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ヒステリー・キーワード

 ニュースサイト巡回が辛くて、かなり遅れているのですが整理の意味で貼っておきます。
毎日;文化学院:近く校舎取り壊し――松崎理事長に聞く /東京


 ――70年近い歴史ある校舎の取り壊しには惜しむ声もありました。



 私たちは「取り壊しありき」で進めてきたわけではありません。昨秋経営陣を一新し、同時に保存改修のため調査を依頼しました。その結果、校舎は予想以上に老朽化が進み、耐震診断の結果は簡単な補強では間に合わないということでした。天井にアスベスト(石綿)が使われていることも、学生の健康を考えると不安です。少子化の中で学生を確保するためにも、より快適な学習環境を整えたいと思いました。

 緑色の部分。言い換えれば、経営陣が日本ビーエス放送(株)へ受け渡されて、最初に理事会の議題に上ったのが校舎を壊すかどうかの問題だった――ということ。
 普通に考えて、学校経営が移譲されて、一番最初にやることが校舎の調査というのはあまり無いことです。
 考えられるのはそもそも建て替えの話が旧経営陣側から提案されていたこと。隣の浜田病院の改築など、あらかじめ学校側は情報を得ていたはずで、それに連動した経営移譲ではないか。
 そして、水色で示した『耐震、アスベスト、少子化』、と人心の不安を煽るようなキーワードを免罪符のように掲げているわけです。なんだか、週刊誌か新興宗教みたいですね。

 これらのキーワードや政治家など偉い人達が好んで使う、いわば流行りのキーワード。しかしそれらが本当に当てはまったことがあるでしょうか……。あくまでワイドショー的な売り込みに過ぎません。
 ワイドショーや週刊誌がしきりにこれらのキーワードを報道するのは、視聴者や読者の恐怖と不安とを煽ることによって、視聴・購買を促すためです。
 これは新興宗教の終末論も同じことです。それで信者は離れられなくなるわけです。インチキ占い師が女性11人と同棲生活をしていたのも同じ。人々の不安につけこんで、好き勝手に振る舞う人達というのはいつの時代にもいなくなることはありません。

 『天災は忘れた頃に来る』という言葉があります。中谷宇吉郎が新聞紙面上で紹介した、寺田寅彦の言葉だそうです。
 現在、日本国民のほとんどが一種の地震ヒステリー状態に陥っています。こういう時にはすっかり忘れられている別の天災によって大きな被害を蒙るものです。


文化学院:名物校舎取り壊し 11日に最後の入学式 東京

Posted at 2006/04/18(Tue) 07:47:06

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はじめまして。文化学院卒業生の者です。
5月初めに、いとしの母校の姿をスナップ写真にて記録しようと訪ねました。アーチ前には既に数人の女性3人組がいらしていて、私がコンパクトカメラを取り出すと、其の中のお一人が「撮ってさしあげても構いません?アーチをくぐった方でしょ?」と、何とも上品にお声を掛けて頂き、「いいんですか?お願いします」と、カメラを渡すと一生懸命に「あら、もっと空を入れたいわ」とか「ごめんなさい、壁に寄り掛かってみて」等々。。。とっても熱心に構図を考えてシャッターを切って下さったんです。そう、タテとヨコ各一枚ずつ。嬉しかった。
その3人の卒業生の皆さんは、60年前の卒業生との事でした。皆さん、とても美しく、品があり、そして強い意思の持ち主であることが、全身から放たれるエネルギーから感じとれました。なんだか、メソメソしていた自分を見透かされていたようで、パワーを投げて貰ったような気がしました。あんなふうにカッコ良く生きていきたいって、元気が出ました。では、失礼します。

Posted by 太郎 at 2006/06/15(Thd) 00:03:20

はじめまして。素敵なエピソードをありがとうございます。昔の文化学院卒業生にはお年を感じさせない人が多いですね。心にハリがあり、芯のある方が多いように思います。
 ところで、第59回日本アンデパンダン展には、文化学院卒業生の方の作品が数点出品されていたようです。そのうちの常連の方で、お亡くなりになった後に展示されたものがありましたが、老いてもなお若さを感じさせる、筆遣いと、ご本人の写真でした。

 現代教育は「お金儲け(就職)」や「どう役に立つのか」といった目先のことに集中していますが、精神にしっかりとした芯を持った人と、そうでない人の差は、歴然としていますよね。長く生きた時ほど、はっきりと示されるのかもしれません。それをしっかりと養うものが文化学院にはあったのだと、思います。
 お書き下さった三人の方に負けないくらい、私も心にハリと、芯を持って生き続けたいと思います。

Posted by 紫陽 at 2006/06/15(Thd) 13:09:18

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