珈琲は嗜好品。たばこも嗜好品。でも誰もがその両者とも好きとは限らない。醤油ラーメンは好きだが味噌ラーメンは嫌いという人がいたとしよう。醤油ラーメンを頼んだのに、隣の人の味噌味のスープが醤油スープに混ざっていたらどう思うだろうか。
珈琲もたばこも、香りが周囲に漂うことに共通点がある。しかし珈琲屋に入って珈琲の香りが嫌いだと文句は言えまいが、たばこの匂いが嫌だと文句を言ってもいいだろう。少なくとも、たばこの無粋な匂いが珈琲に混ざらないようにする店の配慮があってもいいのではないか。
ところが、往々にして喫茶店のテーブルは小さい。隣の人が吸っているたばこの煙が漂ってくることおびただしい。吸っているならまだいい。吸わずに火をつけたまま灰皿に置きっぱなしにするのはどういう了見だろうか。しかも、自分の同伴客には気を使って煙を吐くとき横を向いたりする。そこには他の客がいるのだけど。食事をしながら、お酒を飲みながら、パチンコをしながらたばこを吸うのが好きだという気持ちも分かる。だからお店の方に、禁煙席を喫煙席をきちんとわける配慮が欲しいと思う。
スターバックスは全店禁煙である。テラス席ではたばこもよいが、屋内はいっさいだめ。嫌煙家にはありがたい。タリーズコーヒーは喫煙席と禁煙席をきっちり分けた店の作りを考えている。ドトールは、フロア毎に分けている場合もあるが、1フロアの場合は形式上分けただけという場合が多い。店全体が煙で霞んでいるのだから禁煙席に座っても意味がない。空気清浄機の強力なやつを設置してくれればいいのだけど。