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検察ですら加害者の擁護に廻った異常な裁判

産経web;「遺体食べてない」一部報道を否定 妹殺害で東京地検

 この報道についてやたら賞賛する人々が多いので、一応書いておきます。

 まず、関係者の利害関係をはっきりさせておきましょう。


次男(加害者)「妹(被害者)になじられたことが全ての原因」
=悪いのは被害者
 
家族「娘はいらない子だが、次男は可愛い。娘が死んだことは残念だが、次男に課せられる刑罰は軽く済んで欲しい」
=加害者の味方
 
弁護人「加害者を弁護することが仕事」
=加害者の味方
 
検察「真相の究明が仕事だが、被害者家族の心情を慮ることも大事だ」
=家族の味方
 
警察「目撃者もいないし、証拠は遺体と加害者の自供だけだ。普通、殺人事件といえば被害者家族の無念を晴らすのが使命だけど」
=家族の味方

 あれ? 被害者の擁護をする人がいません。
 おまけに証拠は遺体と実況見分、家族の証言、加害者による自供だけです。

 その上、


 警視庁の調べに、勇貴被告はこれまで「妹の言動が原因で家族内で口論が絶えなかった。『勇くんが歯科医になるのは人のまねだ』とばかにされ一気に怒りが爆発した」と動機を説明。検察幹部も「動機は被害者の犯行直前の言動に立腹したもの。性的興味や死体への関心に基づく事件ではない」としている。

 殺害動機を憤怒によるものという前提としています。これは裁判の上で精査していくべきものであって、動機が前提とされるのは異例のこと。

 多くの人がご存知の通り、日本では、殺人での刑罰は動機が全てです。
 たとえば、ロボトミー殺人事件などは、加害者である桜庭は明らかな被害者であり、同情の余地がありますが、計画的殺人だったために無期懲役となっています。
 一方で、被害者側が原因で起こされた憤怒などにより一時的に自己を喪失し、突発的に殺害に及んだ場合は、かなり刑罰は軽めです。状況によっては懲役8年程度で済む場合もあります。
 逆に前述の計画的殺人や、性的目的や快楽目的での殺害となれば、最低でも無期懲役。死刑判決もありえます。
 検察の今回の発表は、死刑は絶対にありえないということ。10年未満の懲役で済む可能性が高いことをいきなり宣言しているようなものです。

 もし被害者である女性の家族と加害者の家族が異なっていたら、このような異例の報道はなかったものと思います。
 被害者家族の無念の想いや、加害者への怒り、納得できない裁判をつっつくことで、裁判と捜査は自然と厳しいものになっていきます。しかし今回は加害者と被害者の家族が一致しているために、誰も突っつく人物がいません。

 家に家族のいない隙間を狙った犯行に、計画性や快楽性がないといきなり断定してしまうのは、危険なことかと。

Posted at 2007/02/06(Tue) 17:07:53

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検察が加害者の擁護に回った理由は、検察の起訴内容と異なる報道をマスコミがしたからってだけで、
マスコミ報道が真実ではない限り、異例としても問題なのはマスコミでしかないと思うけど。

あと、刑事裁判や検察、警察は別に、被害者とその遺族や関係者の無念を晴らす事は、使命ではないと思うの。
粛々と事実に基づいて法に則った罰則を与える為に捜査して審理して判決を下す機関ではないのかの。

余談だけど、
公務員もマスコミも嫌いだから、もう、どっちも適当やってんだろー?とか思いたくなるね。
マスコミは売る為、目立つ為だけに根拠も無く、関係者の事も考えずセンセーショナルな内容の妄想を。
公務員は公務員らしく、一番めんどくさくない仕事になるように…って、思ってしまう。

Posted by arima at 2007/02/08(Thd) 09:40:11

お久しぶりですー。
 確かに一番の問題はあることないこと書き立ててる週刊誌にありますよね。とはいえ、今回の件は最終的に決着がついてからの発表でも遅くなくて。今から決定事項として伝えられているのがどうも、変な感じでした。
 粛々と事実のみに基づいて裁判やってくれるならなの文句もないのですが、最近の裁判は感情に流されやすいですからね。DHMOと変わらないような裁判結果が出てガッカリすることが多いです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/DHMO

Posted by 紫陽 at 2007/02/09(Fri) 07:54:37 URL

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