中小企業のISO9000品質システム構築に役立つ
ISO事務局のガイドラインの解説

1994年版に基づく

 品質システムISO9000の国際規格を生みだしたISO規格作成部会は、常々ISO9000規格を中小企業に直接適用するには問題があると認識していた。そこで、「中小企業のためのISO9000」がISO/TC 176/SC 2(第2小委員会)の臨時作業グループにより作成された。この内容は、あくまでガイドラインであって、中小企業向けの新しい規格が出来たのではない。この日本語版が日本規格協会によって発刊されているが、なにがポイントなのか分かりずらい。また、訳者が、「本書によって、ISO9000の中小企業への適用の困難な部分がすべて解消したとは言い難い」と述べているので、これで中小企業の品質システムが問題なく、しかも簡単に構築できるとは思われない。
 一方、最近中小企業でも取得の審査をうける企業が多くなっているが、審査員も大企業や中堅企業のシステム監査の経験はあるが、中小企業、たとえば社員数20名以下(品質システムは社員数によって左右されるのではなく、あくまで事業の内容によることは理解しているが、わかり易くするために社員数を使った)のシステム監査を経験している方はすくない。したがって、規格の適用面で審査員個々の解釈が異なるなどの弊害がでているやのうわさがある。このような実情から、システム構築や受審の際の手助けになるようにこのガイドラインを解説してみようと考えた。

ガイドラインは、品質システムとは何か、なぜ必要か、ISO9000規格とは何か、さらに、どのように始めるか、コンサルタントの活用での注意点はなにか、などなど前文があるが、その一部は「ここがわからない」のページに記載しているので、ここでは品質システム要求事項個々に関する要点を解説するにとどめる。

 なお、このガイドラインでは、規格の文章がそのまま理解できる場合には特に説明を加えていないので、規格とあわせて読むように指示している。したがって、規格を参照しながら読むことをおすすめします。

注1:このページに記載された内容の全部もしくはその一部を、ホームページ・オーナーの許可なく商用の目的でインターネット上もしくは他の媒体で掲載することを禁ずる。
注2:2000年版ISO9000の改訂が正式となったことを受けて、このガイドラインも見直しが行われています。2001年の11月頃に完成が予定されています。ただし、日本語の訳文は何時になるのかは発表されていません。

ISO9001の要求項目

経営者の責任 組織
経営資源 管理責任者
経営者の見直し 品質システム
契約内容の確認 設計管理--一般
設計および開発の計画 組織上および技術上のインターフェース
設計へのインプット 設計からのアウトプット
デザイン・レビュー(設計審査) 設計検証
設計の妥当性確認 設計変更
文書およびデータの管理 購買
顧客支給品の管理 製品の識別及びトレ-サビリティ-
工程管理 検査・試験
検査、測定および試験装置の管理 検査・試験の状態
不適合品の管理 是正処置および予防処置
是正処置 予防処置
取扱い、保管、包装、保存および引渡し 品質記録の管理
内部品質監査 教育・訓練
付帯サ-ビス 統計的手法


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