I teie nei e mea rahi no'ano'a

文学・芸術など創作方面を中心に、国内外の歴史・時事問題も含めた文化評論weblog

東京新聞;文化学院校舎建て替え計画見直し求めOBら保存会

http://www.tokyo-np.co.jp/00/tko/20060314/lcl_____tko_____000.shtml
 ふーん。「文化学院を愛する会」ねぇ、こんな会があったのか。全然知らなかった。まぁ、何んにしてもこのサイトはweblogに限らず“名誉ある孤立”を貫き通しますが。


 会の名称は、「文化学院を愛する会」(事務局・大橋智子さん)。要望書では、新校舎の設計が完成していないことを理由に「校舎の行く末を話し合う時間は残されている」と主張。アーチ形の玄関が特徴の本館は、耐震補強などで保存の道を探り、新校舎建設は残りの敷地内で行うよう提案している。


(研究目的での著作物の引用は著作権法により認められています

 事情を知っている人には解るけれども、部外者には何んのことかわけ解らない記事だな。(笑) 東京新聞は良いのか悪いのか微妙なところ。
 そこで解説。文化学院の建物というのは85年前に建てられた旧館と、それ以降に増築された新館とに分かれている。新館ははっきり言って、さして美しくもない建設ラッシュ時の建物なので、別に壊されたとしてもこれといった感慨はない。文化学院の象徴はやはり旧館のアーチにあるので、それだけは残して欲しい、という要望なのだろう。
 GoogleEarthの画像から、新館部分を赤く透過してみた。

sinkyu.jpg


 見ての通り、敷地の大部分を新館が占有し、旧館はほんの僅か、ハリボテのように建っているだけ。
 現在は美術科と演劇実習が旧館を使用しており、高等課程や創造表現科、デジタルデザインなど大部分の講義・授業はほとんどが新館を利用している。確かに老朽化は酷いが、シンボルとして残すことにして、建物としての機能を排除し、それらは新校舎にのみ集中すれば何んの問題もないように見請けられる。
 それがダメだというのは、やっぱり何か予め決まった計画でもあるのだろうか――と勘ぐってみたくなる。
 まぁ、現実的に見れば『建物は修理するよりも、新しく建てた方が安くつく』のであるから、当然のことといえば、そうなのだが。

 しかし――形あるものはいずれ壊れる。永遠なんて無い。どちらにしても、あまりに急だった。せめて一年は間を空けてくれれば、随分と気持ちも違ったのに。普段学校に来ない生徒も、少しでも学校に来ようとしただろうし、校舎と学校の雰囲気を存分に感じたことだろう。そういった感慨に浸る暇さえ与えず、このままじゃ赤字ですから壊します――あまつさえ耐震性なんて流行語を使って言い訳をするのは、ちょっと情けなく思う。

----(3/14追記)----
 今日は卒業制作展を見るために学校へ出ていたのですが、新校舎の一階部分を賃貸することは既に決定事項らしい。普通に考えて、そうでなければ借金を返せるはずはないし、建て替えの話が出た時点で想像していました。私は別に賃貸自体には反対ではないのですが、そうならそうと最初から言ってくれれば。
 変にあいまいなことを言ってごまかすから、疑心暗鬼を生ずるのですよね。

 そんな下らないことよりも、卒業制作展はとても面白かったです。ただし個人の努力や資質がそのまま結果に出ている――という工合で、作品の程度はピンキリですけどね。上の方にいる人は、労力・感性どれをとっても素晴らしく、有り金を残らずはたいてでも買いたいほどの出来の作品と、逆に『気持ちはわかるんだけどね』という程度の作品とが一緒に並んでいます。
 そこも何んだか文化学院らしくて。学生の誰が描いたって似たような傾向になる美術学校って多いのですよね、意外と。

----(3/30追記)----
http://nikkeibp.jp/wcs/leaf/CID/onair/jp/const/426170
 同じような記事がありました。

Posted at 2006/03/14(Tue) 15:16:19

文化学院 | コメント(2) | トラックバック(0) | この記事のURL

この記事のトラックバックURL ->

↑ページの先頭へ

この記事へのトラックバック

「東京新聞;文化学院校舎建て替え計画見直し求めOBら保存会」へのトラックバックのRSS

この記事へのコメント

3/25に再び校舎取り壊しについての説明があるらしい。しかしウチには今のところ連絡なし。前回も後日になって葉書が届いたので、今回もギリギリの連絡なのかもしれない。
 あるいは、もしかすると在校生だけが対象なのかもしれない。恐らく前回の説明会から察するに、新しい授業の状態と、アトリエ・講堂など必須施設の設備関係の説明がなされるものと思う。
 どちらにしても、一方的な説明が行われ、こちらの聞きたい情報が聴けるとは限らないわけで、ほとんど期待はしていないのだが……。
 
 問題は当日、仕事なんですよね。詳しい時間も解らないし、葉書が来たら行きますけれども。

Posted by 紫陽 at 2006/03/23(Thd) 09:39:44

結局葉書は来なかったなぁ。
まぁ、どっちにしろ行けなかったけど。
仕事から帰ってきたのが12時廻ってたし。
で、今日もこれから出勤……。

Posted by 紫陽 at 2006/03/25(Sat) 22:03:52

名前

E-mail(※スパムトラップですでの何も書かないでください)

コメント


コメント本文以外は全て入力不要です。

東京新聞;文化学院校舎建て替え計画見直し求めOBら保存会へのコメントのRSS