是正処置
発生した問題の原因を取り除く
この規格の内容は理解しやすいし、中小企業といえどもほとんどの企業では、かならず実施していると思われるので、格別の説明はいらない。しかし、ガイドラインは、まず是正処置と「不適合品の管理」の章で述べられている不適合品の処置とを混同しないよう示唆している。不適合品の処置は、手直し、修理などによって単に問題を好ましい状態にするだけの行為である。一方、是正処置は問題の原因を見つけ出した上で、根本的再発防止策をたてることである。しかも、前節で述べたように是正処置の対象となる問題内容も顧客からの苦情なども含め広い。したがって、原因分析の結果次第では、従業員の再教育、製造管理規定の修正、作業指示書の変更などの再発防止策が必要になることがある。
ガイドラインでは、この再発防止策は、問題の大きさによってとる処置が変わるが、処置をとらなかった場合に生じる可能性のあるリスクに見合ったものであることが大切としている。この考えをとると、問題が小さく、リスクが低ければ何らの処置をとらなくてもよい場合も有り得る。中小企業では、限られた人員で多くのことをこなさなければならないので、この示唆は利用する価値がある。
さらに、実務の経験から言えることだが、顧客の苦情が発生した場合には、営業面から出来るだけ短期間、たとえば、発生日の翌日には顧客に再発防止策を伝えなくてはならないことがある。このときに取る対策は、一次対策として顧客に説明する仕組みも必要である。何故なら短期間には、根本的再発防止策をたて得るほど情報がとれず、十分な原因分析も出来ないからである。
是正処置が取られた場合には、その内容を文書化し、妥当な期間のあと処置が本当に有効だったかどうかを調べることも大事である。とともに、これら一連の処置に関する文書化が、品質管理者にとって負担にならないように決められた書式を作成することが望ましい。