記事提供:山口 博氏 |
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6_6 設計、開発
食品における設計、開発活動とは、主に新規販売商品の開発活動を指します。ここでは、前段の顧客関連のプロセスから得た顧客からの直接的な要望で企画立案する製品やサービス活動も含みます。 場合によっては製品以外の場合もあります。 設計開発の際には、食品として法的要求事項や食品の危害分析やHACCPプランを前提に含める必要があります。全体の流れとしては開発商品のインプット事項を冒頭に明確に計画し、市場に出す前にレビューを実施し、妥当性評価を行うようになります。
6_6_1 設計、開発の計画 設計開発に際し、計画全体のプラン、商品コンセプト、レビューの各段階をどのように進めるかなど定めて行きます。 6_6_2 設計・開発へのインプット 食品の企画開発においては、まず、基本的要求品質を満たすため法的ニーズ、顧客ニーズを含む品質基本要素を設計開発段階においてインプット事項とし明確に定める必要があります。 こうしたことを曖昧に進めてしまうと、後々量産販売後、個々の改善要求が発生した場合、修正しにくい場面も往々にして生じます。必要なことは最初の段階で明確にし、それらを一つ一つクリアしていくように定める必要があります。
6_6_3 設計・開発からのアウトプット 設計、開発の内容が具現化する中でインプット事項を検証するためにどのような手段、方法が有効なのかを明確にする必要があります。 a.適合性基準に関するデータ及び記録(試作製品の分析検査表、保存データ、衛生評価記録)
6_6_4 設計・開発のレビュー 設計、開発のレビューでは、開発商品が計画した通りの仕様となっているか、或いはその段階でどんな課題があるのかを明確にします。 可能であれば実際に大量ロットで日々生産してレビューを行うことも必要です。 レビューではインプットに計画した内容の各要求事項が客観的に判断できるようにします。 6_6_5 設計、開発の検証 開発、設計された製品について最終段階で社内におけるすべてのインプット事項について適切に満たされているか、課題事項はクリアされているかなどの検証を行ようにします。 食品の場合は、個々の内容について客観的なデータをもとに検証する方法が主になります。 傾向として、味や外観性などの問題や価格のみが議論されがちになり、中身の問題についてはよく検証されないまま市場に出回ることが多くあります。 そのようなことが無いよう、製品としての検証ができるようにする必要があります。 a.品質検査結果、HACCP計画や工程フローの説明。 6_6_6 設計、開発の妥当性確認 食品の設計開発品について妥当性検証評価とあわせ、実施可能な場合、市場販売前の適切な段階で実際に量産ラインに乗せ、製品を試作し、それを販売し、顧客や消費者の評価を記録してみることも必要です。 味についてはどうか、或いは量産製品についての保存試験を再確認してみる。 そういう評価を行うことも必要になります。
6_6_7 設計の変更管理 企画開発の妥当性確認を得て、生産販売を行っている製品についてその仕様上或いは規格に変更の必要が生じた場合、変更内容を確認しあえる方法を明確にします。
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