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オモシロイ!マークはあくまで私の好みです。


2002年[1][2][3]


恩田陸「図書室の海」オモシロイ!

短編集。「春よ、こい」「茶色の小壜」「イサオ・オサリヴァンを捜して」「睡蓮」「ある映画の記憶」「ピクニックの準備」「国境の南」「オデュッセイア」「図書室の海」「ノスタルジア」の10編。
恩田陸の持ついろいろな世界(観念?)を切り取って詰め合わせた、そんな作品集。
「切り取って」というのはどの作品もなんとなく大きなストーリィの一部(あるいはあらすじ)のような感じだったから。
タイトルにもなった「図書室の海」はすでに「六番目の小夜子」の番外編だし・・・。
特に印象に残ったのは「オデュッセイア」。移動する都市の年代記とでもいうのか・・・とても不思議な世界だった。


折原一「仮面劇」

トリカブトを使って妻を殺したのは夫?いつしか疑問を持ち始めた妻、考えれば考えるほど自分の夫が殺人者のように思えてくる。
本当に夫は殺人者なのか?
・・・トリックすぐわかっちゃいました。
このネタ(トリカブト殺人)と叙述トリックだけでは、いまいちもりあがりに欠ける・・・、あと少し、なにかエッセンスが入ればよかったのに・・・。


折原一「沈黙の教室」オモシロイ!

記憶喪失の男はある小学校の同窓会告知の新聞の切れ端を持っていた。
自分はこの学校に通っていたのか?自問する男、そして並列して語られるある学校の陰湿ないじめ。
「粛清」という言葉におびえる子供達、その過去のいじめ事件が20年後の現在新たな事件と結びつく。
多面的な語りに翻弄され(しかもこの作者の得意技は「叙述トリック」!)どこを読んでも疑ってしまい、最後まで気が抜けなかった。おもしろかった。


馳星周「鎮魂歌」オモシロイ!

新宿の街を震撼させたチャイナマフィア銃撃事件から二年、一人の大物幹部が殺されたことから事件はまた大きく展開し始める。
楊偉民の持ち駒の殺し屋秋生、刑事を辞め中国人社会に寄生するように生きる滝沢、そして前作「不夜城」の劉健一。
いろんな駆け引きが交差する中、生き残るのは誰なのか?
前作の劉健一はあまり表にでてこなくて、秋生・滝沢両氏の視点から交互に物語は語られる。
しかし、最後になって「鎮魂歌」というタイトルに納得。劉健一もしたたかに生きていたんだ・・・。
ものすごい密度の濃い作品です。


矢野顕子「きょうも一日楽しかった 」

矢野顕子サンのいろんなこと体験記。
Macで絵を描いたり、花屋さんになったり本屋さんになったり、またあるときは郵便物を配ったり!
いろんなことをしつつもやのさん独特のほわんとした暖かい視点がおもしろい。感じ方ひとつでハッピーな気分になれたりするものです。


折原一「五つの棺」

五つの密室事件と、そのたびに現れる、密室好き黒星刑事のドタバタ密室ミステリー。
こういう、ミステリマニアをバカにするみたいな手法ってこのあたりから出てきたんだっけ?
密室はそれぞれ合格点の出来・・・かな?
黒星刑事は出さずに、もっとシリアスにまとめてもよかったんじゃないかな、とか思いました。


戸梶圭太「赤い雨」

赤い雨が降った時から人々は変わった。
善良なる人々の逆襲、そして集団リンチ。警察官でさえリンチに加わるという異常事態の中で変わってゆく夫におびえる妻。
赤い雨に打たれ、変わってゆくのが「善良な人々」というのが、怖かった。報復を受けるのは決まって悪人なわけだけど、しまいにはそっちに同情したくなるくらい・・・。
ストーリィにスピード感があり、あっという間に読了してしまった。
しかし、それがなんだったのだろう?という気分で、物足りなさを感じた、ホラーだし怖いことは怖いんだけど、それだけ。
個人的には、勘違いした正義を振りかざすヤツは嫌いだなぁ、としみじみ思った。


乃南アサ「鎖」オモシロイ!

「凍える牙」の音道貴子刑事シリーズ。
なんと今回は拉致監禁されてしまう貴子さん。そしてその捜査メンバーに、あの皇帝ペンギン(滝沢刑事)が!
この滝沢刑事の活躍がよかった。けっこう貴子のことを認めていて、真剣に捜査するわけだけど、それに対して、かんじんの貴子さんの反応もおもしろい。
こういうところにキャラの性格が反映されていて、うまいな〜と思った。
あとは、警察内部の話とかが、リアルで興味深かった。
上司もいるし、息の合わないヤツとも仕事しなきゃならなくなったり・・・警察も会社(企業)なんだね。
読み出したら止まらないグイグイ読ませる、ストーリィ展開、おもしろかったです。


村上春樹「もし、僕らのことばがウィスキーであったなら」

アイラ島へ、旅をしながらウィスキーとウィスキーにまつわる話を味わう。
わたし自身、ウィスキーを飲まないのでその味の奥深さとか語られてもいまひとつピンと来ないのですが、こういう旅行記を読むのは楽しい。
著者の奥方・陽子さんの写真が随所に掲載されており、彩りを加える。
夜、ナイトキャップのかわりに読むと良い感じです。


浦賀和宏「学園祭の悪魔」

女子高生の一人称小説。途中から笑わない探偵こと「安藤直樹」がからんできます。
しかし「ああもう、やっちゃってるよー!」という感じのストーリィ。(わたしは好きだけど。こういうの)いろんな意味で読者の期待を裏切る作品。
このシリーズの前作「記号を喰う魔女」ではやたら凝った漢字を連発して辟易させられたが、今回は女の子の一人称だったのでサクサク読めた。文体もまだ実験中なのだろうか?
なんだかんだで、目が離せないシリーズ(&作家)です。


村上春樹「カンガルー日和」

初期のムラカミ文学、再読。
現在ではあま書かれなくなった不思議な話が多い・・・かな?
不思議な話というか、動物がしゃべっちゃったりする童話的で、でもすこしブラックなそんなストーリィが好き。
もちろん!おなじみの羊男がでてくるストーリィもあり。
村上ファンには懐かしくそして楽しめる作品集。
個人的には、チーズケーキのような三角形の部屋に住むカップルの話がしんみりとあたたかくてお気に入りです。


若竹七海「死んでも治らない」オモシロイ!

警察を辞めた大道寺圭。その後彼が出版した本は『死んでも治らない』。しかしその本がきっかけで大道寺の前に次々とまぬけな犯罪者たちが現れる。
「死んでも治らない」「猿には向かない職業…」「殺しても死なない…」「転落と崩壊」「泥棒の逆恨み」「最後の事件簿」の6つのオムニバス短編。
著者の得意な入れ子構造ミステリ。凝ってます、そしてブラックユーモアもたっぷり、好み好み。
角田港大や彦坂夏見など他の若竹ミステリとのリンクも楽しく、1編1編ピリリとスパイスが効いていて読みやすかった。


西澤保彦「ナイフが町に降ってくる」

疑問があるとつい時間を止めてしまう主人公と、偶然いっしょに犯人探しをするハメに陥った女の子の2人が、時間の止まった街を歩きながら推理合戦を繰り広げる。
この作者のよくよく使う、
事件が起きる→遭遇した少人数が推理する→検討をかさねる→犯人がわかる!
というパターン。この「検討を重ねる」というとこがダルイ!
ただあーだこーだしゃべってる部分が長すぎて、もういいよ・・・と疲れてしまう。
設定はおもしろいし、ラストの意外性もあるんだけど・・・。


鷺沢萠「ナグネ・旅の途中」

あちこちで掲載されたエッセイをまとめたらしく、1992〜2000年という長い期間にまたがっている。
最近のエッセイにみられるような爆裂した笑いはないが、芯が通っていて気持ちの良いエッセイだった。
著者とは年代が近いのでうなづけることが多かった。
そうそう「ご心配ありがとう」に激しく同意です。
女が一人でゴハン食べてるの見て「寂しいヤツ」とか思わないでよね!


石田衣良「娼年」

夏、秘密クラブの娼夫になったリョウはいろんな女性とのデートを通し、自分と真剣に向き合うようになる。
タイトルとおり、娼夫になった主人公の成長(のような)物語。
内容が内容だけにエッチなんだけど、いやらしい感じはしなかった。
主人公が淡々とした性格だからか・・・?
ただ、すぐにセックスがうまくなるのはどうかな〜。
ラストはちょっと意外だった。そう落ち着くか!?という感じで。


アンソロジー「殺人鬼の放課後」

4編のホラー短編集。タイトルに「放課後」と入っているが学園モノいう感じはしない。
恩田陸「水晶の夜、翡翠の朝」:陸の孤島の全寮制の学園でおきた『笑いカワセミ』という遊びが発端の、ホラーというよりはミステリタッチの作品。魅力的な場に魅力的な役者を持っていると強いな、と思った。
小林泰三「攫われて」:下校途中誘拐され、監禁された少女2人、抜け出すための秘策は・・・そして衝撃のラスト。設定が凝ってました。
新津きよみ「還ってきた少女」:自分にそっくりの少女を捜しに行った七穂は・・・わりと普通の出来&内容。
乙一「SEVENS ROOMS」:姉弟が閉じこめられた部屋は4番目の部屋だった。・・・一番怖かったです。お姉ちゃんかっこよかった。


高里椎奈「銀の檻を溶かして」

ひっそりと佇む薬屋には3人の少年が住んでいた。じつはその少年(やや年かさの男性もいるが)の正体は妖怪(どうやら妖精的な)で、人間界で他の妖怪が起こした、世間に不可解といわれてしまう事件の(表面的)解決を請け負っている。
と、なんともメフィスト賞的(!)変なミステリ。
この作者の「少年達を描きたい!」という熱い思いがヒシヒシと伝わってきた。
会話や雑貨の描写にも力が入っている。ただ、その熱意がミステリ部分にはあまり作用してなくて、雑な仕上がり。
男性読者にはウケないだろうな、と思う。


矢崎存美「ぶたぶたのクリスマス」

クリスマス、サンタクロース姿で宅配の仕事をするぶたぶたと出会った女の子達の心情をオムニバス短編で収録しています。
サンタクロース姿で、自分と同じサイズの袋を持って歩くぶたぶた、もうそれだけで、イイッ!かわいすぎ!
そんなほのぼの姿に、荒んでいた心を癒され自分に素直になっていく女の子達、心暖まるストーリィ集です。


馳星周「不夜城」

過去の話題作、やっと読了。ウワサにたがわず、読ませます!
新宿を舞台にハードボイルドにバイオレンスにアクションに(?)主人公・健一が活躍する。
池袋に石田衣良「池袋ウエストゲートパーク」あり、新宿に馳星周「不夜城」あり、と言う感じか?
あまりにもリアルに描かれていたので、新宿って怖いんだな、と信じ込んでしまった。
ただ、このテのハードボイルドがかった小説の主人公って、やたら女にもてるのはどういったことだろう?


高千穂遙「ダーティペア 独裁者の遺産」オモシロイ!

WWWA(WORLDS WELFARE WORK ASSOCIATIONS=世界福祉事業協会)のトラコン(トラブル・コンサルタント)のユリとケイの活躍するダーティペアシリーズの・・・5作目?
派遣されたアムニールという国(恒星)で、革命を鎮めるつもりが結局大暴れになってしまう。
痛快な活躍に胸が空きます!
今回のストーリィはムギとの出会い編でもあり、ムギ誕生の謎が明かされるエピソードでもある。
2人の会話もテンポ良く、エンターティメント性抜群の出来。このシリーズ再読したくなりました。
要再チェックのシリーズ。


山本文緒「シュガーレス・ラブ」

いろんな病気を抱えた女性達のオハナシ。
骨粗鬆症・アトピー性皮膚炎・便秘・突発性難聴・睡眠障害・生理痛・アルコール依存症・肥満・自律神経失調症・味覚異常と、10種の病気とそれを抱えた女性達の10の物語。
テーマのわりに清々しいラストのストーリィが多かったのには救われた。
生の女性がとてもリアルに描かれている。
弱くて自分の体を痛めつけながらもやがて再生していく、女性って強いですね。


森博嗣「捻れ屋敷の利鈍」オモシロイ!

エンジェル・マヌーバーを追い、「ねじれ屋敷」に潜入した保呂草はそこで、西之園萌絵と出会う。
という「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」を極めた森博嗣ファンにはたまらない趣向の1冊。
メビウスの輪のように作られた不思議な建物の中で起こる殺人事件。さらにまた密室殺人という、館&密室というミステリマニアにグッと来る設定。
萌絵&国枝女史のコンビネーションもなかなか新鮮で良いです。
なぜ萌絵が犀川教授とじゃなく国枝と一緒なのか?というのもある伏線に一役買っています。
というか、この本自体、モチーフとして使われているメビウスの輪のような作品です。
最後の紅子と保呂草の会話、興味深いです。
この本を読んだ後と前じゃ、あきらかに「Vシリーズ」の読み方が変わることでしょう。
これ以上書くとネタバレしそうなので、このへんで。


江國香織「ぼくの小鳥ちゃん」

「ぼく」のもとにとつぜんやってきた「小鳥ちゃん」との生活をたんたんと語った本。
荒井良二のイラストがカワイイです。
カバーや挿し絵の「小鳥ちゃん」のキュートなこと!ぷりんとしたしっぽがたまりません。
ストーリィは江國節のきいた、ちょっとエキセントリックな内容。というか登場人物たちがエキセントリックなのですが。
冬という季節の匂いがしそうな物語。
スケートのエピソードがかわいくて好きでした。


鷺沢萠「酒とサイコロの日々」

タイトル通り、酔っぱらい談(友人の話も含む)や麻雀など賭博(?)について語ったエッセイ。文章・・・というかご本人が痛快な酔いっぷり&負けっぷり(カモにされてる?)を惜しみなく披露していて、オモシロイ!サクサク読めます。
麻雀って、全然ルールとか知らないんだけど、大変な遊びだなぁ、と思いました。


京極夏彦「今昔続百鬼-雲」

妖怪研究家・多々良先生とその弟子(?)沼上の冒険談。
多々良先生のキャラがこんなに強烈だったとは!京極堂シリーズを読んでいただけじゃわかりませんでした。
全体のテンポが良くコミカルに描かれ、妖怪のうんちくも興味深く読めた。
働いて働いて、その有り金もって各地の妖怪談を収集するなんて・・・楽しそうですね。
最後の書き下ろし作品には、あの「黒衣の男」も登場!


今邑彩「鋏の記憶」オモシロイ!

モノに触れるとそのモノの記憶を読みとれる、そんな力を持った女の子・紫(ユカリ)。
ときには同居人の刑事にちょっとしたアドバイスをすることも・・・。
この設定(リーディング能力)って若竹七海の「製造迷夢」を思い出すが、こちらは「製造迷夢」にあるような毒はなく、しっとりとした仕上がり。
全体の構成もうまく、読みやすく後味のよい作品でした。


宮部みゆき「ドリーム・バスター」オモシロイ!

夢の中に現れる、不思議な格好(カウボーイスタイルに刀とハチマキ)をした少年はDB(ドリーム・バスター)。禿頭でマッチョなマエストロの運転するバレンシップに乗り、夢の中に潜む、異世界から脱走した凶悪犯を捕獲する。
そんな突飛な、エンターテインメントあふれる内容。
まだまだ物語は序盤といったところで、少年シェンの過去や、マエストロとの出会いなど、まだまだ隠されたストーリィがありそう。
2作目が楽しみです。


西森さとる「夏色」

語りかけるような、言葉の流れが読みやすい、独特の感性で編み上げられた短編集。
実はカバーデザインしたのが自分。何冊もカバーデザインを手がけていますが、実際に読んだのはこの本がはじめてという、出来上がりにもらったこの本をパラパラ見ているうちに、いつの間にか読みふけってしまった。なかなか魅力的な本です。


ジル・チャーチル「エンドウと平和」

主婦探偵ジェーンシリーズの8作目。タイトルはおなじみ「戦争と平和」のもじり。
豆博物館の館長殺人事件にまきこまれる、ジェーンとその親友シェリィ。
今回は博物館の人間関係が多く説明されていて、ジェーンやシェリィの周辺事情があまり描かれていないのがちょっと不満。シリーズ8作目ともなると、殺人事件の顛末も気にはなるが、おなじみのアノヒト達はどうなっただろう?というのも読み進める原動力。
ジェーン&シェリィのキレの良い会話は変わらずで、痛快です。


アンソロジー「ゆがんだ闇」オモシロイ!

小池真理子「生きがい」、鈴木光司「ナイトダイビング」、篠田節子「子羊」、板東眞砂子「白い過去」、小林泰三「兆」、瀬名秀明「Gene」の6編収録。そうそうたるメンバーの力作ぞろい。ハズレなしだった。
「子羊」はSFっぽいストーリィで設定が新鮮。「白い過去」はサスペンスフルな展開が無駄なくきれいに収束するラストが良かった。「Gene」はなぜこれが短編なのだろう?というくらい密度の濃い内容で、もし長編で書き直されることがあれば、また読みたい。
「怖さ」を描き込んだホラー小説の競作ということだが、完成度の高い作品群に大満足。


さくらももこ「しゃべりことば」

過去に「オールナイトニッポン」をやっていたときのしゃべりことばをまとめたもの。
サクサク良いテンポで読めました。
けっこうテンション高くしゃべっていて、しかも目の付け所や力の抜け具合はやはり「まる子」そのもの。
しゃべり、本じゃなくて一度生で聞いてみたかったな。


恩田陸「黒と茶の幻想」オモシロイ!

社会人になり別々の人生を歩んでいた、大学生時代の友人グループ4人(男2、女2)が久しぶりに集い、Y島へ行く事になった。
しかもこの旅にはテーマがあたえられていた、それは「美しい謎」。
4人のそれぞれの視点で4章にわたって旅の様子が描かれる。時々出題される謎解きや、語り手が代わることによって、さっきまでの語り手が外からはどう見えているか?など、ちょっとした趣向が効いていた。個人的にとても好みな本。
大人になって楽に語れるようにようになることって、確かにあるよね。


安西水丸「おんなの仕草」

タイトルとおり女の人のちょっとした「仕草」について、著者独自の視点(?)で語ったエッセイ。
かならずイラストが入るのも楽しみのひとつです。
安西水丸というと、イラストレーターとしてのイメージが強いが、小説やエッセイもなかなかのものです。
読んだその時は「ほどほど」なんだけど、ある時にフト浮かんだイメージや文章が彼の本から、ということがたまにある。絵を描く人だから一瞬を切り取るのがうまいのか?
それにしても、どこでどんなトコを見られているかわからないので、身なり仕草はキチンとしていたいものですね。
おんなのはしくれとしては。


さくらももこ「さくら日和」

「のほほん絵日記」に引き続き、さくらさんのエッセイ集。
イキナリ離婚の報告があったり、幼稚園児の息子に「おかあさんはさくらももこ?」と聞かれ「違う」と言い張り、なおも騙し続けようとしたり、中波小波の人生を歩んでらっしゃるようです。
賀来千賀子のおにいさんを事務所に引き抜いたり、なかなか辣腕です。
あと、新福(しんぷく)さんのエピソード、これいいですね。ほのぼのと楽しそうな会社です。


野沢尚「波線のマリス」

テレビのベテラン女性フィルム編集者が、あるキッカケから事件に巻き込まれる。
痛めつけられた人間が、自己保身からだんだん常軌を逸してしまう。
こういうストーリィを読んでいると、どうしてここでこうしないのだろう?と思うことがしばしば、外から見ると「ああ〜」って思うことも当事者は必死なのだな、と。
ラストのオチはちょっと無理矢理っぽかった。


さくらももこ「のほほん絵日記」

のほのん茶にオマケでつけていたミニブックのショートエッセイ(イラスト入り)を単行本化したもの。
サクサク気楽に読める1冊。
日常のフト見逃しがちなマヌケを見つけるのがうまい。


山田正紀「ミステリ・オペラ」

おもしろいことは間違いない。しかし、とにかく読み辛かった。
リーダビリティが悪いというのか、内容は良いのに、サクサク進まない、おまけにもの凄い重量で、内容よりどうしてもそっち(重くて長い)のイメージが強く残ってしまった。
過去と現在と行き来する物語、不可能と思われる殺人事件に美しい謎。
複雑な設定にさらにものものしい文章で、最近のサクサク読めるミステリばかり読んできた身には、厳しく、しかしどこか懐かしい。「活」を入れられた感じ。
でも・・・やっぱりもうすこしテンポ良くてもいいんじゃないかな?と思う。


柄刀一「殺意は砂糖の右側に」

天才肌の主人公と、そのおもり役の語り手、という一見ありがちな設定だが、本格でありつつも微妙に科学ミステリ的な風合いもあり。
主人公(探偵役)のボーっとした俗世に興味なさそうなキャラクターがうまく描かれていて魅力的。
「殺意は砂糖の右側に」というタイトルもカッコイイ。まだ続きそうな展開。次回作が楽しみです。


2002 [1][2][3]

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