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文学・芸術など創作方面を中心に、国内外の歴史・時事問題も含めた文化評論weblog

11月〜12月に買った漫画本

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荒木飛呂彦『スティール・ボール・ラン第10巻』 集英社 410円
 これは凄い。
 話の筋にジョジョ第一部の影が見えてきて、ストーリーに幅が出てきているが、これはもう文句の付けようもないほど、完璧に近い。もちろん、徹底した因果の結びつけが、少しわざとらしいように感じるといえばそうなのだが、そうするとジョジョの世界そのものが成り立たなくなる。

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 巻末にはスタンドについての設定が載っており、この巻はジョジョ好きにとってはバイブル的本となるであろうと思う。

 また、ジョジョ節ではない、荒木飛呂彦独特の言葉。特に作中の科白ではなく、カバー裏にある作者からのコメントについても注目したい。内容も面白いが、今回は特に言葉遣いついて。
 荒木飛呂彦は『ヤバイ』などといった、最近使われるようになった若者言葉も積極的に取り込んでいる。いや、積極的という言葉は当たらないかもしれない。ごくごく自然に使っている。恐らく本人が日常の中で自然に使っているのであろうが、まったく四十代とは思えない若さである(写真も相変わらず不老不死の様相を呈しているが)
 その若者言葉も、全く意味不明に使われるのではなく、きちんと意味が通るように使われているのがポイントである。これについては、当の若者よりもより的確に言葉の印象を捉えているお蔭だろう、と思う(単純に若者言葉といっても、若者が全て同様に用いているわけではない)。荒木飛呂彦が使うと、ら抜き言葉にもつたなさや、いやらしさを感じないのが特徴である。

 言葉を用いる上での、持って生まれた才能、ということだろうか。フランキーな表現のには、障碍も多いことだろうが。

参考:
『ド低能がァ――ッ』 パンナコッタ・フーゴ魂の叫び、消える@JOJO

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川原由美子『観用少女 完全版 上 ―明珠―』 朝日ソノラマ 1,600円
 これも凄い。
 観用少女の愛蔵版です。しかしよくある手抜き愛蔵版ではなく、本当によくできた本。これで1,600円は安い。
 私は既刊四巻は持っていますが、この上巻での未読は「ユメデミタマナザシ」と「オーロラ姫」の二つでした。下巻はもうそろそろ発売される頃だと思いますが……。

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 厚くて重くて手首にかなり来ますが、さすがに『ソフィーの世界』よりは薄かったです。(笑) 唯一の欠点は重すぎて読みづらいということ、でしょうか。

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 表紙はなんと仕掛け表紙。これに釣られて買う人も大勢いるかもしれません。紙面のノリも非常によく、絵が鮮やかに表現されています。

 ファンなら是非とも持っておきたい一冊ですね。

Posted at 2007/01/19(Fri) 16:15:48

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