Pirates of the Caribbean: Dead Man's Chest
  〜パイレーツ・オブ・カリビアン:デットマンズ・チェスト

※7/22に2回目の鑑賞をしたので、青字で追記しています。

 3年前に公開された『パイレーツ・オブ・カリビアン〜呪われた海賊たち』の大ヒットを受けて製作された続編『デットマンズ・チェスト(死者の宝箱)』ですが、ジョニー・デップ、オーランド・ブルーム、キーラ・ナイトレイの個性が光った前作が大好きだっただけに、この続編を楽しみにしないわけがないっ!て、ことで先行上映を観て来ました。ホントに待ち遠しかったね。

 この前の週にジョニー・デップとオーランド・ブルームと製作のジェリーブラッカイマーが来日して、全米での記録的大ヒットをした直後だっただけに超上機嫌の記者会見やプレミアになって、特にジョニーとオーランドの仲の良さが際立っていて、この作品に対する期待は更に増しました。話そのものじゃなくて(笑)、登場人物達のチームワークが楽しみでしたね。
 映画作品て「とにかくお気楽に何も考えず観られる作品」と、「後々まで考えさせられ作品」とあると思うんだけど、この作品は間違い無く前者(笑)。何も構えることなく、とにかくアトラクションに乗る感覚で観られるところが好きだし、製作側もそういうところを割り切っているところも好き。


 内容は続編だけあって、前作から3年経ったという設定になっています。つまり、前作を観ていなかった人がいきなりこの作品を観たら冒頭から置いて行かれちゃいます。

 伝説の海賊船ブラックパール号を取り戻したジャック・スパロウは新たな財宝を求めて海を彷徨っていたが、ある晩、伝説の海の悪霊であるデイヴィ・ジョーンズの使者として、過去にジャックを庇った為にバルボッサに殺されたはずの「靴紐のビル」がジャックの前に現れた。そして、「デイヴィ・ジョーンズとの契約通りジャックは彼に命を渡さなければならない」と宣告される。命の危機を確信したジャックは、デイヴィ・ジョーンズの手の届かない地を目指のだった。
 同じ頃、念願の結婚式を迎えようとしていたウィルとエリザベスは、東インド貿易商の権力者であるベケット卿に、3年前に海賊ジャック・スパロウを逃した罪によって逮捕され絞首刑を宣告されてしまう。しかし、ベケット卿はウィルに「ジャックが持っているコンパスを持ってくれば2人を無罪放免にする」と持ちかけ、ウィルはエリザベスを救う為にジャックを探しに海に出たのであった。

  …と、ジャック・スパロウによってウィルやエリザベスが再びトラブル続きの冒険に巻き込まれるという感じです。特に今回は、ジャックは海の悪霊デイヴィ・ジョーンズに命を狙われ、ベケット卿にはコンパスを狙われ、「あんたは過去にどれだけ人を騙してきたの?」とツッコミたいくらい狙われる(笑)。また、ウィルのバカ正直ぶりは変わらず、やっとの思いでジャックに再会し「エリザベスを助ける為にコンパスが欲しい」と訴えますが、ジャックの言葉を鵜呑みにしてデイヴィ・ジョーンズの元まで一人で乗り込むハメになっちゃうし、自ら災難に向かっていっています。しかも、エリザベスもただ捕まっただけじゃなく、男装してジャックを自力で探し当てちゃったりして、相変わらずの活躍ぶり。
 そこに落ちぶれたノリトン元提督や、靴紐のビル、悪霊デイヴィ・ジョーンズも絡んできて、怒涛の展開で話が進んでいきました。

 正直言って、前作の『呪われた海賊たち』もツッコミ要素満載で脚本が破錠していましたが、今回は登場人物が増えた上に伏線も増えたので、更にツッコミどころが増え、脚本の破錠ぶりは前作の上をいっていました。だから、内容だけを捉えると2時間半は無駄に長く感じてしまう部分が多いです。これちゃんと編集したら、2時間弱に収められた内容だと思うよ(笑)。
 しかし、それだけ話がとんでもないことになっているにも関わらず、2時間半勢いで観られてしまうのは、とにかくキャラクターの個性の素晴らしさ。それぞれの個性が上手く際立っているので、観ていて全く飽きません。突拍子もない言動ばかり起こすジャック、バカ正直で墓穴掘り気味だけど妙に活躍するウィル、とにかく勝気で言葉巧みに物事を進めていく男前ぶり全開なエリザベス、という3人を中心にしたやり取りは観ていてワクワクしました。


 「何よりもチェスト!」となるのですが、まずそのチェストの鍵を手に入れる為に、ウィルはジャックに騙されて悪霊デイヴィ・ジョーンズの元に乗り込みます。しかし、そこで死んだと思った父と運命の再会。彼の手助けで鍵を奪うことができたけど、忘れかけていた父との絆を痛感したウィルは、永遠にデイヴィ・ジョーンズに囚われの身となっている父を不憫に思い、「自由にしてみせる」と約束し、父の為にチェストを探し出そうとします。
 また、ジャックの船員に自ら名乗り出たノリトンは、チェストの中にあるデイヴィ・ジョーンズの心臓をベケット卿に差し出せば、落ちぶれた自分の地位が取り戻せると確信して、チェストを探し出そうと必死になります。
 そして、鍵を奪われたことに気付いたデイヴィ・ジョーンズは、ジャックより先にチェストを取り戻すべく、隠した島に向かいます。

 物語の後半になると、ジャックはチェストを探し出す為に騙して連れてきたウィルやノリトン達にチェストの鍵を奪われそうになるし、更にデイヴィ・ジョーンズが追ってきて大ピンチ!となるのです。まぁ、自業自得の部分も多いんですが(笑)。
 もうね、誰が味方で敵かというより、誰が正義で誰が悪かすら判らなくなるくらいごちゃ混ぜになります。正に欲と欲の戦い。もの凄いスケールで戦います。でも、第三者的な立場のエリザベスから見たら、ジャック、ウィル、ノリトンの鍵の奪い合いは子供のケンカのようにしか見えない。このギャップが可笑しい。

 最後は、デイヴィ・ジョーンズが放ったクラーケンにブラックパール号が襲われるんですが、一人残った(…むしろ残された)ジャックが意を決して自分の運命を受け入れたところで終わります。散々逃げまくっていたくせに、最後の最後に海賊の船長らしくクラーケンの口に攻撃しかけて行くだなんて…!ズルイくらいカッコよいんですよっ!もうジャックーッ!て叫びたい気分でした。
 ムチャクチャ腹黒いところがあるのに、最後には善人の部分も見せるんですよ。しかも命懸けで!こんなズルカッコいい主人公いませんよぅ!
 今回のキャッチコピーである「さらば、ジャック・スパロウ」の意味を、ここで初めて理解して、ガーン!って気分でした。


 しかし、デイヴィ・ジョーンズの心臓はノリトン元提督がちゃっかり奪っていて、ベケット卿へ交渉の条件として持ち帰っていたのでした!
 そして、ジャックを失ったウィル一行は落ち込んでしまうのですが、預言者のティアから「地の果てまで行けばジャックを探し出せる」と予言され、命を懸けて行こうと皆で団結します。しかし、ティアから「その為には新たな船長が必要だわ」と言われ、そこに登場したのは…なんと…ジャック!………ではなく、バルボッサ!!な、なんてことーっ!このラストにはマジでビックリしたよーっ!ていうか、たったワンシーンでバルボッサが全てを持って行ったわ〜!

 そんな…バルボッサとウィル達が協力してジャックを探しに行くの?嘘?ホント?と、考える間もなく終わってしまった。

 ていうか、ここまでダラダラ書いておいて今更なんですけど、この『デッドマンズ・チェスト』の感想を一言で表現するのならば…
 ここで終わりかい。来年の5月まで待てないよーっ!

 …と叫びたい。ヘビの生殺しよ〜っ!!ていうかさ、この『デットマンズ・チェスト』て次回への壮大な前振り作品だったよ。だって、この『デットマンズ・チェスト』で出て来た問題や謎は何一つ解決されないまま終わっちゃったもんっ。なんてことーっ!!この作品のちゃんとした感想なんて、「3」を観なくちゃ語れないじゃないのよーっ!犬でオチつけても納得できなくてよーっ!

*冒頭でジャックが抜け出して来た場所は何?<あのシーン必要なの?
*ジャックはどうして悪霊デイヴィ・ジョーンズと契約したの?
*なんでベケット卿は3年も経ってからジャックを追ってきたの?
*ベケット卿とジャックの関係は?彼らがお互いに交わした印とは?
*なんでティアはウィルのことを知っていて、「宿命の男」と呼んだの?
*デイヴィ・ジョーンズはこの後もジャックを追うの?
*靴紐のビルはどうなるの?
*ノリトン元提督はベケット卿と組むの?敵対するの?
*エリザベスが愛しているのはウィル?ジャック?
*なんでバルボッサは生きてたの?
*あの犬の運命はどうなんの?
*ウィルのシャツは引き裂かれたはずなのに何で元通りになってんの?(笑)

 …とにかく挙げたらキリがありません。ある意味凄い映画作品です。伏線をはれるだけはって、その答えは全て次回!だなんてっ。こんなのアリ?(笑)


 あと、2回目の鑑賞で気付いたことがありましたので追記。「3」へのヒントも十分に描写されている部分もありました。とりあえず、箇条書きにメモっ。

【「1」との相違点】

*「1」では蝋燭台を壊したのはウィルだが、「2」ではスワン総督。→「3」でも誰かが蝋燭台を壊すだろうか?

*トルトゥーガで女性から平手打ちされたのは「1」ではジャックだが、「2」ではウィル。→「3」でも誰かがトルトゥーガの女性に平手打ちされるか?

*再会シーンで、「1」ではエリザベスがウィルに「また会えて嬉しい」と言うが、「2」ではウィルがジャックに言う台詞。→「3」では、誰が誰との再会を喜ぶか?

*「1」でブタ小屋で倒れているのはギブスだが、「2」ではノリトン元提督。→「3」では誰がブタ小屋に倒れているか?

*「1」でジャックが孤島から置き去りにされた時の脱出方は「海亀の甲羅に足を縛って…」とホラを吹いたが、「2」ではデイヴィ・ジョーンズの元から生還したウィルがジャックに皮肉たっぷりに同じホラを言う。→「3」でも誰かが同じホラ話を使う?

*「1」でラム酒を燃やして危機を脱したのはエリザベスだが、「2」ではウィル。→「3」では誰が大量のラム酒を燃やすか?

*ウィルは「1」では1回だけ背後から殴られ気絶しているが、「2」では2回も背後から殴られ気絶(原住民に毒針を刺されて気絶は別カウント)。→「3」ではウィルは3回も背後から殴られて気絶するのか?<いくら何でもヘタレ過ぎ(笑)

 …たぶん他にもあるだろうけど、印象に残ったのは以上。あと「1」での設定を活かしているという面で、サゲッティ&ピンテルの凸凹海賊コンビがエリザベスに向かって「お嬢さちゃ〜んっ」と迫るシーンが「2」でもあったし、エリザベスと再会したジャックが直ぐに「ラム酒を隠せ」とギブスに指示したのは「1」ラム酒を燃やされたトラウマを表現していて面白かった。


 あと、2回目鑑賞で判った「3」にも続く印象的なシーン。

*ティアがジャックから渡された猿を放した後、猿はバルボッサの足元に寄って鳴いている!ちゃんとバルボッサの足元が映っているのだ!この時のバルボッサは寝ている感じで微動だにしない。もしかして、まだ死んでた?

*ティアのテーブルにあった金のハートのペンダントと同じ物が、デイヴィ・ジョーンズのパイプオルガンの上にあった!つまり、デイヴィ・ジョーンズが失恋した相手とはティア?

*↑ティアのテーブルにあったペンダントと、デイヴィ・ジョーンズの持っていたペンダントの両方を見ていたのはウィルだけ。ウィルが2人の関係に疑念を持つかも?

*デイヴィ・ジョーンズはウィルとエリザベスの結婚話に絆されそうになったり、海に沈んでいくエリザベスの花嫁ドレスを悲しげに見ていた。何らかの形でデイヴィ・ジョーンズ悲恋が2人の恋愛に関わってくる可能性もあり?

*ティアから「この土を持っていれば陸地にいるのと同じ」と言われた土を、ジャックはブラックパール号でばら撒いてしまっていた。これがジャックが助かる伏線になる?

 …特にバルボッサの足元が最初の方で映っていたのにはビックリ。前振りされていたんだな〜。あと、ティアとデイヴィ・ジョーンズのペンダントは明らかにペア。この2人の関係が、「3」での鍵になるかもしれない。

 しかし、いくら大作とはいえ、「2」で大風呂敷を広げたもんだよね〜。「3」で全部回収できるのかちと不安になってきた。「2」全米大ヒットを受けて「4」の製作が決定したというニュースを聞いたので、もしかしたら「4」に持ち越される可能性もあり?そんな殺生なっ!でも、こんな「2」を作ったスタッフ達だけに、可能性は無きにしもあらずだ(笑)。




 …で、ここから本領発揮の(笑)ミーハーキャラ語り。この作品は内容云々というより、キャラクター語りをする作品でしょうっ!

 まずジョニー・デップ演じたジャック・スパロウ。とにかく最高でしたよ。かなりコミカル度が前作よりアップしていたと思う。人喰い人種に捕まって逃げるシーンなんて、劇場全体で爆笑が起きてましたよ。いい加減ぶりなところも相変わらずだし、自分の命の為ならどんな手を使ってでもやり遂げようとする腹黒さ。バカ正直なウィルと再会して、「やった!使える奴が来た!」て思ったんだろうなぁ(笑)。でもさ、みんながクラーケンに襲われて大ピンチの時に一人ボートで逃げようとしたけど、最後は戻って来てくれちゃったし、エリザベスにキスされながら船に繋がれてクラーケンの犠牲になっても、そのことを恨まず真正面から受け止めた男らしさはカッコいい。覚悟を決めてクラーケンの口の中に突っ込んで行った姿はマジにカッコよかった!さすが主役!ウワッ!て気分になったもんね。あんなんじゃ助かるわけないんだけど、ジャックなら絶対に助かっているはずだ!って信じている。だって、ジャックはそういう存在だもん。だからこそ、次回作が待ち遠しいんだよぅぅ!
 しかし、前作ではあまり感じなかったけど、今作ではエリザベスにかなり本気で惚れている感じでしたね。エリザベスが海賊並(…いや、それ以上に)男前なので、その部分に惚れたのかしら。ジャックの性格からしてウィルに気遣うだなんてまず在り得ないから(笑)、ジャックがエリザベスとウィルに奇跡的再会をした後がすっごく気になります。これでエリザベスにアッサリ振られたらウケるけど。
 この「2」を観た時に、「なんかジャックの印象が前作と違うな〜」と思ったんだけど、その違和感が何なのか判った。今回は自分の命が懸かっていたから自分にいっぱいいっぱいだったんだよね。前作は、自分の損得よりも何だかんだ言ってウィルやエリザベスを助けるという男気が目立った。そういう部分が無いに等しい状況だったので、「今回のジャック、ちょっと違う」って思っちゃったんだな。だけど、そこまで思わせておいて、最後の最後であの自己犠牲ぶりを発揮されちゃね〜。たまりませんわなっ!

 しかし、ジョニー自身はムチャクチャ身体を張っていたよ。原住民に囚われたところからして、もうマンガをそのまま実写で見ているようなコミカルぶり。ちょっとした仕草や表情が妙に可笑しくて可愛いし、さすがジョニー!って思いました。あと、「ウィルはタマナシだが歌は上手い」ネタを今回も使っていたのにはウケたわ(笑)。あと(<くどい!)、ノリトン元提督に穴掘らしているところで瞑想ぽいポーズを取っていたジャックが妙にツボでした。あのポーズてジョニーのアドリブじゃないかな?ジョニーが来日記者会見で、「続編となるとキャラクターは成長していくものだけど、ジャックは好き勝手に暴れるだけのキャラクターだから、あえて演技面では何も考えていないよ」と言っていただけに、前作から比べて何も性格的に変わっていませんでした。そこも凄かった。
 今回のジャックて自分の命が危機に瀕しているから、皆を巻き込んで右往左往していただけでのつまらないキャラクターになる要素が十分にあったにも関わらず、ここまで「魅せる」キャラクターに仕上げたのはジョニーの力技だよね。ハッキリ言って、ジョニー以外のジャック船長なんて想像できないからっ!他の人が演じたら怒るから!(笑)


 そしてオーランド・ブルーム演じたウィル・ターナー。前作に比べて随分と海賊らしくなったというか、一番見せ場がありましたね。前作は「イイ子ちゃん」過ぎてあまり魅力を感じなかったけど、今回はやっと「本音」の部分が出てきてキャラが立ってきていた。まぁ、相変わらず人を疑うという部分では弱いけど(笑)、このバカ正直さがウィルの良さでもあるしね。
 デイヴィ・ジョーンズの幽霊船に一人乗り込んで行ったところとか、ブラックパール号がクラーケンに襲われた時の指揮ぶりはカッコ良かったよ。特に鍵のありかを知る為にデイヴィ・ジョーンズと賭け事に出たシーンは、本当に海賊ぶりが板に付いてきたよなぁ。なんか子供の成長を見るようだったよ(ホロリ)。しかし、背中バチーンの鞭打ちシーンにはビックリ。無駄に色っぽかったような(笑)。あと、お父さんとの再会も良かったね。最初はちょっと邪険にして素直になれなかったけどさ(素直に「父さん」と呼べないところもいい)、デイヴィ・ジョーンズに囚われの身となっている父を助けたいと思う純粋なところが凄く好き。ウィルとビルのシーンはどれも好きだな。それから、恋愛面がちょいと複雑な感じになってきた。ジャックとエリザベスのキスシーンを見ちゃった時の表情が切なかったなぁ。それにジャックを失って泣いているエリザベスを見て、ジャックが戻って来たら自分は身を引くようなことを言いかけていたよね?お父さんを自由にしてあげられなかったし、エリザベスとの結婚も危うい感じになってきているし、今回のウィルは切ないを通り越して可哀想かも。どうしよう、「3」でウィルが失恋をきっかけにダークサイドへ堕ちちゃったら…<作品が違うって
 2回目を観たら、ウィルのバカ正直ぶりが際立っていた(笑)。ジャックに「コンパスをくれ!」て言った時に、「この絵の鍵を取ってきたらやる」て言われて素直に納得しちゃう仕草とか(横でジャックはしたり顔)、ティアの所に行ってジャックの作戦を知って怒った時も、ジャックに簡単に誤魔化されて「そうか」って納得しちゃうし(またもやジャックはしたり顔)、本当に裏が無い愛すべきキャラクターだったわ。無鉄砲な行動力は海賊向きだけど、性格は海賊向きじゃないね(笑)。

 ジョニーも身体張っていたけど、オーランドも凄いよね。なんかやたらと転がっていたいたような印象がある(笑)。最後なんて回り過ぎてフラフラしちゃっていたし、あと後ろからボカッ!と殴られるのには相変わらず弱い。気絶する回数も多かったし(笑)、オーランド自身そこまで単純じゃないんだろうけど、オーランドの純粋さがそのままウィルという役柄に反映されている感じだった。
 あとオーランドてつくづく「父子関係」がクローズアップされる役柄が多いよね。『トロイ』では、父親に甘やかされたがためにダメダメな男に成長したし、『キングダム・オブ・ヘブン』では自分を探していた父と出会ったことで「騎士」に目覚めていく青年の役だったし、『エリザベスタウン』は亡き父との回想がメインだったもんなぁ。だいたい死別れちゃうというもの凄い。実際にオーランドは育ての父を幼い頃に亡くしているから、そういう面が役柄に投影されたりするのかな。


 キーラ・ナイトレイが演じたエリザベスは、「男装をする」と観る前から知っていたので、「それじゃ、前作よりも男勝りなんだろうなぁ」って思っていたんですが、確かに男装姿が様になっていたし、ウィルから教えてもらったという剣術もすんごいことになっていたし、ラストのジャックに対する仕打ちといい、超男前だったんですけど、前回よりも女性らしかったよ。すっごく!ウィルとの結婚が寸前にメチャクチャにされて落ち込んでいる姿とか、ジャックに対しての自分の気持ちに戸惑っている姿とか、鍵を巡ってケンカをしはじめるジャック・ウィル・ノリトンに向かって何とか気を引こうとする姿とか、最後のジャックに対してのことに落ち込んでいる姿とか、なんかすっごくキューン!ときたよっ。次回は更に恋愛面が複雑化してきそうなんだけど、態度をハッキリしてあげないとジャックやウィルに対して失礼だから、頑張ってハッキリさせて欲しいものだわ。個人的には、ウィルよりもジャックの方がエリザベスに合っている気がするんだけどね。ていうか、ジャックと再会してからは、ウィルよりジャックのことを意識してばかりいたように見えたんだよな〜。
 …なんて書いたけど、2回目を観たらエリザベスてそんなにジャックに気がないかも…って思ってしまいました。自分がコンパスを持つとジャックの方ばかり示したことに戸惑っていたけど、あの中でウィルの行方を把握していたのはジャックなんだから、ジャックを指し示しても当然だったんじゃないかな?と思うようになった。あと、ウィルがジャックに騙されてデイヴィ・ジョーンズの元に送り込まれたと知った時のエリザベスの怒りようは相当だったので、ジャックを心から愛すというのは無理ぽい。
 ラストのキスしながらジャックをブラックパール号に繋いじゃう時も、ジャックさえクラーケンの犠牲になればウィルを助けられるって気持ちの方が強かったね。落ち込んでいたのは、愛しい人を失ってしまったからではなく、自分の腹黒い行動に対しての罪悪感だったんだろうな。まぁ、そんなエリザベスの行動をウィルは中途半端に目撃したもんだから、ジャックとの仲を誤解しまくっていたけどね。ただ、ウィルはもちろんだけど、ジャックもかなり本気でエリザベスに惚れている感じだから、「3」以降も三角関係が複雑化することは確実!


 前作は無理にお嬢様になっていたキーラだったけど、今回は男装もしているし、剣術も披露しているし、水を得た魚のようでしたね。それでいて「女らしい」部分もしっかり表現していてさすがでした。むしろ、前作よりも女らしくてか弱い部分があった気がする。ウェディングドレス姿も綺麗だったけど、男装している方が可愛く見えたな〜。次回はどうなるんだろう?ウィル達と冒険を続けるみたいだから、この男装はまだ見られるってところなのかな?できれば、この男装をもっと見続けたいわ。


 ステラン・スカルスゲールドが演じた靴紐ビルは、子供が見たら泣くキャラの一人かと。フジツボとか付いちゃって凄い風貌になっていましたが、ちゃんとウィルのお父さんでしたよっ!鞭打ちの刑になった息子をなんとか助けようとしたのが仇になって、自分で息子を鞭打ちにしなくちゃいけない再会のシーンが切なかったわ〜。あと、危険な賭博行為に走る息子を助けようとして足引っ張ったり(笑)、鍵を奪った息子を命懸けで逃がしたり、妻やウィルを置き去りにして海賊になったという割には、超子煩悩なパパでした。だって、あのウィルに叱られてんだよ?(笑)。たぶん、生き別れた頃で息子に対する時間が止まっちゃっているんだろうね。だから妙にウィルを子ども扱いして心配する。そんなところもイイな。
 結局、自由の身にはなれなかったから、次回作でもデイヴィ・ジョーンズの奴隷として登場する可能性が高いんだよね?今のウィルはエリザベスとの結婚よりも、父を自由にするという方が気持ち的に強い感じがするので、この父子関係の発展が今後も楽しみ。


 そして、ビル・ナイ演じた悪霊デイヴィ・ジョーンズは、子供が泣くキャラNo.1かと。かな〜り見た目が不気味です。生死を彷徨っている船員を追い詰め自分の奴隷にしたり、ビルとウィルが親子と知ると、ビルにウィルを鞭打ちするように命令したりと残忍さが目立ちましたが、ジャックから「あの青年(ウィル)には結婚を約束した恋人が待っているんだ」と聞かされたら、失恋経験があるだけにちょっと絆されそうな表情を見せたところは可愛かった。でも、なんと言っても、ウィルが鍵を奪うのを寝てて気付かないところでしょう。あそこまでタコ髭をイジられているんだから、起きようよ!とツッコミ入れたい気分だったわ。かなりツボでした。そうそう、ジャックとの交渉シーンを見て、ジャックより人間らしいというか「まとも」な考えを持っていると思いました(笑)。彼も心臓を取り戻せなくてジャックに怒り爆発させていたので、次回作も登場すると期待。もしかしたら、ベケット卿のところに現れるかもしれないしね。
 しかし、特殊メイクのせいでビル・ナイと言われないと全く判らない風貌でしたが、声といい、眼差しといい、存在感ありましたな〜。かなり贅沢な配役だよね。


 あと前作からのキャラクターであるジャック・ダベンポート演じたノリトン元提督は、風貌がすっかり変わってしまって一瞬誰だか判らなかった。前作から引き続き登場しているキャラが多いけど、まるで変わっていないキャラばかりなのに、本当に変わり果てたからね。外見ボロボロ、性格も荒んでしまって…。でも、ボロボロの姿の方がセクシーでカッコよかったわ(笑)。性格も、妙に紳士ぶって地位に縛られて無理にイイ人ぽくなっていた前作よりも、本音丸出しの今回の方がずっと素敵だ!相当ジャックとウィルには恨みを持っているみたいだけど、利用される振りして利用するというズル賢さもあるところがニクイ。過去の地位を取り戻したい野心も持っているし、ジャックやウィル達にとって敵なのか味方なのか、この作品だけでは判らなかった。ベケット卿と組みそうだけど、人の下で働くようなタイプには見えないしね〜。
 彼は間違いなく次回作も登場するだろうけど、ジャックやウィル達にとって敵か味方かポジションがハッキリしていないだけに、キーマンになりそうな存在ですな。エリザベスへも未練たっぷりぽかったしね。でも、地位を取り戻して小奇麗になるよりも、今回のようなボロボロなノリトンでいて頂きたい!


 そうそう、なんと言ってもジェフリー・ラッシュ演じたバルボッサ!たった1シーンの登場でしたけど、すべてを掻っ攫いましたよっ。登場シーンといい、青りんご齧りながらの決め台詞は前作のままで、もうもうカッコよすぎっ。ちょっと暗くなったムードを、一気に明るいテンションにして終わらせてくれました。さすがだよなぁ。


 他にも語りたいキャラが多いけど(預言者のティアなんて魅力的なキャラだったわ)、キリがないので割愛。とにかく、登場人物の全てが味があって素敵でカッコよかった!ここまでキャラクターの個性で引っ張っていく作品も珍しいかも。だけど、それだけ出演者たちの相性が良いってこともあると思うんだよね。
 特に主演の3人は最高でしたね。恋愛面も絡んできたので、コミカルな関係だけでは済まされない雰囲気になってきているのが面白い。次回作でも、ジャックは腹黒く、ウィルは純朴で、エリザベスは勝気であって欲しいな!カッコいいであろうということは確信持ててるから(笑)。




 内容のことを書こうとすると、辻褄が合わないし粗だらけなんだけど、とにかく勢いで観れちゃう作品。サマームーピーというか、エンターテイメント大作の王道を行ってますね。出演者達もその辺はしっかり割り切っていて、イイ歳の大人達が大真面目にバカ騒ぎながら楽しんでいる感じで、その楽しさが観ている方にも伝わってきて、ワクワクした気持ちで2時間半を終えましたからね。本当に次回作が待ち遠しい!ていうか、早く観せて!って気分です。

 そうそう。今回もサントラが良かった。パイプオルガンの楽曲もあったりして、かなり好みな感じです。ピンチな時に妙にメルヘンちっくな曲が流れたり(笑)、センスも抜群っ。サントラ間違いなく買いっ!



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