ISO 9001品質国際規格は、2000年末の改正に向けて現在TC176委員会で検討が進められている。すでに発表されている改正案によると、明らかにISO14001/ISO14004方式である。すなわち、品質と環境のシステムは統合されることになる。したがって、品質システムを構築している企業は、環境システムを導入することが容易であるであるばかりでなく、一貫したマネージメント・システムを運営できる点で大きな意義がある。本ページでは、品質システムを導入した小規模企業が、いかに環境マネージメント・システムを組み込むばよいかに焦点を当てる。
環境マネージメントシステム「ISO14001」規格の序文に述べられている内容からの引用から始めたい。 あるゆる種類の組織は、自らの環境方針及び環境目的を考慮して、自らの活動、製品またはサービスが環境に及ぼす影響を管理することによって、健全な環境パフォーマンスを達成し、実証することへの関心を高めている。環境マネージメントシステム普及は、厳しさを増す法規制、環境保全を助長するための経済的政策及びその他の対策の開発、ならびに持続可能な環境問題に対する利害関係者の関心の高まりを背景 としている。 多くの組織は、自らの環境パフォーマンスを評価するために、環境上の”見直し”又は”監査”に着手している。しかしなから、これらの”見直し”及び”監査”を行っただけでは、組織のパフォーマンスが法律上及び方針上の要求事項を満たし、かつ、将来も満たし続けることを保証するのに十分ではないかもしれない。これを効果的なものとするために、体系化されたマネージメントシステムの中で実施し、かつ 全経営活動と統合したものにする必要がある。 規格で指摘しているように、品質マネージメントシステムと環境のそれとはお互いに相容れる要素をそもそも持ち合わしていることは明解だ。従って、統合された品質と環境のマネージメントシステムは、認証を取得する企業側からすれば非常に効果的かつ効率的であるにもかかわらず、ISO規格関連の書籍にも、また第三者機関による講習もないのが現状である。この講座は、品質保証システムを取得した企業が、どのように環境マネージメントシステムを構築していけばよいのかを主眼にする。しかも、人材や財務面から不利な条件な小規模企業を対象にする。中堅以上の企業は、自らの努力でこの暗礁を乗り切るしかないだろう。 なお、当ページは、4年ほど前に作成・掲載していた内容であることを承知していただきたい。したがって、現時点での2000年版ISO9001とは整合性がない内容もある。(March 2002) |