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文学・芸術など創作方面を中心に、国内外の歴史・時事問題も含めた文化評論weblog

どう見ても盗作です>洋画家の和田義彦

 絵の画像も掲載されていた過去の展覧会、講師紹介など、関連画像削除の嵐なので、もう一度紹介しておく。

http://www.sanspo.com/shakai/top/sha200605/sha2006052905.html(画像比較)
リンク切れのため、他のblogから拾ってきました。
DANGER;芸術選奨画家に盗作疑惑!


――これが違う作品と断定できる方がいらしたら、是非ともご一報ください。(笑)
 もし、これが模写でないなら、模写って一体何? 仮に共通のモチーフやオマージュ作品であっても、ここまでやったら盗作。
 画学生ですら、同じモチーフの作品を描いても酷似することは稀だというのに、プロなら全く違った作品になるはず。画学生が全く同じ牛頭を、ほとんど同じ角度で描いた作品でも、模写のように見えることは、まずない。従って、仮に共同制作だったとしても、ここまで酷似することは、どうやってもあり得ないのだ。人をバカにしてる。
 この期に及んで和田を擁護している人は、無意味なメディア論や、全ての作品がそうと決まっているかどうか解らない、と訴える。しかし全ての作品が盗作であるかどうかはほとんど問題でない。たった一つであっても盗作をし、しかもそれを自分のオリジナルだと偽りを通そうとするような人間は、もう既に芸術家ではない。ただの職人である。
 創作をする人間は「生みの苦しみ」を知らなければならない。そして「創作に対する敬意」も忘れてはならない。
 しかし盗作をする人は、この二つとも欠けている。したがって、創作をする人間ではないのである。

Posted at 2006/06/05(Mon) 12:13:14

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この記事へのコメント

 日本画壇に関してはゴシップ以下の知識しか無いのでおとなしくしていましたが(笑)、比較画像を見るとなかなか興味深いですねぇ。
 色相が違うのは、スギ氏のアトリエで作品の写真を撮りまくったという話が正しいのであればFinepixとかの色調が赤に傾くようなデジカメを使ったのかもしれません(笑)。
 題材の解釈が、オリジナルではノクターン(夜想曲)であるのに和田氏のほうはナイトクラブと、似ているけど「別のモチーフ」で描かれている部分に差異がある(笑)。顕著なのは右上の女性の臀部のラインが和田氏のほうが露骨になっている(この比較画像では)。オリジナルでは背中が広く開いたナイトドレスのようだが、和田氏のほうは尻のラインが出すぎていて服が破綻している。…多分撮影した写真の露出が甘かったのでしょう(苦笑)。
 またスギ氏のほうは繊細な陰影を駆使して空気感を表現しているが、和田氏のほうはディテールに固執している感がある。漫画「ギャラリーフェイク」では、贋作は模倣しようとしすぎて筆使いがオリジナルより細かくなってしまう…というネタがありましたが、そういった傾向があるように思えます。また和田氏のほうは全体的日本絵画的な「平坦な仕上がり」になってますよね。
 
 真贋に関しては皆様と同じ意見になるので省略しますが(笑)、そういった色眼鏡なしに評価してもオリジナルであるスギ氏の作品のほうが良い仕上がりだと思います。青を基調にしながら僅かな赤味を感じさせる絶妙な配色が空気の温度さえ描いているような、品のある絵になっている。一方の和田氏のほうは、簡単に言うと「映画の看板」みたいで平坦な出来栄え。隠喩的な絵画というより直喩的なイラストに似た印象。中央の空間で手を抜いているのが全てを台無しにしている。
 個人的には和田氏の冴えない絵を文化大臣賞に選んだ文化省の選考委員会のセンスの無さを糾弾してもらいたいものです。

Posted by ス at 2006/06/05(Mon) 20:23:23

おお、ありがとうございます。素晴らしい解説です。(笑)
>冴えない絵を文化大臣賞に選んだ文化省の選考委員会のセンスの無さ
 まー、ああいうのは所詮、偉い人達の都合ですからね。エリートコース出身だった――とか、作品よりも経歴が重視されているのかも。美術専門家のうちの何人が本当に作品を理解する能力があるのか、ってのも疑問。眼力ってのはよっぽどの人でないと備わっていないのが現実。
 馴れ合いやってるお金があるなら、面白い作品を作るのにさっぱり日の当たらない学生や、若手芸術家のためになんかやって欲しい気がする。まともなアートやったって今じゃなかなか食えないしね。

Posted by 紫陽 at 2006/06/06(Tue) 00:31:26

 オリジナルは刺激的な状況であるのに鬱蒼とした絶望にも似た空気が漂っている感じがあって、絵に描かれている人物達の内面描写になっているように感じるのですが(その空気感を夜想曲とするタイトルセンスも秀逸)、和田氏のほうはエロが強調されていて人物達の暗澹とした表情とギャップが生じているしナイトクラブというタイトルも安直。
 和田氏のほうの絵のタイトルを「ノクターン」と思いながら眺めても意味不明に見えると思います。逆にスギ氏の絵に和田氏のようなツッコミを入れようとしてもなかなか難しい。人物の表情も薄く描かれているのでより内面的な情景に意識が向くようになっている。輝くようなテーブルは何らかの隠喩でしょうね…女性をはべらせた状況なのに無機質に視線が向いている。和田氏のほうは微妙に視線がズレているように見える。こうなると和田氏の絵って単なる引き立て役ですね(笑)。こういった絵を読み解く行為はダヴィンチ・コートより面白いんじゃないかと思ったり(笑)。
 偉い人たちの都合というのは正解だと思います。日本画壇も年功序列の権威主義なのでしょう。多分才能とは関係なく経歴で受賞するのでしょう。偉い先生に弟子入りして召し仕えて、先生がいなくなったらその席に鎮座する。そりゃ岡本太郎も反発します(笑)。
 また一般の人間には文化大臣賞である作品が人目にさえ触れていなかったという事実にも問題があると思います。毎年(かどうか知らんけど)人知れず文化大臣賞受賞が誰も知らない人間に授与されているとするなら結構な問題ではなかろうかと。
 若手への支援は…まぁなくてもいいような気はする(笑)。若手の「革命家」を受け入れるような風潮が生まれれば、若手が「革命家」になろうと発起するような状況が生まれれば良いのではないかと。多分それが自然なのでしょうけど…権威ある人が邪魔をするのでしょうね。うーむ。

Posted by ス at 2006/06/06(Tue) 03:59:29

もうすっかり“違う”作品だと解りました。(笑) 改悪、というよりも、決定的な実力の差がある、ということですね。

若手芸術家を安易に受け容れたりすると、せっかくのノビしろが無くなったり、反骨心が無くなりますかね? 今ってどの芸術分野も平板なんですよ。小説もポスト春樹の時代を終えて、また春樹に戻ってきたって感じですが。(笑) まぁ、新しいことなんてそうそう出てこないですが、未来の歴史では21世紀は特にこれといったことのない世紀だったと書かれるかもしれませんよね。あと93年と5ヶ月24日もありますが。

因みに、コメントの空行を有効にしたつもりですが、どうなってるかな。このCGI、ウチの鯖だとエラー吐くんだよね。

Posted by 紫陽 at 2006/06/06(Tue) 10:17:53

 オリジナルと贋作の差に関して、僕は描いた人の年齢差が絵に出ているなぁと思っていたのですが…。

-----(Sankei WEBより引用)
盗作疑惑の和田氏、入試試験監督でもトラブル
≪受験生に電話番号メモ 名古屋芸大14年に退職≫
 盗作疑惑で芸術選奨文部科学大臣賞受賞を取り消された洋画家、和田義彦氏(66)が平成14年、当時教授として在職していた名古屋芸術大学(愛知県北名古屋市)の入試試験会場で女子受験生に自分の携帯電話番号を書いたメモを渡したことが問題となり同大を退職していたことが6日、分かった。同氏は大学側に事実関係を認め、「作家活動に専念する」として依願退職したという。
(略)
 同大では13年、和田氏をめぐり、セクハラに関する調査委員会が2度組織されていた。
-----

 …そりゃぁ尻のラインに執着するわなぁ(笑)。

Posted by ス at 2006/06/06(Tue) 17:09:12

今更ながら、スさんの眼力には脱帽致します。私は色んな敵を作ってきたけど、あなたが敵じゃなくて良かったよ。(笑) 経歴だけで批評する美術評論家や、配給会社から送られてきた資料だけで批評する映画評論家は馘にして、スさんが批評書いた方が絶対にいいです。

 最近では、物の解る人ほど専門誌よりも個人blogでの取り扱われ方を重視しているそうだけど、作品を見たことの無い人がカネの為に書いたテキストよりも、作品を実際に見て、報酬度外視で自分の感想をありのままに書いたテキストの方が絶対参考になるに決まっている。
 それに業界人は相手が偉い人だと、途端に批判的な批評が出来なくなる。(笑) 例を挙げれば、山田洋治はいい監督だけど、最近徐々にダメになってきているのは、誰も正面切って文句の言える人間がいなくなったから。黒澤明も似たようなものだったのかも。当時黒澤明に“直接”文句を言える人間は存在しなかったはず。偉い人には文句を言えない世界ってのはどこでも不健全なもので。

Posted by 紫陽 at 2006/06/06(Tue) 18:03:20

発明家や芸術家で先駆者は、いつも貧乏

創作・創造の世界を、極めると命がけ・好くて費用負担も作家もち発見と発明は、個人の私財でもたらされているから、いつも貧乏。盗作や二番煎じで、たいした批判や制裁が無いから楽な方に流れるのだろうが学生時代は、カンニングして社会に出たら盗作するなんてドロボウが職業みたいに見える。華麗にアイデアを盗んでオリジナルを超えてほしい。絵葉書にたい絵では、景色に感動できるが絵が写真でも代用できる。ディズニーみたいに上手にオリジナルを活かせるなら、それも才能だとおもうけど・・・美術界には寄生虫が多いらしい。

Posted by   at 2006/08/29(Tue) 16:07:45

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