オモシロイ!マークはあくまで私の好みです。
■2007年[1]
西尾維新「刀語 第三話 千刀・ツルギ」今回は地味でした。やっぱり七花には華がないし。
ストーリィも通過点という感じで盛り上がりに欠けている感じ。
ただ、まにわにのかませ犬っぷりはなかなかのものです。
仰々しく登場してサックリやられる・・・そこが、いい!
西澤保彦「春の魔法のおすそわけ」ヒロインのしゃべりかたが好きになれなくて、ちょっと読むのがつらかったです。
「あたしゃー」とかいう一人称はちょっと・・・。
でも、酔って起きたら2千万円入りのバックを持っていて昨夜の記憶がなくて・・、という導入部にはひっぱられるものがありました。
西尾維新「刀語 第二話 斬刀・鈍」しょっぱなの決め言葉決めのやりとりにシビレました。
これはおもしろくなりそーだぞーという感じがやっと来た!
鑢七花(やすりしちか)くん、確かに個性薄いし。やっぱり主人公には決め言葉が必要ですよね。
とがめの「ちぇりお!」ですが、・・・使ってみたいです。
西尾維新「不気味で素朴な囲われた世界」「きみとぼくの壊れた世界」のパラレルワールド版?
病院坂先輩のしゃべらない設定!そしてメール!
充分楽しませていただきました。
内容的には・・・A・クリスティ「カーテン」の裏返し版のような印象を受けた。(←ネタバレぎりぎり!?)
あと、犯行の動機に共感。(^^;
京極夏彦「前巷説百物語」又市さんがまだ、若く、青くさく、双六売りだった頃のお話。
仕掛けも「損料」という別のかたちで機能していて、後の仕掛けのまだ原形。
すべての発端がつまっていました。
又市さんの芯の通った青臭さが良いです。
伊坂幸太郎「フィッシュ・ストーリー」ちょっと見知った人(著者の他作品の脇役)たちがでてくる、4編からなる中短編集。
しみじみと、この著者はお話しを紡いでいくプロだなぁと思いました。
特に表題作になっている「フィッシュストーリー」は、構成も凝っていて読後感もよく、ちょっとパワーをもらえる作品。
ミスチルの「彩り」という曲を連想しました。
あと「ポテチ」は会話のテンポが良く、読み出したら一気に読了、でした。
森博嗣「キラレキラレ」先日講演会でこの作品のことは、「アメリカミステリーへの懐古」と言っていたので・・・
キラレなので、切り裂きジャックがもと?と思ったけどあれはイギリスですよね?
そもそもアメリカ的ミステリってどんな?
で、自分の好きな作家をあげて考える・・・
コーネル・ウールリッチ(ウィリアム・アイリッシュ)←サスペンス
メアリ・H・クラーク←サイコサスペンス
サラ・パレツキー←ハードボイルド
ジル・チャーチル←コージーミステリ
でも共通点て・・・???
ま、おもしろかったからいいかー。
最期にあの人がいいとこさらっていったのも含めて!
いよいよGシリーズとのリンクが気になるところです。
女清掃人探偵・キリコシリーズ3冊目。
このシリーズ大好きなんです。
読後感が重くなく、バランス良く安心して読める!
今回は「水の中の悪意」「愛しの女王様」「第二病棟の魔女」「コーヒーを一杯」の4編収録。
とくに「愛しの女王様」は泣いてしまうくらい入り込んじゃいました。猫ものには弱いです。
決して手放しのハッピーエンドじゃないけど、暗くなりがちなところを中和してほの明るくするのがキリコちゃん。
今回大介さんが出てこなかったので、4冊目に期待!
「無為侵入」「闇からの声」「捕食」「変奏曲〈白い密室〉」「ソフトタッチ・オペレーション」の5つの超能力犯罪が紹介されますが、超能力だからといってミステリ的にアンフェア
じゃないのがちゃんとすごいです。
が、今までのチョーモンインシリーズと比べると、ちょっと地味。
というのは嗣子ちゃんの出番が少ないから!
華がないよー。
タイトルどおり漫画「こち亀」を大沢在昌「幼な馴染み」、石田衣良「池袋⇔亀有エクスプレス」、今野敏「キング・タイガー」、柴田よしき「一杯の賭け蕎麦」、京極夏彦「ぬらりひょんの褌」、逢坂剛「決闘、二対三の巻き」、東野圭吾「目指せ乱歩賞!」とそうそうたるメンバーが小説化。
おもしろくないわけがありません。
さすがに達者でうまくてこち亀愛にあふれた作品ばかり。
特に印象に残ったのは・・・「一杯の賭け蕎麦」。
人情からみで読後感が特によかったです。
「目指せ乱歩賞!」は東野さんの経歴(なかなか賞がとれなかった)と考え会わせるとなかなかシニカルでした。
純菜視点で進むその後。
純菜ってこういう娘なんだーの1冊。
やっぱ、ちょっとぶっとんでますね。
でも、八木の恨み節よりずっと読みやすかった!
毎月1冊刊行され12ヶ月分12冊でシリーズ完結・・・らしいです。
伝説の刀を1本づつ集めていくというアウトライン。
本書は、今後メインをはるであろう虚刀流・鑢七花(やすり・しちか)と奇策士・とがめの出会い編、そして1本目の刀争奪戦。
また対戦相手の真庭蝙蝠もとんでもないワザを持っていて、これから11本、そんでもないキャラととんでもない刀が出てくるんだなーと思うと・・・ときめきかずにはいられません。
浦賀和宏「さようなら純菜 そして、不死の怪物」八木くんついにキレました。
後半ついに大暴れどうなっちゃうの!?と
つづく・・・。
あーあーあー、と思いつつやはり憎めない。それがこのシリーズのいちばんの不思議。
・・・私だけかもしれませんが。
さいごまでがんばって読みます。
森博嗣「ZOKUDAM」「ZOKU」のパラレル版?ロミ・品川がメインで頑張ってます。
ZOKUDAMに乗って悪(怪獣?)と戦うよ!という出だしからだらだらと続いていきます。
このだらだら具合にのれないとけっこう苦痛。
本筋をはぐらかしているのに別の部分で読ませる、というのが本書の特長?
私の場合、ちょっとのりおくれて読むのに時間がかかりました。
伊坂幸太郎 他「I LOVE YOU」伊坂幸太郎「透明ポーラーベア」、石田衣良「魔法のボタン」、市川拓司「卒業写真」、中田永一「百瀬、こっちを向いて」、中村航「突き抜けろ」、本多孝好「Sidewalk talk」
の6編のラブストーリィ。男性のかいたお話しだからか甘いことはあまいのですが、サラリとした感触で、読んだ後やさしい気持ちが残るようなお話しが多かったです。
印象に残ったのは「突き抜けろ」。
脇役の先輩木戸さんがいい味だしてたので
恩田陸「朝日のようにさわやかに」全14編の短編集です。
もともと引き出しの多い著者なので、多種多様な内容ではあるのですが、ホラー風味のものが多いような?
DJの会話だけで進行するミステリー「あなたと夜と音楽と」とちょっと不思議な「淋しいお城」が特に印象に残りました。
表題作にもなっている「朝日のようにさわやかに」に関しては、こういう話しの運び方は好み、です。
伊坂幸太郎「グラスホッパー」タイトル通りバッタの話です。といっても象徴としてのバッタ。
「鈴木」「蝉」「鯨」そして「押し屋」と興味深い人材がそろっていましたが、ちょっとだけ消化不良気味?
きれいにまとまってはいるのですが、なんかこう「もうちょっと!」と言う気分になりました。
もったいないという残念さ。
でも、好きです。好みです。おもしろかった!
森博嗣「クレィドゥ・ザ・スカイ」ここから「スカイクロラ」につながる。
てわけで、「スカイクロラ」再読したくなります。
キルドレって澄んでいるんだなと思った。
それ以外の人間のなんと濁っていることか
それもちょっと違うかな・・・?
この「スカイクロラ」シリーズはそれぞれひとつの物語として読めますが、やはり5冊で大きな流れを持った物語と思った方が味わいありますね。
奥田英明「ガール」オビのコピーに
「キュートで強い、肚の据わったキャリアガールたちの働きっぷりをご覧あれ。爽快オフィス小説。 」
とあったのでワクワクして読んだのですが、んー、なんかちょっと・・・私にはピンと来ませんでした。
あえて言っちゃうと古い感じ。この著者の本はどれも読後感が良くて好きなのですが、本書に関しては「えー?」と思うところが多かった。
私が同世代の女子から浮いてるからそう感じるのかも・・・なのですが。
恩田陸「ライオンハート」読了。文庫版で再読。
ハードカバーで読んだときは、いい感じなんだけどわかりずらいな、というのが本心でした。
再読後、やっぱり細部までピタリと理解した訳じゃないんだけど
「どうしちゃったんだろ、今日はやたらとロマンチックな気分」(384p)
にひたれます。
時代を超えた運命の出会い。
一瞬の逢瀬であっても、運命の人と会えるという幸福感に満ちあふれたストーリィ。
「魂は 全てを凌駕する 時は内側にある」(309-310p)
場所も、時も、越えて、寄り添う魂
またいつか、お目にかかりましょう-私のライオンハート(383p)
この本にきゅんとなれたらオトメゴコロ健在ですね。
京極夏彦「旧怪談」読了。江戸時代に書かれた「耳嚢」の中の怪しい話、奇妙な話を「怪談」として読めるように現代風にアレンジした短編集。
本文の後に「耳嚢」の原文も掲載されているので、京極アレンジと比較すると興味深い。
オチの順番が入れ替わっていたり、名詞をアルファベットにしたり、タイトルを変えるだけで
ずいぶん印象が変わるものだなぁと思いました。
そういう差異に著者の「らしさ」が垣間見える。
すきなタイトルは「なぜに虻」。なぜにってとこが。
森博嗣「イナイ×イナイ」まっとうなミステリ、まっとうすぎてわかりやす過ぎなところもありますが、きっとそう思われることも森氏の計算。
そして、最期になってあの人(西野園萌絵)の登場。
ファン心理ついてますね。いろんな意味で確信犯的な小説。
Gシリーズと平行して読むと、世界が広がります、たぶん。
森博嗣「フラッタ・リンツ・ライフ」オビに「なにも欲しくない。誰のためでもない。誰も褒めてはくれない。ただ、飛びつづけたい。」
とあるのですが、まさにその通りの内容。
なんのために飛ぶのかというより、飛ぶことが生そのもの。
体の破損に淡泊なのもキルドレならでは?
シリーズ全体としては草薙水素のちょっとした謎が解明されたりしています。
この巻はシリーズ中でもわりとツナギ的な役割をするかも?
舞城王太郎「スクールアタック・シンドローム」最初の2作「スクールアタックシンドローム」「我が家のトトロ」は既読。「ソマリア、サッチ・アスウィートハート」が新作。
ソマリア〜も含めてそうなんですが、目の前に降りかかった難問の答えがすごい。
とんでもない角度から、思いの外正しい解答が落ちてくるという真実の裏の裏ってやつですか?
ソマリア〜なんてしょっぱなから暴力的で酷い内容なのですが、なぜか、読後感はやわらかい・・・これもすごい。
智春ちゃんの
「別にぶち殺してないよ。ちょっと殺しちゃっただけだよ」
という台詞と、徳永くんが襲われた時の
「びっくりしてるけど痛くない。アドレナリンて凄い!役立つ。助かるぅ!」
というモノローグにしびれました。
西尾維新「新本格魔法少女りすか 3」シリーズ第3弾なわけですけど、このりすかちゃんがかわいくてもう!
この著者のキャラはよく独特のしゃべり方をするけど、りすかちゃんの言葉遣いが一番好きかも。
おもしろいのは、しゃべり方なの。
ちょっと、うつりそうです。
佐藤友哉「エナメルを塗った魂の比重」前作で免疫ができたと思って読み始めたのですが、やっぱりなじめない。
鏡綾子属する2年B組のそれぞれの生徒の視点で語られてる訳ですが、コスプレ、カニバリズム、いじめ、記憶喪失、もうたくさん!な内容。
それがうまく収束していない、いかしきれていない結末。
なんだか、消化不良でした。
が、次作を読む気にはなるんですよね、とりあえず。
それがメフィスト賞作家の底力か・・・。
伊坂幸太郎「陽気なギャングの日常と襲撃」「陽気なギャングが地球を回す」に続く第2弾。
やっと読むことが出来ました。おもしろー。
別々の短編だった4編に、追加修正を加え1章にまとめ、更に2章を書き足し1冊の本とした、という2部構成。
そんないきさつなのに、1章でばらまいたピースが、2章の後半でピタピタとはまっていく様子はおみごと。
読後感も良い。
私はスリで動物好きの久遠さんがお気に入りです。
森博嗣「MORI LOG ACADEMY 3」日記部分はずいぶん前に読み終えていたのですが、授業(?)のページでちょっとめんどくなって放り投げてました。
今回は特別講師として清涼院流水氏が参加していますが。
・・・うざ。
斉藤由香「窓際OL トホホな朝ウフフな夜」祖父・斎藤茂吉、父・北杜夫そんな環境に育ったお嬢さんがどんな本を書いているの?と興味津々で読み出したのですが、ライトな内容でサクッと気軽に読めました。
ドクトルマンボウ好きだったもので、斉藤家のお話しなど興味深かった。
続編を買うほどには気に入りました。
穴澤賢「富士丸な日々」このブログの書籍化です。父ちゃんのツッコミがおもしろい。
お部屋の間取りや、クッキングレシピなどのおまけつき、ブログだけじゃものたりない方は是非。
はっちゃんとこもそうだけど、関西の方ってボケツッコミがホントうまいですよね。芯から身に付いてるっていう感じ。
よしもとばなな「なんくるない」沖縄をテーマにした作品集。
沖縄の空気感にあふれたストーリィで、なんだか濃〜い潮の香りがしてきそうな、生臭いほどの生命力を
感じるお話しが多かった。
「海=生命のスープ」という言葉を思い浮かべた。
加納朋子「モノレールねこ」短編集、タイトルは「モノレールねこ」「パズルの中の犬」「マイ・フーリッシュ・アンクル」「シンデレラのお城」「セイムタイム・ネクストイヤー」「ちょうちょう」「ポトスの樹」「バルタン最期の日」です。
現在の著書の身の丈にあった作品、無理が無く安定していて、やさしくたおやかな作品集だと思いました。
好きだったのは「モノレールねこ」と「バルタン最期の日」。
池井度潤「空飛ぶタイヤ」オモシロイ!これまでも、この著者の作品は好んで読んでいましたが、本書はまさに力作でした。直木賞の候補作にもなったとのこと、さもありなん。
寝る前に読み出し、「キリの良いところまで読んで寝よう」などと思っていたのに、キリの良いところがない、中だるみするところがない、手に汗握って朝方読了。
主人公の中小運送会社の社長はもちろん、それぞれの立場の登場人物がリアルで生き生きしていて、善人には心からのエールを送りたくなります。読み応えあり、満足感あり、満点の作品。
八二一「はっちゃん日記 1」猫好きなら知らない人はいなんでしょう?ブログ「はっちゃん日記」。
このブログを書籍化したものです。
有名猫はっちゃんの日々は、ありそうでなさそうな和みの日々。
おかんの愛が伝り、ほのぼのしました。
西尾維新「化物語 下」ネコミミがツンデレに負けたー!
なんかもう、萌えキャラの乱立にクラクラしながら読みました。
使い捨てるには惜しい娘ばかりです。是非続編を。
ちなみに、読み終えて、印象に残ったのは
・・・エロっ娘ちゃん・・・。
西尾維新「化物語 上」なるほど、怪異を西尾維新が書くとこうなるわけね。
核心の事件をほのめかしつつ、キャラ萌えでつないでいくという相変わらずの手法(?)ですが、まんまとハマってしまった。
どの娘も、イイネ!
会話をおもしろくしようという実験的なにおいがちょっとだけ気になりました。
JK・ローリング「ハリーポッターと謎のプリンス 下」なるようぬなったなーという感じ。
あの方の死も、ハリーの恋模様も。
にしても、前作から主要人物がコロコロ亡くなっちゃって、それはそれでストーリィのために必要なんだろうけど、やっぱ外国人の書いたお話しだなぁと思ってしまう。
外国人・・・というか銃社会のというか。
人が簡単に死んじゃうのに慣れちゃうのは良くないです。。。
でも、これだけ需要人物が亡くなるってことは、大団円でカムバックもありうるかも。
JK・ローリング「ハリーポッターと謎のプリンス 上」前作を読んでから間があいちゃったので、最初の方はいまいち入り込めなかったが。読んでいくと「そうそう!そんなんなってた」とハリーの世界に入り込む。
今回は、青春編とでもいうのでしょうか、ホレタハレタ(古い?)関係が全面に押し出されていて、むずがゆい。
あの年頃って、男の子より女の子の方が大人だよね。
森博嗣「η(イータ)なのに夢のよう」Gシリーズ第6弾です。
今までのシリーズ同様10巻までだとしたら、ターニングポイント?
それでなのかどうか、ついに来ました!
Vシリーズ&女王シリーズとのリンク。
森ファンならおぼろに思いえがいていたと思うけど、本文中に名詞がでてくると、ニヤリとしてしまいますね。
ミステリの解明とか、おざなりな気がするけど・・・、いいんだよね、森ミステリはこれで。
北村薫「ニッポン硬貨の謎」著者がエラリ・クイーンの未発表作『ザ・ジャパニーズ・ニッケル・ミステリー(ニッポン硬貨の謎)』
を翻訳したという設定で書かれていて、それだけでもミステリーマニアにはたまらないところに、実は「競作 50円玉20枚の謎」の北村薫バージョンでもあり、「競作〜」を読んだ身としては「倍!さらに倍!」くらい楽しめました。
森絵都「いつかパラソルの下で」厳格だった父から離れ、気ままに暮らしていた柏原野々、しかしひょんなことから亡くなった父の秘密を知ってしまい、疎遠だった兄妹と父のルーツを探る旅に出ることになる。
けっきょく、家族の影響って消せないんだな〜と思った。
嫌だ嫌だと反対の人に惹かれるのも立派なコンプレックスで、結局その嫌いな父の存在から逃れられていないってことだもの。
その呪縛から逃れるには・・・という解答に、この本は、根本を理解しその上で自分を解放するという手段を提示した。
西尾維新「DEATH NOTE アナザーノート ロサンゼルスBB連続殺人事件」南空ナオミとLが協力して連続殺人事件を追う物語です。
ちなみに語りはメロという設定。
後書きで作者が、サブタイトルを「Lにメロメロ」にしようと思った と書いていましたが、 なるほど!これ読んで一瞬Lにメロメロになりそうに・・・ 。
コミックで読んでるときは、むしろ嫌いなキャラだったんですが 今頃真価がわかりました★
アマゾンの感想を読むと、コミック(原作)派には 不評なようですが・・・。
森博嗣「カクレカラクリ」コカ・コーラ120周年記念コラボ作品ということで、随所にコーラを飲むシーンがあり、読了後、確実にコーラを飲みたくなります!
120年前に作られたカラクリを探す、廃墟マニアの大学生と、その村の旧家出身で、カラクリとも因縁深い姉妹の冒険ミステリ。
なんというか、手慣れた感じで仕上がっています。
コラボの材料をうまく盛り込んで、得意のカラクリ講義などはさみつつ、と言う感じで。
TVドラマ化もされましたが、原作とはかけはなれた部分が多く、なんでこうしちゃったのかな?という出来でした。
が、ヒロイン真知花梨役の栗山千明はよかった。お嬢様っぽさが。
舞城王太郎「SPEEDBOY!」読み始め、その疾走感で気持ちよく読み進めつつ、随所随所で思ったのが「限界に向かい合う?」ということ。
そしてこの「限界」を「恐怖心」と置き換えると、「熊の場所」を思いだす。
限界だっていうなれば恐怖心のひとつとも言える(と思う)。
もしかしてマイジョウ作品のキーワード発見?
で、「SPEEDBOY!」ですが、成雄(ナルオ)のパラレルワールドが近くて遠くて・・・読解力イマイチの私にはいまひとつストーリィに寄り添うことができませんでした。
よって、ちょっと消化不良気味に読了。
とはいえ、久しぶりにマイジョウ作品が読めただけで幸せです。それでよいです。
江國香織「赤い長靴」最初の方読んだだけで、このヒロインの旦那はダメだなと思って、どうやって別れるんだろう?と読んでいたのですが、読了して気が抜けました。
結婚しても相手に恋してる・・・と言いたかったの?
ヒロインもその旦那も、わかりません。
というか、こういう人たちは嫌いなタイプかも。
黒田研二「結婚なんてしたくない」ひさしぶりのクロケン作品ですが、またすごいタイトル!
結婚を意識しながらも、シングルライフを満喫する5人の男たちの物語。
ナンパ男、焼き鳥屋店主、オタク青年、隠れホモのジムトレーナー、彼女に結婚を迫られている青年と、バリエーション豊かな男性像ですが、私にはいまいちピンときませんでした。
なんというか・・・物語をまわすためのいかにもなキャラクタ部分がリアル感を欠いちゃった?みたいな。
・・・って、男性が描いた男性像にダメだしなんて、私の認識がおかしいのかも。
おこがましくてすみません。
よしもとばなな「ついてない日々の面白み」一見つらそうに思えるどんな日々にもキラッとチラッと心が温かくなる瞬間はある、と思う。
もし無いと感じるとしたら、それは見逃しているだけ、とも思う。
それが私の持論なのですが、このエッセイ日記を読んで、ばななさんの方がもっと「日々の面白み」を受けとるエキスパートだなと思いました。
悲しいことがあっても、そこに照準を固定したまま立ち止まらず、
隠れている面白みを探す、それができれば大丈夫。
森博嗣「少しかわった子あります」タイトルからそのまま。ちょっと変わった小学生を次々紹介していくのかな?と思っていたのですが
小学生じゃなくて女性でした。
それぞれの女性をみる語り手の思考や感想に森氏が透けているようで(そんなことはないと言われそうですが)興味深いところでした。
以前アート展を見に行ったとき、そこに来ていた子供の奇行の方が印象に残り、一緒に言った妹と
「子供が一番のアートだよね」と語り合ったことを思い出した。副支店長、女子行員、新人行員、検査部員、パートタイマーなどなど、語り手を変えた短編10話の中に、
100万円喪失事件を織り込んだ短編集のような長編?
1話づつ語り手がかわるため、核心の事件にたどりつくまで、散漫な印象になるが、様々な角度、そしてその章ごとにもストーリィがあるので、新鮮な気持ちで読み進められた。「零崎一賊」シリーズと言っても良いのか、「零崎双識の人間試験」に続き、今度は零崎軋識絡みのストーリィ。
が、何故か目立ったのは策士子荻ちゃん、
そして人識くんと玉藻ちゃん。
軋識さんは・・・まぁ、ちょっとかわいそうな感じで幕!でしたが。
それにしてもよくこれだけのキャラ作るなぁ。
武器の当て字もすごいし、そういうのこつこつ考えるだけでも大変そう・・・でも、楽しそう!
愚神礼賛でシームレスバイアスですよ?「誰か」が前作だということに途中から気づきました。
「ぼんくら」といい本書といい、人が良いだけで個性薄そうな主人公だと名前を覚えられなくて困ります。
その分、脇役の個性が引き立っていた。
問題児の元アルバイトや、ゴンちゃんやジャーナリスト秋山、アルバイトさんは無理だけど、他の2名は
次シリーズがあればレギュラー決定ですね。
物的な連続毒殺事件と、心理的な元アルバイトの問題行動という毒の、2種の毒(他にもシックハウスの毒も?)が軸。
メインは毒殺事件のほうっぽかったけど、怖かったのは問題行動の方だった。
ああいう人は親や環境のせいじゃなくて、突然変異ですよね。。。パスカルと鉄道模型とガーデニングの日々。
うらやましいです。が、仕事も実にコンスタントにこなしていてもうお金の心配もないでしょうに、この働き方はやはり根が勤勉な人なのか?と思ったり。
バランスなのかな?
好きなことばかりしていると、その好きなことの大事さがわからなくなりそうだもの。・・・って、ちがうかな?(^^;
┃Index┃