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文学・芸術など創作方面を中心に、国内外の歴史・時事問題も含めた文化評論weblog

ロンドンにて、ジョジョの奇妙な冒険第一部とデスノートを足したような事件が発生?!

なんでも評点;金持ちの家に養子に行くために家族の名をノートに書き、全員を亡き者にしようとした14歳の少年
 ニュースサイトと違い、簡単にリンクが切れてしまう心配が無いので引用はしないが(非常に文章の良いサイトなので、読めば読むほど面白いはず)、家族を殺して金持ちの家へ養子に行くなんていう筋書きは、あたかもジョジョ第一部のディオ・ブランドーのようである。
 知らない人のために、ネタバレしない程度に『ジョジョの奇妙な冒険 第一部「ファントム・ブラッド」』の簡単なあらすじを書いておく。貧民生まれのディオは、実の父親を毒殺し、父親の縁により、金持ちであるジョースター家の養子となる。彼はジョースター家の資産を目当てに乗っ取りを企み、一人息子のジョナサン・ジョースターから愛犬や友人、恋人を奪い、精神的に追いつめることで堕落した人間にしようと目論む。しかしジョナサンの精神力ゆえに計画は失敗。7年間親友を装い、期が熟するのを待っていたが、義父であるジョージ・ジョースターを毒殺しようとしていることがジョナサンによって明らかにされる。そこでディオは策を弄することをやめ――(ここから『ジョジョ』が始まるので、ここであらすじはやめにする)
 荒木飛呂彦氏のことなので、これらの筋には何かヒントのなった事件や、下敷きのある可能性もある。貧民層の人間が考えることは、ある程度決まっているのかもしれない。美しく生まれた女性なら金持ちの男を誘惑して玉の輿に乗ることも選択肢に入るだろうが、男性はほとんど絶望的である。何事かを成し遂げようにもヨーロッパは階級の壁が、日本では想像もつかないほど分厚いので難しいものがある。
 もしこの記事の少年が、養子になった先の乗っ取りまで計画を練っていたとしたら、ますますそれらしい。そして逮捕されてから、策を弄すれば弄するほどダメだと気づいたなら、もはや完璧である。

 リンク先のなんでも評点では現在映画化へ向けて話題沸騰中のデスノートを彷彿とさせているが、デスノートの英訳版ペーパーバックが発売されたのはamazonによると2005年10月15日のようなので、なんでも評点に書かれていることは正しい。少年がよっぽどの日本漫画オタクでなければ、事件のあった当時はデスノートの存在を知らなかったことになる。
 ところで、デスノート英訳版が、英語の勉強や実用英語に慣れるために購入している人が多いのには、少し驚いた。私は翻訳文学を原書と並べての独学がほとんどだったし、学校での英語授業も同様に英文学を読んで翻訳して発表する――というごく一般的な形式のものだった。
 つまりあくまで英語→和訳という流れで培ったものであり、私自身のスキルも当然和訳に限られている(定型句ならともかく、実用的な日本語を英訳することは、ほとんど出来ない)
 しかし、デスノート英訳版は当然のことながら、日本語が基である。しかも、漫画で使われているような口語日本語→(実際に見ていないので確証は無いが、恐らく)口語英語への翻訳である。実際のスピーキング・イングリッシュを独学・黙読で愉しく慣れよう思うのなら、うってつけかもしれない。
 そんなわけで、英語圏の海外へ行くなら大学の講義やゼミの方法ではなく、日本語作品の英訳を原文と合わせて読んだ方がずっとタメになるかもしれない。
 少し前に小学校で英語教育を導入することが話題になったが、しち面倒臭いアルファベットから教えるのではなく、一切何も教えずに日本語漫画と英訳漫画をセットで与えてはどうだろうか。それだけで、子供は勝手に、本人さえそれと気づかないうちに慣れてしまうはずである。好きこそ物の何んとやら。滅多に使うことのない外国語のロジックなど、最低でも中学からでなければ、大人になってから自動的に忘却してしまうだけなので、意味が無い。
 これらは漫画の話だが、小説の場合だと夏目漱石などはともかく、現在では村上春樹の小説が英訳をはじめ、北京語など様々な言語へ訳されているはずなので、春樹信者はそれで覚えるのもいいかもしれない。外国の知識人から出し抜けに日本の文学について質問された時、春樹文学の小説の一文でも思い出すことが出来たら、そのまま諳んじるだけでも、相手へどうにか伝えることが出来るかもしれない。その場で日本のことについてなど、頭の中で翻訳出来るわけが無いのだから。
 つい、話が逸れてしまった。

Posted at 2006/06/19(Mon) 10:40:25

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