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オモシロイ!マークはあくまで私の趣味です。


■2000年.前期

7月

宮部みゆき「天狗風」オモシロイ!
霊験お初捕物控(前作は「震える岩」)。霊験というのはお初の不思議な力のこと。サイコメトラーのような力で、人の触った物や場所から記憶を読みとります。
ストーリィは神隠しにあった娘を追っているうちに、様々な陰謀に巻き込まれていく、というもの。
なんといっても!途中から参謀になった猫の鉄とお初のやりとりが最高!
いいなぁ、テツだもんなぁ、生意気でかわいいくてたまりません!他の登場人物もそれぞれ血が通い、生き生きと描かれている。もちろん超状現象ばかりじゃなく、右京之介が状況を分析して推理を展開するシーンなどは、ミステリとしての醍醐味を十分発揮。長さを感じさせずスイスイ読める、ちょっとファンタジックなミステリィ。

銀色夏生「空の遠くに」つれづれノート9
日記書きの師匠。日常にフト思いついたことなんかが、鋭くオモシロイ!読んでいてハッとすることもしばしば。もう10年くらい続いているこのシリーズ、写真あり、旅行記あり、エッセイあり、いつどこから読んでも楽しく読める1冊。
日記って、ついその日の出来事をメインに書いてしまいがちだけど、重要なのはその出来事によって自分が何を考えたとかどう思ったか、じゃないかなと思う、そしてそっちの方が読んでいても楽しいものだ。人生いろいろ。

久美沙織「孕む」
ちょっとホラーな短編集。無邪気で残酷、女性じゃなきゃ描けない怖さ。
ファンタジー感もある不思議な世界で、おもしろかったのは「森の王」。
主人公の男の子の気持ちがリアルに伝わってくるし、お父さんも朴訥でかっこいい、そして森での食事風景がそそる。「アルプスの少女ハイジ」の白パンやチーズに憧れたけど、そんな感じ。あと「魔王さまのこどもになってあげる」は短編の中にまた短編という入れ子モノ、その1コマ1コマはリアルでおもしろいんだけど、本編とのつながりが不明で、最期何がなんだかわからなかった。読解力不足だろうか?
なんとなーく、後々までおぼえているんだろうな、と思わせる作品。

森博嗣「女王の百年密室」
近未来の地球、主人公サエバ・ミチルウォーカロンロイディが迷い込んだルナティック・シティは百年以上外界と隔離された「死」という概念のない、楽園のような街。が「死」の存在しない世界では「殺人事件」も意味をなさない。
という不思議な世界観の上に成り立ったミステリ。
殺人事件は起きるが、ミステリそのものより街の設定や謎に重心がおかれている。犯人あてだけではなく「なぜ、このような街が創られたのか?」という謎の方が重い。文章の流れが良く読みやすいが、主人公に感情移入しワクワクして読む、というのとはまた違う。そのためか終末大きな感動もなく終わってしまったのは、残念。
もう少し主人公の内情が描かれていれば、かなり好きになっていたかも。
宮殿や女王の描写は神秘的で美しく絵画的。イラストにするとしたら、きたのじゅんこさんなんて、ハマりそう。実際には写真が使われているハードカバー版の装丁は鈴木成一。タイトル書体の入れ方や金の箔押しがカッコイイ、でもあのピンクは・・・どうでしょう?軽くない?

森博嗣「夢・出逢い・魔性」
「夢で逢いましょう」というわけで、言葉遊びもおもしろいVシリーズの4作目。
なんと今回は紅子・練無・紫子の三人が女子大生としてクイズ番組に出るため上京。そしてそのスタジオで事件が起こる。練ちゃんが良い味だしてます。逆に今回の紅子はくすみがち。林さんがいないから?あと、ちょっとひっかけが入ってますが、注意して読めば気づきます。わたしは中頃からもしかして?と思って読んでいましたが、フェアな文章でした。って読んでいない人には???ですね。

高村薫「レディ・ジョーカー」上
レディ・ジョーカーという組織が大企業相手に誘拐事件(人質はビール)を企てる。
ハードカバー上下2段組という文章の充実度、読むのに2週間近くかけてしまいました。金融の話が多く、なかなか波に乗れなかったが、やっと中盤から事件が起き、今後の展開に期待が持てそう。登場人物が微細に描かれているのだが、その反面、事件そのものの印象が薄くなりがちなので、もう少し描き込み人数を減らし、事件にスポットをあてて盛り上げてほしいところ。このへんが読むのに時間がかかった所以。下巻では「身代金受け渡し」という山場があるので、サクサク読めるでしょう。

恩田陸「象と耳鳴り」オモシロイ!
「曜変天目の夜」「新・D坂の殺人事件」「給水塔」「象と耳鳴り」「海にゐるのは人魚ではない」「ニューメキシコの月」「誰かに聞いた話」「廃園」「待合室の冒険」「机上の論理」「往復書簡」「魔術師」以上12編からなる短編集。
各タイトルもそれぞれ綺麗だったので、列記してみました。
シリーズキャラクタは関根多佳男(「六番目の小夜子」関根秋の父親)魅力的です。
今まで面白かった短編といえば北村薫「夜の蝉」を挙げていたが、今後はこの本も是非追加したい。とにかくどれも秀作!バラエティに富んでおり、1編1編の長さも絶妙で、気持ちよく読める。人物だけでなく、その場の空気をもうまく表現できる人ですね。「机上の空論」「海にゐるのは人魚ではない」あたりが特に好み。
「魔術師」は「球形の季節」の姉妹編という感じ、都市伝説(花子さんとか口裂け女とかそういうの)発生のしくみみたいな・・・こういう題材を使いつつ一つのミステリとしてうまく短編にしてしまう技は圧巻。スキのない短編集。

6月

法月綸太郎「パズル崩壊」オモシロイ!
短編集です。相変わらず悩んでます、それが作品にも現れている。
が、それは作品が迷走しているというわけではなく、逆に試行錯誤が、それぞれの短編をより彩りの深いものにさせていると思う。これから法月綸太郎を読んでいく上で、この作品は一つのターニングポイント的な存在になるのではないだろうか?
さて、内容は、8作品のうち探偵法月綸太郎は最後の1編に登場したのみで、他に葛城警部が登場するものが2編、それ以外は単独の作品。「トランスミッション」は村上春樹の小説を思い出させます。茹でているのがパスタではなく、そうめんだったりしますが・・・。わたしはこれが一番好きです。
全体に海外の翻訳小説を読むような文体が良い感じ。内容もミステリにちょっと異質のテイストをもりこんでゆく方法に活路を見出したのか?と思うようなバリエーション。このへん東野圭吾の「ガリレオ先生」とは反対の方向に向かってますね。そういえば、最近の森博嗣は叙述トリックに向かっている気がするし・・・。(余談ですが)
新本格ミステリ作家と言われた作家たちもそれぞれの道を歩みだしたというところでしょうか?

赤川次郎「黒い壁」
赤川次郎さん、久しぶりに読んでみたが、正直これは冴えなかった。
ベルリンの壁崩壊に絡んだけっこう壮大なストーリィな筈なのに、主人公のまわりにご都合主義的にドイツ側の主要人物が集まっていたり、また冴えない主人公に恋する女子高生、といつものパターンも新鮮味がなかった。
終結も唐突な感じで消化不良。著者特有の読後の爽やかさが感じられない。
暗い中でもホットな人々を描き出す力をもっと発揮してもらいたかった。

篠田節子「アクアリウム」
地下空洞に棲む謎の古代生物と環境破壊をからめたストーリィ。
ファンタジーのような気分で読んでいたら、中盤以降堅い話が続いたあげく平凡な主人公が過激派のような活躍を始めてしまった。
なんとなーく、ついていけないカンジ・・・そうまでして守りたかったイクティ(謎の生物)の魅力がもう少し描かれていれば納得できたかも。
なにより「神鳥ーイビス」の時のような迫力がないのがちょっと。

若竹七海「海神(ネプチューン)の晩餐」オモシロイ!
タイタニック沈没から20年、豪華客船氷川丸で旅行を楽しむ主人公。
その10日あまりの航海中にタイタニックから引き上げられたという謎の原稿をめぐって、次々と不思議なできごとが・・・。
と、時代設定があるだけに、いままでとは一風変わった印象。
クリスティの小説を読んでるような優雅さ。
当時の登場人物も魅力的に描かれているし、細部にわたっての描写も見事。
著者得意の作中作ありと、お楽しみもてんこもり。完成度高っ!
ところで、作中にこんな文章がありました。
「(中略)やりとげるやつがいるとすれば、ネモ艦長くらいのものだ。ノーチラス号がなければタイタニックは永遠に海の底に沈んだきりだよ」

森博嗣「そして二人だけになった」
今度は図面入り。題名でもわかるように密室で殺人がおき、最後に二人になるわけだけど、特に斬新なトリックではないと思う、どんでんがえしはあるものの、ミステリを読んだ後の「やられた!」って感じがあんまりしない、どうしても古典の焼き直し的な感じが否めない。
この著者の書いたものにしては、登場人物もややおもしろみに欠けるし・・・う〜ん?読む方が欲張りすぎているのかもしれないけど・・・。

群ようこ「キラキラ星」
ミステリでもエッセイでもないです。
前科あり博打好きのハードボイルド作家「とぉちゃん」と大阪弁の敏腕編集者「ひかり(通称ペコ)」の怒涛(?)の物語。
とにかく2人の潔さが気持ちいい!はたからみるとかなりキビシイ筈の生活もひょうひょうとやりすごしてしまう。
幸不幸なんて、しょせん気の持ちようなんだな、と実感。

森博嗣「月は幽咽のデバイス」
Vシリーズ3作め、密室トリックもの。
相変わらず個性的(すぎる)キャラがガヤガヤしてます。
建物の描写は、頭の中で図面をおこしてイメージするのにホネが折れる!
部屋の位置関係なんかがからむと、もうとんぽんこんぽんです。
それと出てこなかった諺は「虎穴に入らずんば虎児を得ず」でしょう!
・・・ウマイなぁ。林警部補のあだ名は次回明らかになるのか?

北村薫「ミステリは万華鏡」
古今東西のいろいろな本の中に潜む謎的なことを語った本。
そう、推理小説じゃなくてもあちこちにミステリ的なことはあるんです。
それを著者は「あ、本格だ」と言ったりしてますが、その気持ちがわかるのがミステリ好きの証?
ただ、読んだミステリの指向が(わたしとは)ちがっていて、夢野久作、小栗虫太郎、久生十蘭などが出てきて、いまひとつ実感がわかないことも。

若竹七海「製造迷夢」
連作短編集。登場人物は刑事の一条風太とリーディング能力を持つ女性、井伏美潮というちょっと変わった組み合わせ。
リーディング能力をからませただけに事件の犯人もサイコな人格。
しかし、事件までの背景が哀しく余韻が残る。
2人の仲がどう進展するのか?も気になる問題で、触ると考えてることがバレちゃうんじゃ、付き合いたくないよなぁ、という答えは最後の「寵愛」で明らかに。

若竹七海「火天風神」
三浦半島のとあるリゾートマンションに集まった、様々な事情を抱えた人々、登校拒否の甥とその面倒をおしつけられた叔父、耳の聞こえない少女、不倫カップルとそのカップルを追ってきた探偵、家出中の人妻、映研の学生グループ、屈折した管理人・・・などの人たちに次々に降りかかる天災人災、サスペンスあふれた展開で、とくに後半は一気読みモノ。
実際にはここまで、色々な事がふりかかることはないだろうけど、小説としては、大サービスな内容。ツッコミを入れずに素直にハラハラしましょう!

若竹七海「心のなかの冷たい何か」
著者と同名のヒロイン若竹七海が友人の自殺未遂の謎をさぐる、ちょっとハードボイルドで不思議な感じのするミステリ。
挿入されている「手記」で、毒殺魔がいろんな手法で気に入らない人間を痛めつけるのがなかなか怖い。(けしてマネしないように!)迷路のようなストーリィが著者らしい。

綾辻行人「どんどん橋、落ちた」オモシロイ!
本格好きな人は思わずニヤリとしてしまうことでしょう。
連作短編集で、それぞれに問題(フーダニット)と解答が示されている。
悩める男リンタロー、犬のタケマルなどの脇役もgood!
「どんどん橋、落ちた」「ぼうぼう森、燃えた」ではかなり近いところまで犯人わかっちゃいました!自慢したいけど、ネタバレになっちゃうので。(読んだ人メール下さい)全体ちょっと楽屋オチなきらいもあるけど、わたしはおもしろく読めました。
あと、秀逸なのが「サ○エさん」をモチーフとした「伊園家の崩壊」。
各キャラの設定を読んでるだけでも、クラクラきます。
装丁(北見隆さん)もシンプルでステキ。


5月

宮部みゆき「理由」オモシロイ!
一家4人惨殺事件の犯人&被害者を探すミステリ。
3人称の地の文の他に、事件に関わった人々にインタビューする形式が盛り込まれており、それぞれのひととなりや各家族の背景が自然な形で浮かび上がり、リアリティも増している。読んでると本当にリアルにその人物像が浮んでくる「人間の描けている」作品。「競売物件」「占有屋」と聞き慣れない言葉も退屈させることなく読ませる筆力はさすが宮部さん。

東野圭吾「探偵ガリレオ」
科学トリック解明ミステリ(勝手に命名)。
草薙刑事が題材(?)を持って相談にいくと湯川助教授(ガリレオ先生)が謎を科学的に解きあかしてしまう。理系というとS&Mシリーズを想像してしまうけど、湯川助教授もなかなか良いキャラで、トリックの説明は難しいがサクサク読める。各章のタイトルも決まってる。

法月綸太郎「法月綸太郎の新冒険」
短編集。「イントロダクション」「背信の交点」 「世界の神秘を解く男」 「身投げ女のブルース」 「現場から生中継」「リターン・ザ・ギフト」の6作。
どれも、本格!な感じ(それだけに「犯人わかっちゃいました」になりやすいが)、現場から生中継では葛城警部という新キャラが登場。「パズル崩壊」で登場したらしいです。読まなきゃ!

若竹七海「サンタクロースのせいにしよう」
お嬢様と一軒家に同居することになった、主人公(女性)が遭遇する事件の数々を、主人公や主人公の友人が解きあかしていく、という著者得意の連作短編集。殺人はなくて、いわゆる日常の謎もの。
お嬢様・日常の謎、といえばあの人(もと覆面作家)を思いだしますが、これもなかなかのもんです!ところで彦坂夏見って「スクランブル」の???
表題作「サンタクロースのせいにしよう」と「犬の足跡」が特におもしろかった。

若竹七海「水上音楽堂の冒険」
頭を打って記憶障害の男の子と、おせっかいな女の子、優柔不断な男の子の幼なじみ3人組がメインキャラ、その優柔不断男に振られた女の子が殺されるんだけど、記憶障害の男の子が自分の記憶を信じられず、証言ができないという・・・。
どうも、この「記憶障害」を話に盛り込んだがために、全体が中途半端になってしまったような気が・・・。

江國香織「神さまのボート」
夢想家の母と現実派の娘(この組み合わせはありがち)の放浪生活もの。
なかなかキビシイ環境なのに、サラサラと気持ち良く読めてしまうのは、この作者の描く生活が甘くて透明なせいでしょう。
ショートカットが似合う女性っていいですね。

殊能将之「ハサミ男」オモシロイ!
ハサミ男というシリアルキラーが、自分の模倣犯を探偵する。
そのハサミ男自身も二重人格で・・・、というなかなか凝ったストーリィ。
わたし的には、ハサミ男の内面をもっと掘り下げて欲しかった。
何故、彼女たちを狙ったのかなど、動機がイマイチ不十分な気も・・・。
でも、後半のどんでんがえしはお見事!

若竹七海「スクランブル」オモシロイ!
若竹七海、実力発揮の連作短編集。(「ぼくのミステリな日常」もよかったです)過去(15年前)に起きた殺人事件を想起しながら、現在、過去、そして語り手も次々とバトンタッチされていくが、特に高校時代のキャラがそれぞれ個性的で、青春小説としてもGOOD。
ラストシーンも美しく、ここでタイトルの意味を理解しました。
実は、わたしもミッション系女子校出身なので、懐かしかったです。

東野圭吾「悪意」オモシロイ!
「電車」に続き、また2文字タイトル。作者が動機にこだわった、という作品。
いつもながら精緻で安定したストーリィ、加賀刑事シリーズ。
作中作&加賀の推察、というふうに文章が別の視点から交互に描かれている。
動機をもとめて二転三転する展開がたまらない。

久美沙織「電車」
「このミス」で大森望さんが推薦してたんだったか・・・。
凝ったつくり。前半はちょっと退屈だったけど、後半になってバラバラに思えたストーリィが交差してからが、おもしろい。作中作がいっぱい。

恩田陸「球形の季節」
ホラー小説、あいかわらず「つかみはオッケー」な、ものものしい始まりでグッとのめりこませておいて、最後にアッサリと終わる。
はりめぐらされた伏線をもっとうまく終結させて欲しかったかも。惜しい!しかし、とにかく読ませるストーリィ。匂いや色彩を意識させる文章。わたしも、忘れていた小学生の時のこと思い出しました。

堀田あけみ「それは年齢のせいじゃない」
エッセイ集、結婚する予定がないとか書かれているけど、その後結婚したことを知ってます。
人生なにがあるかわかんない、ってことでしょう。


4月
小沢宏哉「ツイスト」
高見広春「バトル・ロワイアル」
オモシロイ!
北村薫「月の砂漠をざばざばと」
東野圭吾「名探偵の掟」
オモシロイ!
若竹七海「遺品」
乃南アサ「微笑みがえし」
乃南アサ「ヴァンサンカンまでに」
乃南アサ「パソコン通信殺人事件」
今邑彩「ルームメイト」
和田はつ子「多重人格殺人」
奥田英朗「最悪」
オモシロイ!
篠田節子「三日やったらやめられない」
群よう子「贅沢貧乏のマリア」
久美沙織「会いたい」
群よう子「ビーの話」

感想:ひたすら本を読みまくった月。
「このミス」ベスト10入りの「バトル・ロワイアル」「最悪」は文句無しのおもしろさ。こうなると「亡国のイジース」も読みたくなる。
その他で印象深いかったのは「遺品」「名探偵の掟」。
しかし、15冊も読むなんてよっぽどヒマだったのか?
・・・そんなこと無いはずなんだけど。


3月
森博嗣「すべてがFになる」
加納朋子「沙羅は和子の名を呼ぶ」
東野圭吾「天空の蜂」
オモシロイ!
恩田陸「三月は深き紅の淵を」
オモシロイ!
花井愛子「ら・くっしょん/2」
山本文緒「群青の夜の羽毛布」
東野圭吾「秘密」
山本文緒「あなたには帰る家がある」
オモシロイ!

感想:森博嗣週間があけて、ためていたいろんな本を読みあさる。
加納朋子はちょっと不思議な雰囲気の短編集で、久々の東野「天空の蜂」は先が気になってどんどん読ませる作品、念願の「秘密」は、想像していたより軽いタッチでさらりと読めた。(こんどビデオ借りて観よう)
山本文緒は、人を描くのがうまい、それぞれの視点がちゃんと描かれている。そして、ズレていく・・・その流れが自然で絶妙。
恩田陸「三月は〜」本を好きな人が心を込めて書いた作品、好き。
京極夏彦の装丁も決まっているし、手元にとっておきたい一冊。


2月
森博嗣「今はもうない」
オモシロイ!
森博嗣「数奇にして模型」
森博嗣「有限と微小のパン」
森博嗣「黒猫の三角」
森博嗣「人形式モナリザ」

感想:森博嗣に捧げています。「今は〜」が一番好きでした。
「有限と〜」はS&Mシリーズ最終作品ということで、期待していたのですがやや物足りないカンジ。「黒猫〜」からはVシリーズ。登場人物たちがクセモノぞろい!めぞん一刻ってうなずける・・・。VシリーズもいいんだけどS&Mシリーズにカムバックして欲しいです。


1月
綾辻行人「眼球綺譚」
森博嗣「封印再度」
森博嗣「幻惑の死と使徒」
森博嗣「夏のレプリカ」

感想:「眼球綺譚」は不思議なホラーだった。森博嗣の3作はわたしの中ではイマイチ・・・。「封印再度」のトリックの実験はやってみたかった。
「夏のレプリカ」・・・けっきょくはアレ、納得がいかない。


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