かつて経営理念として日本の中小企業を含む多くの企業で実施されてきたのはTQC(日本的品質管理)であった。このTQCは、ボトムアップのシステムであるから社員の善意と協力があってこそ成り立つのである。すなわち、日本企業の終身雇用制度のもとで発展してきたと言っても間違いはないだろう。ところが、ここにきて日本の企業はあれほどまで自慢してきた終身雇用制度をいとも簡単に放棄してしまった。当然ことながら、社員が率先してTQCの一つの柱であるQC活動も停滞することになる。このような企業内部の最も重要な労働者意識が変わり始めた時に、国際I品質保証モデルであるISO9000が日本に導入されたのである。 |
品質保証モデルISO9000は明らかにマネージメント・システムであり、トップダウンでの実施が求められる。すなわち、企業の経営者が舵とりをしないでは働かないシステムになっている。このようなマネージメント・システムが生まれたのは、その背景を知ればすぐに理解できる。すなわち、多くの欧米の代表者により構成されたISO規格作成部会が国際規格を生みだしたのである。日本からも代表者が出席してはいたが、日本にはTQCがあるからと積極的に発言していなっかたようだ。聞くところによると、規格作成の初期には代表者も規格作成部会に送っていなかったようだ。このような事情から、ISO9000は欧米色の強いモデルなったのである。にもかかわらず、ISO9000の導入が日本でもブームになっているのはなぜだろうか?ISO9000の認証を取っていない企業は入札に参加できないことか、親会社が取ったので下請企業も必要になったなどを代表とする外圧が一つの要因である。外圧要因の内でもっとも大きな問題は、親会社の下請負業者の見直しである。従来下請負業者は親会社に忠節を示せば、仕事を確保してくれた。それもいまは親会社も海外での調達を始め、下請負業者も今までのように安泰ではなくなった。さらに、内的要因もある。すでに述べたごとく働く者の意識が変化したのである。もはや自己犠牲のもとでQC活動をすることは受け入れられなくなっている。この現象は中小企業でも顕著になっていると聞く。このように、経営者はなにか新しいマネージメント・システムを取り入れざるを得なかった事情があると推察する。 |
事情はともあれ、ISO9000モデルを中小企業も採用しなくてはならなくなっている。では、ISO9000モデルが包含するマネージメント・システムは中小企業に対して一体どんな作用を与えるのか?このページの目的は、新しい経営理念を要求するISO9000が中小企業にどのような役割をするかを述べることである。すなわち、「経営理念」を切り口にしてISO9000のシステムをまとめてみたものである。ただし、内容は3年ほど前に作成したのでやや陳腐なことがあるかもしれない。 |
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人手にたよる仕事が多い
同族経営による非合理性が組織に出てくる
職務の権限と責任が明確になっていない
不十分な人材育成
人材に乏しくモラールも低い
品質に関わる問題を解決出来ないで困ることがある
マネージメント・システムの仕組み
情報技術の利用が容易になる
経営者の受けるメリット
顧客指向の社風を育てることが出来る
甘い体質の改善
標準化が苦手の日本
世界標準戦争に負けるな
宣伝広告のためになる
全員参加の意識向上に役立つ
スムースな世代交替に役立つ
標準化とアウトソーシング
顧客満足(CS)とISO9000との関係がよく分からない
ISO14000の理解のために
マネージメント・システムとしてのISO14000
ISO9000との相違点
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