フランス周遊の旅 ~~2008年5月2日 ~ 2008年5月10日~~


2008年5月4日(第3日目)
今日は、エクスアンプロバンス、マルセイユ、アルルを巡る3日目の1日です。
 2晩お世話になったホテルアマランテを出発して高速道路を西へ、エクス・アン・プロバンス(プロバンス地方の田舎)を目指して進みます。最初の訪問地はセザンヌのアトリエ。画家セザンヌがアトリエを構えて過ごした場所です。小高い丘の中腹にそれほど広いくもない2階建ての家の2階にアトリエはありましいた。天井が高く、部屋の北側には大きなガラス窓があって、明るい光が部屋の中に差し込んでいます。ただ、デッサンの材料に使ったのか髑髏が3個も置いてあるのには、へ~こんなものがというかこんなものまでがデッサンの対象ですか、という感じです。他にもガラスビンなど色々なものが置いてありましたが、必ずしもセザンヌが使っていたものとは限らないそうです。
1階には売店もありましたが、あまり興味もなく一通り見てから庭を巡りました。セザンヌがこの地を選んだ頃は、庭の木も少なく眼下にプロバンスの景色がよく見えていたそうですが、今は庭の木も育ち周りには住宅も建って見晴らしは余り良くはありません。
 セザンヌのアトリエを出てバスの駐車場に向いながら、セザンヌがよく描いたという山が見えるところまで坂道を上って行くとそこには、何と!薬屋さんの建物が絶好の位置をふさいで建っているではありませんか。しかたなく向かいの団地の塀に上って木々の枝ごしに写真を撮りました。
次に向かったのはフランス第二の都市であるマルセイユです。高速道路を降りると坂を下ってマルセイユの街に入ります。それほど広くない曲がりくねった道を下りマルセイユ駅の大階段を左に見ながらマルセイユのメインストリートを走ります。カヌピエール通を進み旧港までたどり着いたので、港の見学かと思いきや、道を左折できなかったので大回りをしたとのこと。
 バスはメインストリートを大回りをして昼食のレストランに着きました。マルセイユといえばブイヤベースです。日本で料理写真などを見ると魚介類を煮込んだ寄せ鍋のような鍋料理ですが、本場のブイヤベースはスープだけです。スープの色といえば、カニ味噌のようなモスグリーン、味は魚のダシは良く出ているもののちょっと生臭い感じです。スープを少し飲んでからスープにガーリックトーストのフランスパンのスライスを浮かべチーズを振りかけていただきます。スープの生臭みが気になって余り美味しくいただけません。このあとにはスープをとったカサゴのような魚が出てきましたが、やはり出し空なので味付けもなくそれほど美味しくはありません。
昼食の後は港の見学です。岸壁には簡単な台座に大きめの浅い箱を置いた台の上に色々な魚を載せた市場が立っていました。日差しを遮るものはお揃いのパラソルです。漁港の次はマルセイユ港のそばに高くそびえる丘の上に建てられたノートル・ダム・ドゥ・ラ・ギャルド大聖堂の見学です。そびえ立つ丘の上に建てられた大聖堂へは坂道と階段の連続です。晴れ渡った青空の下に白いクーポラが映え、敷地地の隅にある展望台からはマルセイユの街が一望できます。沖合にはデュマの小説「岩窟王」の舞台となったイフ島が浮かんでいます。
 マルセイユの次はアルルの街を訪れます。アルルの町の近郊で、ゴッホが描いた「アルルの跳ね橋」を見に行きました。ゴッホが描いた頃の跳ね橋は既になくなっていて、今あるものは復元した橋だそうです。なので、絵の橋と復元された橋とは土台の辺りが違っています。この橋の周りはのどかな田園風景が広がっていて、土産物屋など何もありませんでした。
 アルルの街ではゴッホの頭の像がお迎えです。この頭の像は、ゴッホが耳を削ぎ落とした後の姿をしているので、右耳がありません。
 始めにローマ時代の遺跡を巡ります。ヨーロッパの国では石造りの建物が多いのですが、これらの建物の材料となる石塊は常に新しく切り出されたものが使われるのではなく、古い建物などを壊してそこで使われていた石塊を使って新しい建物などにを作って行くそうです。なので、ローマ時代の石像建造物は完全な形で残っているものは少なく、たいていの門や塀はごく一部しか残っておらず、建物も風雨の侵食も相俟って柱などは倒れてしまっています。このアルルのローマ遺跡もそのような影響を受けて立派な凱旋門や野外劇場の門はあるもののそれらに続く道や塀はほとんどありません。
 ローマ時代の遺跡を抜けて市役所前の広場にやって来ました。広場の中心にはオベリスクが立っていて、根本の噴水からは水が吹き出していました。広場を囲むように市役所や教会、カルチャーセンターなどが立っています。このカルチャーセンターはかつては精神病院でゴッホが入院していたところです。建物はその使われ方が変わったものの構造は当時のままで、中庭にはゴッホが描いた病院の中庭の絵が置かれていて、その絵と現在の様子とそれほどの違いを見せてはいません。一角の土産物屋でプロバンス地方名産のハーブの袋詰め(袋もこの地方名産の織物で作られています)やカマルグの塩を買いました。
 街中を進むと街の広場のような所へ出ます。広場にはカフェのテーブルと椅子が所狭しと並べられていて、街の広場なのかお店の店先なのか分からなくなっています。その広場の傍らにゴッホが描いた「夜の喫茶店」のモデルが「Cafe de Van Goho」という名前で営業しています。店の壁の色も、元々なのかゴッホの絵の色使かいに合わせたのか黄色く塗られています。
 更に街中を進んで、今度はローマ時代の競技場の跡にでます。綺麗な石造りのアーチが連なっています。この競技場では今でも闘牛が行われているようで、向かいの土産物屋には闘牛のポスターも売っていました。
 アルル市内の見学も終わり城壁の間を抜けてローヌ川のほとりの駐車場からバスに乗ってホテルに向かいます。ホテルは町外れの運河の傍らに建つ「ニューホテルアルルカマルグ」です。
 夕食まで時間があったので、バスの車窓から何か催し物をやっている様なのが見えたので、街の方まで歩いて行って見ました。街の広場ではジャズの野外演奏会が催されていました。高校生くらいの男女が演奏し、曲の合間には帽子をもって観客の間を回って鑑賞料の寄附集めもやっていました。まぁ、ジャズなんか聞かないのでうまいのか下手なのか何もわかりません。
 夕食はパイ包み焼きと牛煮込みのあぶり焼きです。行程表上はポーク料理だったのですが、ホテルが用意できなくて押し切られたみたいです。
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フランス周遊旅行アルバム 2008年5月4日(第3日目)
カンヌ~エクスアンプロバンス~マルセイユ~アルル

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エクス・アン・プロバンスの風景

エクス・アン・プロバンスの風景

セザンヌのアトリエの案内標識

セザンヌのアトリエの案内標識

セザンヌのアトリエの外観

セザンヌのアトリエの外観

セザンヌのアトリエの庭

セザンヌのアトリエの庭

セザンヌよく描いたサント・ヴィクトワール山

セザンヌよく描いたサント・ヴィクトワール山

マルセイユ駅の大階段

マルセイユ駅の大階段

ランチのブイヤベース(チーズを乗せたパンを浸して食べます)

ランチのブイヤベース(チーズを乗せたパンを浸して食べます)

マルセイユの市内を走るトラム

マルセイユの市内を走るトラム

マルセイユ旧港で魚を売る漁師

マルセイユ旧港で魚を売る漁師

マルセイユ旧港で魚を売る漁師

マルセイユ旧港で魚を売る漁師

マルセイユ旧港に停泊するヨット

マルセイユ旧港に停泊するヨット

戦争の記念碑

戦争の記念碑

ノートル・ダム・ドゥ・ラ・ギャルド大聖堂

ノートル・ダム・ドゥ・ラ・ギャルド大聖堂

大聖堂入口の碑

大聖堂入口の碑

大聖堂の案内図

大聖堂の案内図

大聖堂の入口

大聖堂の入口

大聖堂のマリア像

大聖堂のマリア像

大聖堂の天井

大聖堂の天井

大聖堂の展望台からのマルセイユ市街

大聖堂の展望台からのマルセイユ市街

大聖堂の展望台からのイフ島<br>(岩窟王の舞台)

大聖堂の展望台からのイフ島
(岩窟王の舞台)

ゴッホの跳ね橋の絵

ゴッホの跳ね橋の絵

ゴッホが描いた跳ね橋<br>(再建)

ゴッホが描いた跳ね橋
(再建)

ゴッホが描いた跳ね橋<br>(再建)

ゴッホが描いた跳ね橋
(再建)

アルルの町のゴッホの首<BR>(左耳がない)

アルルの町のゴッホの首
(左耳がない)

古代劇場の門

古代劇場の門

古代劇場の案内板

古代劇場の案内板

古代劇場の中の様子

古代劇場の中の様子

サン・トロフィーム教会の入口

サン・トロフィーム教会の入口

市庁舎とレピュブリック広場

市庁舎とレピュブリック広場

レピュブリック広場の噴水

レピュブリック広場の噴水

ゴッホが描いた「エスパス・ヴァン・ゴッホ」

ゴッホが描いた「エスパス・ヴァン・ゴッホ」

現在のエスパス・ヴァン・ゴッホ

現在のエスパス・ヴァン・ゴッホ

ゴッホが描いた「夜のカフェ」

ゴッホが描いた「夜のカフェ」

現在の「夜のカフェ」<br>カフェ・ヴァン・ゴッホ

現在の「夜のカフェ」
カフェ・ヴァン・ゴッホ

円形闘技場

円形闘技場

カヴァルリ門と城壁

カヴァルリ門と城壁

ホテル・アルル・カマルグ

ホテル・アルル・カマルグ

市内の演奏風景

市内の演奏風景

夕食のパイ包

夕食のパイ包

夕食の牛煮込みあぶり焼

夕食の牛煮込みあぶり焼


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