IndexBook Top著者別履歴


オモシロイ!マークはあくまで私の好みです。


2003年[1][2][3]


西尾維新「きみとぼくの壊れた世界」

様刻(サマトキ)と夜月(ヨルツキ)の兄妹とその友人、箱彦とりりす。彼らの世界は学園内で起こった密室殺人事件によって決定的にひびわれていく…。『メフィスト』掲載の体験版に解決編を加えた完全版。

テーマは妹萌え?様刻の視点で進行が語られているので、ウッカリ納得してしまいますが(しない?)、かなり変なことになってます。人間関係というか……夜月とのあやうい関係とか。様刻が壊れてるので、いろんなことが微妙にゆがんでいます。でもその座りの悪さがまた気持ち悪くておもしろい。ただ、この妹には魅力を感じなかった。やはり病院坂黒猫(すごい名前!)のほうが……。


図子慧「お見合いストリート・ファイターズ 」

光井いつみ、26歳。そろそろ人生をきめますか──なんてことまで思った見合いの相手が実は身代りのニセモノだったなんて……。ちょっとせつないミステリー。

タイトルがなんともトホホなノリですが、内容は案外(失礼)充実しています。
図子慧さんはコバルト出身の作家さんですが、ちょっと毛色が変わった人だなぁと思っていたら、やはり活動の場が広がっていました。もともとヒロインが少女小説の主人公らしくないところが良かった。めそめそうじうじした部分が無く、ドライでちょっと勝ち気。主人公が恋に落ちる男性もちょっとクセがあって、ステキ。


目黒考二「笹塚日記」

肉豆腐定食かワンタンめんか。コレステロールも気になる出前人生楽じゃない。毎日の出来事を綴った、目黒考二のお気楽エッセイ。『本の雑誌』に掲載作。

↑このとおりの内容。会社に寝泊まりし仕事をこなし、朝になるとドトールでコーヒーを飲み、会社にもどって仕事をかたづけ、出前の夜食を食べ、本を読み眠る、というような。
そんな繰り返しなのに、読みでがあるのはなぜだろう?こういう生活にちょっとあこがれがあったりするのかもしれません。
なんだかんだ言って、生活の殆どが本に関する、というのはうらやましいかぎりです。


鷺沢萠「途方もない放課後」

「あなたと無為に過ごしたあの途方もない放課後が、現在の私を作ってしまいました」 いいことばかりじゃないけれど、ちょっと嬉しいこともある。なぜか勇気が湧いてくる、面白くて少しせつないエッセイ集。
みなぎるパワーを感じて、つい手に取ってしまったエッセイ集。

もともとこの著者のエッセイの勘所みたいなのが好きなのでサクサク読みました。
やはりおもしろいです。顔では平然とサバサバしつつも、水の下では必死で足を動かしている、そんなカンジがします。
「無人島に連れて行くなら人魚とサカナ女のどっちにする?」などの究極の選択モノの話とかひきこまれてしまいました。
コレつまり、上半身が人(←プラトニック)、下半身が人(←とりあえずエロ方面OK)と、どっちとるかってことなんですけど、それを男性にきいてまわるんですが、オチがいいです。


石田衣良「LAST」

運転資金に苦しむ街工場主が闇金の返済期日にとった行動とは?零細企業のサラリーマンが旧式のテレクラで垣間見た地獄とは?追い込まれた7人のそれぞれのラストを描く短編集。直木賞受賞第一作。
「ラストライド」「ラストジョブ」「ラストコール」「ラストホーム」「ラストドロー」「ラストシュート」「ラストバトル」の7編収録。

読んで思ったのは街金はコワイということ。「ラストライド」は特に後味が悪かったです。「ラストライド」に限らず、最後ってのはシンドイものんなんだ、とションボリしてしまいました。
読後あちこちの感情は動かされますが、もうすこし救いのある内容にはならなかったものか、と甘ちゃんな私は思ったりするわけです。


森博嗣「ZOKU」

壮大なる悪戯の組織「ZOKU」と、彼らの企みを阻止しようとする「TAI」。いったい何者?何のために?まったく新しいコミック・ノベル。巻末にはZOKU、TAIの専用機空想図を掲載。

この本を読んでいて思い出したのが、「タイムボカンシリーズ 」です。……なんとなく敵キャラのボケっぷりとか。
永良野乃と揖斐純弥の関係はS&Mシリーズを彷彿とさせますし。
結局のところ、「コミック・ノベル」という冠(?)通りドタバタと楽しく読める本。
カバーから受けるイメージよりさらにコミックよりの内容。
会話のテンポが良くて、この著者の年代から言ったら、すごい若い。(←失礼)。
巻末に乗り物の設計図(?)がありましたが、キャラのイラストも掲載して欲しかったです。


よしもとばなな「ハゴロモ」

失恋の痛みと都会の疲れを癒すべく、故郷に舞い戻ったほたる。雪につつまれ、川の流れるその町で、これまでに失ったもの、忘れていた大切なものを彼女はとりもどせるのだろうか−。静かな回復の物語。

あいかわらず小さな不思議なエピソードがちりばめられて、そして癒されます。
バス停のおばあちゃんのお話は特に秀逸でした。
ただ、主人公がいきなりスピリチュアルな話し方になるのが……違和感ありました。
主人公のほたるの体を借りてばいきなりななさんが話し出した!みたいな瞬間があって、しかもその話を瞬時にうけとめ応えるラーメン屋とか、今まではばななさんの小説を読んでそんな風に感じたことなかったのに。
ほたるをリアルに感じていたので、ことさらそう思ったのかも?
あと、作中に出てくる「ミックス」というラーメンが気になります。
多分塩ラーメンと味噌ラーメンの「ミックス」だと思いますが、いつかチャレンジしたいです。


森博嗣「四季 夏」オモシロイ!

米国から帰国した真賀田四季は13歳。すでに、人類の中で最も神に近い、真の天才として世に知られていた。叔父と行った遊園地で四季は何者かに誘拐される…。「すべてがFになる」で触れられなかった真相が今、明らかになる。

天才ってどういう思考をしているのだろう?と思いますがこの本を読むとナルホドこうなのかもと思います。
それがあってるかどうかは別として、説得力はあります。
でも、今回の四季ちゃん(←わざとちゃんづけしてみたり)は思春期なせいか、ややその天才っぷりが濁っているような?
着目する点は、やはりVシリーズ、S&Mシリーズとのつながりです。
「へっくん」の苗字も明らかになりますし。へっくん中学生だし!
あと、各務さんを見直しました。Vシリーズではなんにも感じなかったのですが。というより嫌いなタイプだったのですが。


浦賀和宏「透明人間」オモシロイ!

自宅地下に隠されていた広大な研究所。亡き父の研究とは?透明人間の仕業としか思えない連続殺人に飯島とその彼女が巻き込まれていく。天才「名探偵」安藤直樹の推理が冴える。

女性の一人称で語られていて、読みやすいです。
後半である程度の謎解きを安藤くんが披露しますが、そのままで終わらないのが浦賀小説。
ラストでまたちょっとしたビックリが。
このへんがすごくうまくて、読後感が良かったです。


東野圭吾「殺人の門」

どうしても殺したい男がいる。その男のせいで、私の人生はいつも狂わされてきた−。人間の心の闇に潜む殺人願望を克明に描く、衝撃の問題作。

えーと、読んでいて田島(主人公)にイライラしてました。「また騙されるてるよ!この人ー!」って。
一人称なので主人公の味方をしたいけど、いいかげん愛想が尽きます。(そういう人多いと思います)
最後まで読んで、結局これは倉持という男を語ったストーリィでは?と思うほど。
というか、倉持という男を描くために逆に田島を主人公にして語らせたのでは?
この著者ならやりかねない手法です。
「トキオ」の時同様、その時代の雰囲気がすごく伝わります。
この辺も最近の東野さんのこだわりなのだろうか?


銀色夏生「家ができました」

倉知淳「猫丸先輩の推測」

浦賀和宏「こわれもの」

川上弘美(イラスト:山口マオ)「椰子・椰子 」

鷺沢萠「私の話」

梨木香歩「春になったら苺を摘みに」

梨木香歩「裏庭」

舞城王太郎「山ん中の獅見朋成雄」オモシロイ!

殊能将之「鏡の中は日曜日」

時雨沢恵一「キノの旅 2」

光原百合「十八の夏」

光原百合「遠い約束」

吉野朔美「プレゼントをあげる 」

浦賀和宏「ファントムの夜明け」

恩田陸「まひるの月を追いかけて」

光原百合「時計を忘れて森へいこう」オモシロイ!

赤川次郎「茜色のプロムナード」

時雨沢恵一「キノの旅」

早見裕司「心象世界の幸せな景色」

近藤史恵「シェルター」

川上弘美「光ってみえるもの、あれは 」オモシロイ!

森博嗣「四季 春」

J.K.ローリング「ハリーポッターとアズカバンの囚人」オモシロイ!

京極夏彦「陰摩羅鬼の瑕」オモシロイ!

小野不由美「くらのかみ」

梨木香歩「西の魔女が死んだ」オモシロイ!

東野圭吾「おれは非情勤」

佐藤愛子「だからこうなるの」

伊坂幸太郎「陽気なギャングが地球を回す」

乙一「ZOO」オモシロイ!

近藤史恵「若葉の頃は終わった」

恩田陸「蛇行する川のほとり・3」

群ようこ「おかめな二人」

西尾維新「ヒトクイマジカル」

久美沙織「人生思い通りにコトを運ぶ法」


2003 [1][2][3]

Index