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文学・芸術など創作方面を中心に、国内外の歴史・時事問題も含めた文化評論weblog

岡本太郎 壁画「明日の神話」

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200512060019.html(リンク切れ)


「明日の神話」修復中


 ゴミ同然に放置されていた岡本太郎の壁画「明日の神話」だが、順調に修復作業が進んでいるらしい。
 この写真で見ると、いかに巨大かが解る。これほど巨大だとは思わなかった。
 さて、巨大な作品というのはそのスケールだけでも、既に見る者に大きな衝撃を与えるものなので、写真で見るとそれほど迫力は伝わってこない。大きさというのは、美術作品にとって最も大切な要素の一つだ。
 なおかつ、大作というものは非常に手間と材料費が掛かるために、あまり数が無いこともあるが、基本的に価値は大きければ大きいほどあがるものである。小さな作品というのは、その分だけ価値もさがる。
 それだけ、大きさというのは見る者にとって大きな問題となる。さて。真の芸術家であるなら、大物よりも小さなサイズの作品にこそ真価があらわれるものだと思う。岡本太郎も大物ばかり評価されがちだが、トランプのデザインなど、細々としたところの方にこそ注目する人々も決して少なくない。

Posted at 2005/12/08(Thd) 15:37:52

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この記事へのコメント

トランプ、まぁやっぱりというか復刻されてたんですねー。
あの美術館の岡本太郎イベントとかホント悪趣味だったのであまり興味が
無かったのですが、このトランプは買いに行きたい(笑い)。
芸術品の大きさ=価値というのは一概には言えないとは思うんですが(フェルメールとかやたら小さいし)、でも同感だったりもします。無節操な意見で言ってるのではなく…やはり美術館で本物を見ると、キャンバスの大きさも作品の重要な要素なんだなと判る。油絵の具のマチエールというか筆のボコボコした力強さも然り。
岡本太郎の巨大壁画、海外の潰れたホテルの壁画は日本で修復されているのに、
日本の何所だかの役所の壁画は保護団体の声を無視して破壊しちゃってるので
なんとも素直には喜べない気分も残ります。

Posted by ス at 2005/12/09(Fri) 06:27:36

トランプ買いに、是非とも東京へいらしてください。(笑)
遊び心でデザインした――ってありますけど、やっぱり芸術は爆発よりも遊び心の方が大事だなーと思ったりします。岡本太郎って芸術は○○だ――っていうのばかりパクられてて、なんだかなーと思うところも……。
 
美術だ芸術だって言っても、結局は商業主義の前にあっけなく敗れてしまうものですよね。そういう時って、本来ならそういうものを保護すべき公的機関の方がずさんだったりしますよね。

Posted by 紫陽 at 2005/12/11(Sun) 18:45:07

岡本太郎ご当人が日本での壁画破壊を「仕方ないね」とさらりと流したのも、自分の芸術作品を安易に金で売らなかったのも、一方でトランプやサントリーのおまけグラスなどは楽しんで参加したのも…なんというか判る気がする。極めて現実的に色々なことをやっていたのでしょう。
そのあたりを理解せずに「○○は爆発だ!」とか言うのは…まぁコレは僕としては若い世代への認知度を上げる意味と意義があるなと思うのですが、ほぼ日あたりでやってた岡本太郎記念館でのイベント…岡本太郎の顔をプリントしたTシャツなんかを大量に展示したり皆で着て騒いだり(岡本太郎自信が芸術だ、という言い分)…というのは、むしろ侮蔑に値すると思う。岡本敏子が黙っていたのが不思議…というかそこが男と女の、当事者とファンの差なのかとも思うが。

Posted by ス at 2005/12/11(Sun) 20:51:27

 私もはじめのうちは岡本太郎のイメージは「爆発だ」以外に無かったのですが、スエナガさんのお蔭で色々と知ることが出来るようになりましたよ。スエナガさんのセンスの良さには舌を巻きます。
 さて、岡本太郎が今でも話題に上ることがあるのはやっぱり「爆発」の力もあるんでしょうし、そういう意味で芸術家にはそういう符合も必要なのかもしれませんね。
 侮辱に値する行為については……美術にしろ音楽にしろ文学にしろ、創作っていうのは“作品”への敬意を失くしたら終わりなんだなぁ、と思っています。作り手はもちろんのこと、受け取る側も。敬意を失った上で接するのは、もはや土足で踏み込む以外のことではありませんし。

Posted by 紫陽 at 2005/12/12(Mon) 18:44:19

>敬意
同感〜。良い事書くなぁ。
音楽の場合では特に、僕が書きにくくなってるアレとか(苦笑)。
>センス
これはセンスというかアンテナ感度の問題で、僕にセンスがあるならきっといまごろ金持ちでウハウハしてることでしょうよ(苦笑)。

Posted by ス at 2005/12/13(Tue) 03:19:02

「明日の神話」――ついに修復が完了した模様です。
http://www.yomiuri.co.jp/national/culture/news/20060606i205.htm

 なんだか紹介の仕方が微妙に鼻持ちならないような気もしますが。(笑)

Posted by 紫陽 at 2006/06/06(Tue) 21:26:55

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