I teie nei e mea rahi no'ano'a

文学・芸術など創作方面を中心に、国内外の歴史・時事問題も含めた文化評論weblog

そこら辺で拾ったゴミの芸術作品

ananova;Work of art is rubbish(写真つき)
 ターナー賞参加者の作品には、全くゴミそのものがあった。
 東ロンドンにあるハックニー出身のレベッカ・ウォーレンは、彼女が自分のスタジオフロア、路上で発見した物で、五つのディスプレイを満たした。
 その中には小さな綿屑、埃、髪の毛、プラスティック、小枝、毛糸のポンポン玉、棄てられていたサクランボの種が含まれていた。
 レベッカ・ウォーレンが、ミラー紙に語ったところでは、こうである。
「誰かのために、それはあるものを意味するでしょうし、他の誰かのためには、別の何かを意味するでしょうね」
 テート美術館館長リジー・キャリー=トーマスによると――
「それが事実ゴミであるにもかかわらず、小さなドラマが続いている。その対象は箱そのものの中で効果を発揮している。
 それらは感傷的なそして連想の共鳴を持っていて、意味を伝えることが可能である」
――とのこと。

 ターナー賞参加者は全部で4人であり、
 レベッカ・ウォーレン。
 抽象画家トマ・アブツ
 ポスター・アーティストマーク・チッチナー、。
 映画製作者フィル・コリンズ

 ターナー賞の賞金は25,000ポンド(日本円で500万円ほど)だそうです。

--------
 ターナー賞というのは、一般人なら「ぇ?」と漏らすような前衛的な作品でも受け容れるそうです。
 他の3人が日本でも多少の知名度があるらしい(検索に引っ掛かる)のに較べ、レベッカ・ウォーレンあまり引っ掛からなかった。その辺で拾ったゴミを構成することで500万円を獲得できたら、なかなかのものかもしれない。ある意味で本物、か。

Posted at 2006/10/05(Thd) 13:02:13

芸術 | コメント(0) | トラックバック(0) | この記事のURL

この記事のトラックバックURL ->

↑ページの先頭へ

黒木和雄「紙屋悦子の青春」

紙屋悦子の青春@岩波ホール


 チケットを購入してから随分経ったが、ようやく岩波ホールへ、黒木和雄監督の「紙屋悦子の青春」を観に行くことができた。

 まず始めに抱いた感想は、俳優陣がとても巧いということ。
 全身のみならず、バストアップの撮影でこれだけ長廻しをする作品は、現代の日本映画には他にない。細かく寸断された、ハリウッド式のカメラワークがほとんどだが、そもそも、俳優が長回しに堪えられないはずである。それでもしっかり自然な演技をした俳優陣には拍手を送りたい。原田知世ってこんなに巧かったんだぁ、などと妙に感心してしまった。

映り込みが残念


 黒木和雄監督作品は「音」の扱い方に特徴があるのだが、今回は以前までよりも、音の質がより自然になった。もちろん以前までも巧かったのだが、効果音集から抜いたような音色だった。しかし、今回はより自然な音へと近づいたように思う。音だけでなく、光の工合など、細かいところまで行き届いた配慮に、映画監督としての思いやりと、良心とを感じた。
 この、作品へ注がれる無限の思いやりというものが、時に天才を生み出す。黒木和雄は天才だった。これが未完とならなかったのは、何か神懸かったものを感じる。同時に、神懸かったところまでついに到達できたということだろう。惜しい人を亡くした。

 反戦映画ではあるが、ストレートに反戦を訴えることはなく、薬臭くない。
 会話のやり取りも非常に巧いのでだが(一部、非常にまずい部分もありますが)、原作である戯曲を読んでいないので、違いを較べることはできないが。原作者の松田正隆氏は「美しい夏キリシマ」のときも、共同脚本という形で参加していた。

Posted at 2006/09/28(Thd) 20:52:36

芸術 | コメント(0) | トラックバック(0) | この記事のURL

この記事のトラックバックURL ->

↑ページの先頭へ

GEISAI#10で印象に残ったもの その3(最終回)


  • グルテン;gulten1999.com

     審査員賞を受賞していたので、わざわざ私が紹介することもないと思いますが……。私も200円を寄付してきました。

    グルテンバッジ正面グルテンバッジ裏


     このバッジもパンでできているそうです。イザというときには非常食に(なりません)。


  • 奈良エナミ;GEISAI#10審査結果
     金賞だそうです。確かにこれは印象深い作品。奈良氏は色んなところで受賞しまくっていますね。その辺にも“こいつを押し出してやろう”――という周囲の意思が働いているのかも。
     特別新しいわけでも、古いわけでもない作風。しかし、小細工なしで勝負に来ているところがまさにアートですな。


  • 田中慶子『沸く沸く』(D-033)
     サイト情報が見つかりませんでしたので、替わりにブース番号を置いておきます。
     いわゆる“飛び出す絵”で、真っ白なデブハゲオヤジ達が手を繋いで廻っていました。これは色々な意味で忘れられない印象です。(笑)


  • DoDo
     この人は全然見つからない(多分グループ参加)ので、ポストカードの写真をば。

    dodo.jpg


     他にビルの屋上で空を見上げて座っている少年の絵など。普通の絵なのですが、こういう少年臭い絵が私の弱点です。


  • Coto;coto chips
     同様に、こういう絵柄も弱点です。物凄く好きなんですが、私にはどうがんばっても模倣できないタイプの絵柄です。


  • MAYURICo.DOLL;CHILDREN IN THE WAR◆千葉マーコ
     恐らく柴倉一二三人形教室の生徒さんかと。
     今回はドール出展を三つ紹介しましたが、全て見せ方が違います。こういう見せ方も面白いな、と。


  • 施井泰平;施井泰平ブログ - nanospectives -
     この人は飛び道具が効いてるな、と。それだけなんですが、印象深いです。


他、名前はメモしているのですが、サイトで情報が見つからない|どんな作品だったか思い出せない――などの理由で紹介できなかった人達の一覧。
三木チカ、篠原愛、Matsuda Shinya、岸野美由紀、清水和美、Iabu、イゥヒリカ、RYO
 メモがあまりに汚すぎるため、一部作品名も混じっているものと思われます。


 レポートは以上です。大変愉しかったですが、とても疲れました。疲れた身体を癒そうと、自動販売機を見ると「こ、これは……!」

milo.jpg


 懐かしい。20年くらい前はよくCMをやっていたものです。飲んだら癒されました。(笑) 撮影用にもう1本。
 国際展示場駅や新木場など、東京ビッグサイト周辺はネスレの自動販売機が多かったです。普段はなかなか見ない、珍しいものです。

Posted at 2006/09/22(Fri) 10:34:04

芸術 | コメント(0) | トラックバック(0) | この記事のURL

この記事のトラックバックURL ->

↑ページの先頭へ

GEISAI#10で印象に残ったもの その2

geisai03.jpg



  • sie:sie 〜under the garden〜GEISAI PHOTOLOG

     今ではありきたりともいえる抽象絵画なのですが、色や形のチョイスなど、作者のセンスがいいので、引き込まれます。

     世の中には、構成力の無さを、抽象的にすることで誤魔化しているような作品も多いのですが、これは違うかな、と。


  • 貝原亜里沙;arisa kaihara websiteGEISAI PHOTOLOG

     この絵柄は良い。過去の作品と較べると、着実に巧くなっていますし、これからが期待できるな、と。


  • 宮川雄一;yuuiti miyakawa illustration

     お洒落・カッコイイ・モード――そんな感じですかね。これは男性ならでは、と思う。人物の顔つきなど。


  • (架空会社)仁葉工芸;GEISAI PHOTOLOG

     これは凄かった。グランバザール号というのですかね。数回轢かれそうになりながら(笑)、どうにか近づいてメモ。これは面白い。お金も掛かってそうな気がしますが。


  • 合田里美;Bartok Gallery きのことくま

     ちょっと(感性などが)粗削りな感じはするのですが、面白い。これから化けるかも。


  • 小林真理子;何気ない風景展

     世界が弱いのですが、少しだけ惹かれるものを感じました。正直、インパクトに欠けていて、見逃してしまうような作風です。それでも眼に留まるのですから、何か隠された魅力があるのでしょう。


  • 西岡兄妹;-西-岡-兄-妹-

     これは面白い。可愛いですし。ただし、商品として出来上がっているので、何も言うべきことがないです。完成された作品世界なのですが、それは必ずしも良い印象ばかりではないな、と。


  • 浅野琢也;GEISAI PHOTOLOG

     一言で言えば、狭い。(笑) 作品の量に対して、明らかに展示スペースが不足。「都市のエピタフ」など、せっかく蓄光塗料が使われているのに、それを眼で確かめることができないのは、なんだかもったいない展示だな、と。

     一つ一つは非常に面白いのですが、やはり見るスペースがはっきりしていないと、見落としてしまいがちです。


 こうして並べてみると、女性が多い気がします。前回も。私の趣味自体に問題があるのかもしれませんが、女性の方により鋭い作品が多く、男性の作品の場合、プロ・中堅作家(画家)は巧いのに、若手が弱い傾向にあるような気が。
 逆にパフォーマンスをやっているのはほとんど男性で、女性は僅か。しかも圧倒的に男性の方が面白いのですが……。

Posted at 2006/09/20(Wed) 23:56:36

芸術 | コメント(0) | トラックバック(0) | この記事のURL

この記事のトラックバックURL ->

↑ページの先頭へ

GEISAI#10で印象に残ったもの その1

geisai02.jpg


 作品、及びブースの写真は一切撮影しませんでした。特に作品の画像については、権利上の問題よりも、照明などを色々と工夫しなければ、作品の良さは写真に写り込んでくれません。後で見て、ガッカリするのはいやですからね。そのくらいなら、最初から撮影しない方がいいのです。
 順番は、私がメモを執った通りに並んでいます。人の多いところは飛ばしたので、ブースの並び順というわけもないです。何度も同じところを歩いてみて、眼に留まったもの・印象的だったものをメモしました。



  • ロッカクアヤコ:ロッカクアヤコ作品集

     何も私が紹介するまでもないのですが。絵柄の存在感が凄い。

     例えばコマーシャル画像に使われていたら眼につかずにはいられないし、何かの商品の絵柄だったら手にとってみたくなるかもしれない。商品としては強力な武器となりそう。


  • もんちほし:もんちほし

     インパクトが強かったです。ネットで画像を見るのと、遠くからブースを見るのでは全く印象が違います。頭で電球が光ったので、和紙から構図の良いものを2枚択んで買ってきました。

     ただ、ケチをつけるなら、アート的クオリティの作品と、漫画的クオリティの作品とが混在している。漫画の1コマと、アートの1枚とでは意味が全く違いますから。いい作品は物凄くいいのですが、ぱっとしない作品はとことんぱっとしない感じです。


  • 岡馬勲:アトリエ人形倶楽部

     ビスクドールです。

     ビスクドールには、以前新聞広告で一目惚れしそうになった経験がありますが(笑)、これは凄い。生きて見つめられているような気持ちになる。このレベルに達すると、人形も『語る』ようになるのですな。

     クオリティの高さももちろん、見る者を魅せるテクニックもちゃんとしているからこそ、だと思います。ただの職人ではない、と。

     吸い込まれるように見入っていたら、作者様から声を掛けられたので、逃げてきましたが。(笑) 左から2番目にあった、東洋風のドールが特に気に入りました。ん十万円しますので、お金持ちになった暁には買いたいものですが。



    画像;銀座人形館招き猫


  • 猫人形めがみ:猫人形 めがみ

     こちらもビスクドールなのですが、どうにも見せ方が悪いなー、と。作品が雑然と並んでいて、どう見たらいいのか解らない。作者の見せたいものが一体何んなのか解らなかった。見せ方一つで作品の印象は大きく変わるので、その辺の工夫が必要。


  • もちだちあき:●●● Mitil  ミチル ●●●

     こういう、マンデルブロ集合みたいな絵柄って苦手なのです。いい意味で。(笑) こういう絵を解説する能力はありません。

     ポストカードも買おうと思いましたが、なんだかタイミングが合わなかったようなので、買えませんでした(忙しそうだったり不在だったり)


  • ふくしげみさこ:GEISAI PHOTOLOG

     動物耳ってあまり好きではないのですが、悪くない印象でしたので。

     習作に描かれている人物にインパクトがあったので、しばらく眺めていたら、こちらを振り返った作者と、絵の人物とが全く同じ顔だったので、妙にドキッとしました。

     単に同じ顔というだけでなく、作者の持つ雰囲気がそのまま絵に込められているのだな、と。

     今までセルフ・ポートレイトと作者を並べて見ても、そのような奇妙な感覚に陥ったことが無かったので、これも才能の一種かもしれません。



     ところで、うさみみが一パイ置いてありましたが、あれは売り物だったのでしょうか……。



 あまり縦長のアーティクルになっても困りますので、1日ずつゆっくり更新していきます。因みにオタクアイドルやハードゲイなどには興味がなかったので、全然見ていません。よってスルー。

Posted at 2006/09/19(Tue) 10:55:45

芸術 | コメント(2) | トラックバック(0) | この記事のURL

この記事のトラックバックURL ->

↑ページの先頭へ

GEISAI#10へ行ってきました。

 村上隆主催のGEISAIも、ついにこれでファイナル。夜勤の狭間という、私にとっては最悪のスケジュールでしたが、がんばって行ってきました。

geisai#10の戦利品


 気に入ったものの中から、こまごまとしたものを色々と買ってきました。ちょっと保守的でしょうか。面白い作品はもっと沢山あったのですが、ポスト・カードなどが準備してあるとは限りませんので……。
 デジカメも持っていきましたが、ブースや実際の作品等の写真はいっさい撮りませんでした。それだけの時間的余裕も無かったですし。

 無理な日程を消化したため、非常に眠いです。詳しいレポートは後日ということで。

Posted at 2006/09/18(Mon) 09:58:11

芸術 | コメント(0) | トラックバック(0) | この記事のURL

この記事のトラックバックURL ->

↑ページの先頭へ

強奪され、行方不明となっていたムンクの「叫び」と「マドンナ」が発見さる

北海道新聞;強奪のムンク作品発見 「叫び」と「マドンナ」 【写真】


【ロンドン31日共同】オスロからの報道によると、ノルウェーの警察当局は31日記者会見し、2004年8月にオスロのムンク美術館から強奪され、行方不明となっていた同国の画家エドバルト・ムンクの代表2作品「叫び」と「マドンナ」を発見したと発表した。

 作品は損傷が少なく、比較的良好な状態であるとのこと。
 もう閲覧可能な状態では戻らないかもしれない、と諦めかけていました。強盗団の目的は一体何んだったのか? 黒幕は何者? 情報提供者は? ……等々、謎は深まるばかりですが、無事に戻って何よりです。

 とりあえず喜んでみます。

munch_swing.gif


 ところで、損害賠償1億2200万ドルって本当に支払われるのでしょうか。いや、絶対に払えないけど……。

サイト内関連:
中期までのムンク作品なら燃やしたい気持ちもわかる

Posted at 2006/09/02(Sat) 17:58:30

芸術 | コメント(0) | トラックバック(0) | この記事のURL

この記事のトラックバックURL ->

↑ページの先頭へ