環境マネージメント・システムの枠組み
ISO9000のページで理解できたように、ISO9000もISO14000もともにマネージメント・システムであり、その枠組みは変わらない。下図は、ISO/OHS研究会が提示したものであるが、ISO14000マネージメントシステムの仕組みを理解するのに役立つ。このようにマネージメントシステムを図示化する方法は、「日本経営品質賞」や「マルコム・ボルドリッチ賞」で採用されている。
ISO9000の仕組みとの違いは、色分けした中央部、すなわち環境削減計画に関わる諸活動だけである。経営者の環境方針を継続的改善につなげる一連のプロセスが環境マネージメントシステムである。したがって、品質システムの構築手法そのままを利用でき、しかも品質システムとの統合化は可能であることは容易に理解できる。あらゆる観点から効果的で効率的な一つのシステムに仕上げることの重要性は高い。特に小規模企業では、異なった二つのシステムを企業運営に持つなどは考えられない。このページは、徹底して統合化されたシステムを構築するための知恵とテクニックを講座の主題とする。
新しい国際規格は、これからも生まれてくることは間違いない。次のISO規格は安全・衛生だ。早く品質と環境のシステムに馴染んでいないと、次々生まれるISO規格の後追い対策に企業経営者が悩まされる姿が目に浮かぶ。このページで助かる小規模企業が一軒でもあればよいと思って、掲載を始めた。しかし、「案ずるより、生むはやさし」。ISO規格の仕組みを一旦理解し、システムを作って終えば、後は簡単で、最初のシステムに追加すればよいだけと気づいて頂ければ幸いだ。