした。ウチのシステムは『時間→イベント→マップ(→マップ用イベント)』という複雑な処理なのですが、RPGツクール2000では『マップ→イベント』という単純な処理。
 RPGツクールでも時間をメインにした処理は不可能ではありませんが、マップ全てにイベントを配置せねばならず、大変。

 他はほとんど問題なし。文章も綺麗だし、イベントも面白い。ただ、作者(あるいはノン)の価値観に、一部ついていけないところがありました。ふーん、幼馴染みねぇ〜、などなど。都合が良すぎると、なんだか、イライラするのですよね。

「Fire!」/コウ
★★☆☆☆
 ゴルフゲームのような砲台ゲームでした。
 いきなり俺イズムの強いメッセージがやたら流れてきて辟易しましたが……。

 ゲーム自体は、まあまあ遊べる感じでした(が、私はこういうのが苦手)

「トラベラー」/入江ノジコ
★★★★★
 もうちょっとタイトルを考えましょう。(笑) タイトルを考えるのはなかなか難しいものですが……。
 プレイして、「ドリームハンター麗夢」のような精神ダイブものだとわかって「ああ、なるほどね」とは納得できますが、全く知らない人に神霊治療師・精神ダイブということをどことなく連想させるタイトルじゃないと、人の心は掴めません。
 夢に入り込むのだから夢に関連する言葉が一つでも入っていれば解りやすかったのに。一覧で見る限りは、クソゲー臭が漂っていて、プレイしたいとは思いませんでした。

 ゲーム自体はよく作り込まれていて、感動まではしませんが、かなり面白い方の部類に入ります。ちょっとエッチな選択肢もしっかり押さえてあるので、(「education」のような)ストレスも溜まらずに安心です。
 結果は、4時間、2万歩。何度か同じところを迷ったり、ごく普通のプレイだったと思いますが、「攻略手順を知っていないと〜」と言われてしまいました。ふーむ。
 続編もやりたくなるゲームでした。

「Legend Of Royal ─幻の宮殿─」/大山秀一
★☆☆☆☆
 作者さまは『面白いと思って作っている』というのがひしひしと伝わってくるのですが……。苦痛でした。

「たのしいもり」/ゆわか
★★★☆☆
 ひらがなを覚えたての子供向けだそうです。確かに、ちょうどいい内容だと思います。
 しかし、ダークグレイ地に黒文字なので、文字がとても読みづらい。眼が悪くなりそう。

「フラン ニュー エンゼ」/怪盗カイト
★★★☆☆
 これは動く絵本でした。
 でも、このままだと、絵本というよりも、PC-88時代のアドベンチャー。音楽、効果音、FI・FOだけが豪華ということになってしまいます。文章も内容もゲーマーの域を出ていないのが残念。
 象と虎のところだけは面白かったですが。

「ルインハンターライチ」/サークルDoor
★★☆☆☆
 ギャルゲーっぽい。「○○ハンター○○○(女子の名前)」という典型的なフォーマットなので、目指したものはギャルゲーそのものなのかも。まんま「宝魔ハンターライム」なんてのもありますしね。
 456というキャラが装備している竜殺しは、まんまベルセルクのドラゴン殺し。ちょっとシラけました。
 この作品はオリジナリティではなく、とことんステロタイプの要素と、パロディを詰め合わせた面白さが武器なのでしょう。

ここで凍る


 パロディはパロディなりに面白かったのでプレイを続行していたのですが、上の画像の場面で凍りました。セーブしてねぇよ。(笑) 多分主人公が左へ移動し、その終了待ちなのでしょうが、目前のNPCに引っ掛かっているために、シナリオが進まないのだと思います。
 移動終了待ちのイベントを発生させる場合には、気を付けないと、という教訓を戴きました。

「今の風を感じて」/ヒデ、辺境紳士
★★★☆☆
 クオリティは高いし、大変がんばっているのは解るのですが、シナリオや文章が独り善がりで、ついていけない。多分作者様がウケを狙っているであろう場所で、こちらは全く笑うことができない(ウケる人もいるそうですが、2chなどの神ネタに鍛えられているせいか、ギャグのクオリティは低く感じます)
 ぶっちゃけていえば、ゲームとしては物凄く作り込んでいるのに、話や演出が全然面白くないんです。ストーリー重視なのに、そのストーリーは面白さよりも、価値観や感情描写に割かれている。牢の扉が開かない、どうしたらいいか? というときに知恵を絞るのではなく、都合良く開いてしまう。この作品はこういうシーンの連続。自分の作ったキャラが可愛いのは解りますが、もう少し作者との距離を空けた方がいいのかもしれません。
 人物に関してのみ言えば、「盗人講座」や「education」の演出力を100とすると、この作品の演出力は20か、30程度です。人物の立たせ方を、もう少し工夫しないと。それには他の作品から勉強するしかありません。

 さらに、作者の善悪観や価値観を強制的に押しつけられます。もちろん、どんな作品であれ、一部に内包せざるを得ないものです。しかしこの作品の場合は、それが物語のベースとなっている。これは諸刃の剣――いや、茨の道か。恐らくFFの影響かと思いますが、少年向け漫画の場合、コノ手のものはちょっとしたことがきっかけで打ち切りとなっています。
 要するに、作者の価値観なんてものは、面白さとは全く無縁なのです。プレイヤーにとってはどうでもいいこと。
 私は『ゲームは面白いかどうかが全て』だと思っていますが、世の中には『ゲームは解像度が全て』とか『リアリティが全て』とか『価値観が全て』という人も沢山います。ですから、面白さを基準に書いている私のレビューに反感を感じる人は多いかもしれません。少女漫画には、面白くもない価値観を重視した話が延々と続く作品がかなりありますので、この作品は女性に向いているのかもしれません。

 尚、クオリティが高いといっても、かっこつけたところでの文章に限って妙にケアレスミスが多いです。作者が普段使わない言葉のせいでしょうが。

 覆面男とラスボスが対面したときの会話中――
x貴様自身は ○貴様は
 自身が付いていると、意味が通らなくなる。偉そうに書いていますが、私自身もよくやって先生から何度も怒られました(最も基本的使い方)。手なりだと、ついつい書いてしまいがちな蛇足です。
「あなた自身の問題」という風な使い方はありますが、「私はあなた自身を○○する」または主語を省略して「あなた自身は○○する」という使い方はありません。

「反面教師」の使い方が変。あれだけシリアスなシーンで出すべき言葉では無かった。私はギャグシーンでは笑えませんでしたが、ここでは笑えました。おいおい、そこで反面教師は無いだろ?(笑) と。

「どうりで」の変換
x通りで
○道理で
 ツクール作品ですし、タイプミス・誤変換程度なら普段は気にしないのですが、エンディングの盛り上がった場面でやらかしているので。些末な場面ではしっかりしているのに、気を抜いてはならないシーンでミスが多発しているのは、もったいないどころではありません。そもそも、これは誤変換じゃないですから。(笑) 作者が勘違いしている。

 一応最後までプレイしましたが、チップ探しは作業に過ぎなかった(でも、探さないとクリアできない)し、ご都合主義にはうんざりだし、なんだか苦痛でした。価値観には同意できないし、全く感動なんてしません。
 作り込めばそれで面白いわけじゃない。クオリティと面白さが全く別物だという、反面教師的な面もある作品でした。

 もちろん、これだけ作り込んであれば、金賞は当然ですが。面白さと点数も、別物なのですよね。


「水護墓」/茶林小一
★★★★☆
 巧いし、面白い。
 でも、ちょっと巧すぎてイヤんな感じも。(笑)
 ただ、まだ小説の文章なので、あとほんの少しすっきりさせた方がゲーム用にはいいかと思います。
 少し文字に頼りすぎなので。

戦伝 〜4ever〜/Yugon
★★★☆☆
 ゲームそのものはとても面白いです。格闘ゲームがアクションRPGになったような工合。

 ただ、文章が――ライトノベルやギャルゲーとして見ても独り善がり&ハイテンション過ぎて、デモも2回見ましたが、全く意味が理解できませんでした。エンディングも「?」
 ギャル・アクションゲームなので、ギャル達への感情移入を助けるために科白も長くなっているのですが、感覚的すぎてついていけなかった。
 

「旋風仮面」/リィ
★★★★★
 これは面白い! もう笑いまくった。作者リィ氏のギャグセンスには脱帽。何しろ、今になってて夢に見るほどですから。
 ――のみならず『どんなゲームであればプレイヤーが面白く遊べるか』ということをちゃんと知っているんだな、と思いました。
 他に、同じシステムをパズルへ応用したゲームなども入っています。

「早押しボンバー」/DRAGONROADS.REAV
☆☆☆☆☆
 ????
 画面上に数字が表示されるので、それに合わせて方向キーを押すゲームなのでしょうが、理解不能でした。

「天使の絵本 ─THE FABLES ALTER─」/さもなー
★★★☆☆
 二昔前のアーケード・ゲームに、こんなのがありそうです。
 よくまとまっているし、クオリティも高いのですが、もっと遊んでみたいとは思わなかった……。
 完成度は高いのですが、プレイヤーを魅了するための何かが不足しているような。

「飛べない虫」/スカラベ
★★★☆☆
 とあるペットショップにて、店主が爆乳姉ちゃんと腕を組んで歩いているという噂のために、女房と外国から輸入した昆虫から逃げられた――というところからストーリーがはじまる。
 主人公は、そんな昆虫から飛べない身体にされてしまったテントウムシ。復讐のため、そして生態系を守るために戦う。
 ゲームのベースはサバイバルなのですが、イベントのバランスが悪くてすぐにゲームオーバーに。道をふさいでいた強敵をやっとの思いで倒して、まずは安全な場所へ……と思ったら、直後に回避不能の戦闘がはじまったり。
 昆虫の世界なので、価値観はひたすらメスメスメス……クリア後はなんつーか、毒男の心を逆撫でするような……。
 オートバトルは楽でいいんですが。

「満月の夜の姫」/秋里京子
★★★★★
 ゲーム性はほとんどゼロに近いですが、面白かったです。

 ただ、悪運の意味が間違っている気がするけどね。(笑)


あく‐うん【悪運】

 悪事をしても悪い報いを受けずに栄える運命。「―が強い」

【広辞苑第四版より】


 多分、ダイ・ハードのせい。

 以上。作者名は敬称略とさせていただきました。

Posted at 2006/12/13(Wed) 10:33:49

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