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文学・芸術など創作方面を中心に、国内外の歴史・時事問題も含めた文化評論weblog

黒木和雄監督、逝去

http://www.sanspo.com/geino/top/gt200604/gt2006041303.html
 12日、黒木和雄監督がこの世を去ったという。年齢が年齢なので覚悟はしていたが、それでも衝撃は大きい。
 実は昨日、学校でN村先生に言われるまで気づかなかった(12日頃は忙しくてろくろく情報収集も出来なかったせいだろう。早いところ、以前の生活に戻りたい)のだが、あまりのショックに、驚くのも忘れてしまった。

 黒木和雄といえば、現代日本でまともな芸術と呼べる映画をやっている数少ない監督の一人。代表作は「美しい夏・キリシマ」や、井上ひさし原作「父と暮らせば」など、反戦映画を主に撮影した。しかし薬臭いだけで面白味のない、ただの反戦映画では決して終わらない。
 一枚一枚の絵が細心の注意をもって撮影・編集されており、観る人が観れば、その凄さを実感できる。観る者にも一定のセンスと、知性とを求める作品である。
 言い換えれば芸術的“深み”のある映画――となるが、そのため、底があるのかどうか解らないほど浅いハリウッド型の映画に慣らされた人間には恐ろしくつまらないものかもしれない。特に「マトリックス」なんて子供だましを名作だと思っている人には決してお勧めしない。
 近頃は所得格差が問題になっているが、センスの格差も大問題かもしれない。
 愚痴はともかく。

 本当に人ってのは突然いなくなるもの。しかし遺作が完成していたのは何よりのことだと思いたい。映画監督は映画作品あってこそ、だ。

 遺作となった作品は、是非劇場へ観に行きたいものだが……。

Posted at 2006/04/15(Sat) 00:23:03

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