通産省、新「環境ラベル」づくりの検討始める

 通産省は、製品ごとに表示する「環境ラベル」をつくることになった。温暖化対策やリサイクル促進のために、どの製品がより環境にやさしいか消費者に具体的にわかるように、製品のリサイクル方法や製造・使用に用いられるエネルギー量などをラベルにする。この「環境ラベル」の検討会を16日に発足させる。製品が環境に与える影響を製造者が自主的に数量化して情報提供する仕組みを作るのが目的だ、通産省は、年内にいくつかの家電製品に「環境ラベル」をつけさせたいようだ。 この「環境ラベル」は、家電や自動車だけでなく、鉄やプラスチックなどの中間製品も対象にするとのこと。

 環境庁の外郭団体が有料で認定する「エコマーク」は、1989年の開始以来、2213種類の商品につくようになった。「商品を実際に選ぶときに、エネルギー消費量やリサイクル方法が一目瞭然になるラベルが必要」としている。

 国際標準化機構(ISO)が定める環境管理・監査の国際規格ISO14001シリーズには、製品に環境管理を実施していることを表示するエコラベルの規格ISO14020がある。このうち製品の環境負荷を具体的に表示する国際規格づくりはまだ検討段階にあるため、通産省は、日本が諸外国より先に製品の環境負荷の情報を実施することで、ISO規格づくりに積極的に関与していきたいという狙いもある。

 以上は、朝日新聞(3月4日)の記事の要約だ。それにしても日本の政府機関がこんなにISO規格に積極邸になるのは、過去あまりにも協力的でなかったことへの反省と罪滅ぼしなのだろうか。どちらであったとしても、結構なことではある。しかし、これが中小企業「いじめ」にならないように、中小企業に配慮することも望まれる。たとえば、認証取得のための費用を全額経費とする現行税法だけでなく、取得企業には企業所得税の税率を下げるなどのインセンチィブを考慮すべきである。

 さて、今朝の日経新聞には、ISO14000関連の短いニュースが二つあった。ついでにではないが、記録という意味で転載する。

 「ソニーの物流子会社であるソニーロジスチックはこのほど、企業の環境管理の国際規格である『ISO14001』の認証を取得した。認証対象は西日本営業本部の6事業所。日本の物流関連会社がISO14001の認証を取得したのは初めて。」

 「環境、品質規格の認証機関である日本環境認証機構は3日、2月の登録状況を発表した。ISO14001は23件の新規登録があり、累計で332件に達した。またISO9000は新規2件、累計12件となった。」 <戻る>

ISO9000に準拠した「医療用具」向けJISを制定した

 日経新聞の報道。「通産、厚生両省はレーザーメスやペースメーカーなどの医療用具を設計・製造する際の品質管理に関する日本工業規格(JIS)を制定した。品質管理の国際規格「ISO9000シリーズ」に準拠しており、人の安全や健康を損なわないような製品づくりの指針を盛り込んだ。医療用具メーカーは中小企業が多く、国際標準に基ずく品質管理手法の導入が遅れているため、新たなJISで品質管理の徹底を促す。対象は医師が手術などに使う医療用具のほか、体内に埋め込んで使用する機器など。」

 短い記事だが、内容には注目すべき事が二三ある。JIS規格がISO規格に準拠したことは、これからのJIS改訂はISO規格を重視することと考えられる。ならば、現在のJIS認定工場は、ISO9000認証取得が前提となるからだ。二重のシステムを取り入れることは、無意味になる。もともとJIS認定が形骸化しているのだから、当然と言えばそれまでかもしれない。

 この新規に制定された規格をみなければ分からないが、検査機器の管理、品質記録の保管、検査結果の記録などが強化されているに違いない。でなければ、ISO規格に準拠したことにならない。医療用具は、時間が経過したあとに問題が表面化する傾向がある。PL法とのからみもあるに違いない。製造者責任を問われる時代には、ISO9000のシステムは有効に働くことは事実である。<戻る>

ISO9002認証取得中小企業のテレビ放送に思うこと

   数日まえに、ISO9002認証を取得した関東地区のある中小製造企業の内容がテレビ放送されていた。もうほとんど忘れてしまったが、興味深い点だけをメモしたい。この企業は、コンサルタントを使わずに品質システムを構築したと品質管理責任者が説明していた。それだけでも立派なのに、彼は、「独自のシステムを作り上げないと、日々改善されることを品質システムに取り込めないからだ。苦しかったが、それを選択した。いま感じているのは、それが最も正しい選択だったと思う」と語っていた。結果として、「取得に必要だった費用は、約200万円でしかなかった」と報道記者の質問に答えていた。これは経費節減のためではなく、結果的にそうなっただけであろう。このコメントは、これから取得を目指す企業の経営者は慎重に考えるべき点であると言いたい。

 さらに興味深かったのは、品質システムの文書はすべてLANの上で誰でもいつでも更新されたシステムを参照できるようになっていたことだ。情報技術とパソコンの発達した現代では、誰でも考えつく当然の決着ではあるが。しかし、それとて出来ない企業が多くあることも事実である。そこで、このページは、どのようにデータベースを利用できるかに答えてゆくつもりである。第一段は、今日発信した。今は、メインメニューの画面だけだが、考えるための参考資料にはなると自負している。たったこれだけでも、何か変革できるのではと希望を持たれる方がいればと期待している。

 もう今は、小規模企業と言えども、情報技術を活用しなくては企業の将来はないと危機感を持たねばならないと強く指摘しておきたい。人手に頼るやり方では、限界がある。効率的だとか合理性とかの話ではない。働く人の価値観が変わってきているのだ。誰ても、つまらないことをして一日が済んでしまったと気づくときがかならずあるはず。そんな気持ちになった人が本当に会社のために働いてくれるのだろうか。答えは、言わずもがなであろう。ここが、大きく昔と違うことだと気づいて欲しい。ISO9000は、このような難問には何も対処できない。しかし、経営者がそんなことを考えるきっかけだけは作ってくれる。これは、異文化の考え方だからそうなのではなく、それを考えないと経営者が企業運営をやっていけなかった国で生まれマネージメント・システムだからである。外国映画を見ているならば、分かるはず。突然、社員は止めるということはいつものことで、経営者にはそれほど大きな衝撃ではない。そんなのは日常の出来事の一つである国もある。大企業とて例外ではなく、目の前で「会社を止める」と言って出で行った台湾人をアメリカで経験したことがある。考えるに、そもそも今までの日本で行われていたことが例外的なことだっただけである。国が滅びるとは決して思わないが、変えるには苦痛が伴うだろう。未経験の事象が現実となっているからだ。

 ここまでを3月29日に発信した。今朝(3月31日)の日経新聞に東京経済大学教授、今村仁司氏が「意味への欲望、原動力に」と題した論文を発表していた。その中に、上で述べたと同じ人間行動の動機付けに関する部分があったので、転載したい。

 「人間は食わせるだけでなく、食うことの『意味』まで考えないと生きている気がしない宿命を持っている。経済学はこの問いを無視してもかまわないが、経済哲学はこれをこそ考える。
 たとえば労働は生ける体を持つという人間の宿命から人間にとって不可避の行動であるが、どういうわけか人間は労働し、その産物を食って生きるだけでは満足しない。人間は労働して食いながら、同時に食うことと労働の意味を無理にでも見つけ、その意味を実感しないとすまない。意味は何であってもかまわないが、その意味を実感するときにはじめて、人間は労働に精出す意欲をわき上がらせる。

 労働を中心とする経済にもまた意味が求められる。意味はつねに歴史的に変動するから、意味の設定を絶えず変更しなくてはならない。それもこれも意味への激烈な要求があるからだ。」(以下省略)

 わたしは「働く人の価値観が変わっている」ことを指摘した。同じ事を「食うことの意味」が人間の労働への動機付けとした今村教授の意見には同感である。また、意味が時代とともに変動するともの指摘もいま日本で生じている現象であるから、実感できる。価値ある意見である。

横浜銀行、「ISO9002」を狙う

 横浜銀行はテレホンバンキング業務で、年内にも品質保証に関する国際規格である「ISO9002」の取得に乗り出す。日本版ビックバン(金融大改革)の進展で個人顧客獲得競争が激化するなか、横浜銀行はリテール重視の姿勢を打ち出しており、テレホンバンキング業務強化はその一環。邦銀が国内の銀行業務に乗り出すのははじめていう。

 認証を取得するテレホンバンキング業務は契約者が電話で振り込みや定期預金の作成などができる「テレホンバンキング」のほか、電話で年金や個人ローンの相談を受け付ける「年金デスク」「ローンデスク」もある。
 3月末の契約顧客数は約3000件だが、今後も増加していくとみられる。
 テレホンバンキングは窓口業務と比べ電話一本でのやりとりとなるため、プライバシーの面などで不安感を感じる顧客もいる。横浜銀行では国際規格を取得することで、サービス水準を一定に保ち顧客に安心感を与えたいとしている。  認証取得にあたって、業務マニュアルの整備や研修の体系を進める。これによって業務の効率化にもつなげるいう。
 また、ISO認証取得コンサルタント業務を手がけている関係会社の浜銀総合研究所ともコンサルタント契約を結びノウハウを取得する。現在は個人部内にプロジェクトチームを設置したいる。

 日経新聞の記事であるが、やっと気がついたのかと思った。このページで邦銀のサービスがいかに悪いかを取りあげた。また、消費者(顧客)中心を考えたサービスが欠落している。日本のサービス・レベルは、世界のそれと比べ劣悪であることも指摘した。工業経済社会からサービス経済社会に変化している時代にはいり、いっそうサービスの質が問われる。悪ければもう消費者からそっぽを向かれることははっきりしている。サービス業は、これからサービスの質で淘汰されることは確かである。顧客にまっすぐ顔を向けて、顧客の望んでいることは何かを社員全員が真剣に考える時代である。

あさひ銀総研、ISO90002を取得

 「あさひ銀総合研究所はコンサルティング業務でサービスの品質を保証する国際的な規格である「ISO9002」を取得した。国際規格の取得で顧客からの信任を高め、中小企業向けのコンサルティング業務を拡充する。ビッグバンであさひ銀行の重要な収益源となる中小企業向け取引をグループ会社として側面支援する。」

 なるほど、ついに「ISO9000」認証が、商品の付加価値を高めるおまけにまでなりましたか。これで世の中すこしはましになるのかもしれない。「ISO9000」が、日本の世直しに使われるならまだ見込みがある。でなければ、陰の薄い国となるしか思えない。監査員やコンサルタントの方々の中から、将来、大臣でも出るかもね。

中小企業ISO、共同で安く取得

 5月7日付け日経新聞の記事を転載するが、退職者でコンサルタントになりたい方は、考えられたらいいこともある。

 「中小企業の間で品質保証や環境管理の国際標準規格(ISO)を工夫して安く取得しようという動きが出てきた。ISO取得は専門のコンサルタントから講習を受けるなど手順が複雑で費用がかさむが、集団で取り組めば一社あたりの費用負担を低く抑えられる。こうした動きが広まれば、ISOに関心があっても費用面などで不安あがある中小企業も気楽に取得に挑めるようになりそうだ。

 「ネームプレート」と呼ぶ表示サインの製造メーカーで構成する東京メームプレート工業組合加盟の93社は、品質管理の国際規格、ISO 9001の取得に集団で乗り出す。取得の第一段階となる品質管理マニュアルの作製講習を各社が一緒に受講する。一般に約一千五百万円かかる講習費も、一社当たりの負担額は従来の五分の一ー十分の一で済むという。

 ISO関連のコンサルティングを手がける東琳商事(東京、首藤成昭社長、03-3835-3611)は、品質管理が専門だった企業退職者約十名を専属スタッフとして確保。派遣費用が割安なシルバー人材を活用してコンサルサービスを提供する。

 また、中小企業事業団も今年度、中小企業5社を選んで環境管理の国際規格、ISO 14001をまとめて取得させる。審査書類作りの指導を無料で受けさせ、年末までに環境影響評価や行動計画書が作製できるように後押しする。「グループで安く簡単に取得できる仕組みを作る」(情報技術部企画調査課)のが狙い。雇用促進事業団もISO9000シリーズの監査員養成事業を始め、中小企業が取得しやすくする仕組み作りに乗り出している。」

 中小企業向けの品質システム作りに関しては、ほとんど資料がないのが現状である。だから、監査員養成を含め雇用促進事業団の動きは、大いに歓迎される。ぜひ、早期に事業を開始されたい。それにしても、認証取得にかかる費用が、一社当たり約一千五百万円にもなるのだろうか。やはりコンサルタント費用が高額になっているようだ。いま日本の中小企業は、非常に困難な事態に直面しているのだから、税制上の優遇策ぐらいは、考えられないのだろうか。

製造業にグローバルスタンダードはあるか

5月12日付け日経新聞で、オリンパス光学の一面広告が出され、そこで唐津 一氏とオリンパス会長の山下 敏郎氏が「製造業にグローバルスタンダードはあるか」と題した対談形式の論議がされていた。その中で「ISO9000」規格が大きく取りあげられれている。両氏の論調をそれぞれに分けて転載する。

唐津氏「グローバルスタンダードとは何か。技術的に圧倒的に強いというだけではない。いま「ISO9000」の認証取得が問題になっていますが、あれは品質の保証には必ずしも役に立たない。ただ形式を整えるだけです。形式とは道具です。道具がいくらそろっても使い方がまずければ、ろくなものはできないのです。
 申し上げたいのは、経済が国際化した中で、日本はどうやって生き抜くかということで、それには世界のスタンダードになるものを造ることです。デファクトスタンダードは実力でスタンダードになったものですが、もう一つISOのような国際規格で決められたものと2種類あり、両方考えなければならない。その点、日本の役所はいつもおくればせで平成8年7月にようやく通産省に標準担当審議官が設けられたところですから、困ります。いずれにしろ日本の企業はスタンダードとはどういう意味を持っているか、正しく理解する必要があると思います。(途中略)

 実は「ISO9000」は英国を中心に10年、20年携わっている人々が集まって決めた、いわば仲間内のスタンダードです。しかし、今度改訂されるので、いま工業技術院が中心になって巻き返しの案を作っているところです。(途中略)

 米国は何をやるにも日本の部品や材料、生産設備がないとできないのです。自動車のボディは全部日本製の金型です。ジャガーやベンツも日本製の金型を使っている。米国では赤字が出ると社長の地位が危ないので、ROE(株主資本利益率)を重視して、赤字の出る半導体のシリコンの製造をやめてしまった。日本でROEで経営をやったら、会社をつぶしますよ。日本の特徴は長期的な見通しにたった経営なのです。」

 1987年版「ISO9000」規格の制定には、日本を代表する専門家も送りもせず、「日本にはTQCがあるから、ISOなどいらない」と言っていた主犯格の唐津さんのいいわけは、「仲間内のスタンダード」ですか。これは責任回避の典型で、山一証券の社長が、涙を流して誤ったのと次元は同じである。せいぜいその程度しか言えないから、日本型経営と経営者の責任の取り方が馬鹿にされるのだと気が付かないのだろうか。「巻き返し案」の作製をしているのは、先刻承知である。この表現は、まるで右翼の「ソ連反対」と同じ感覚である。まだまだ、日本を外から見たらどうかを言えないほど日本中心主義の考えだ。では、日産自動車がベンツと提携することをどのように説明するのだろうか。まさか「日本人の恥だ」と言うのではないでしょうね。

 ROEは、経営内容を判断するほんの一つの指標であって、国際企業が、これだけで経営分析などやってはいない。たとえば、世界のどこで戦争が起こる可能性があるか、政治上の安定性をどう評価するか、企業買収には土地の汚染状況を50年前まで遡って危機管理上の評価を行うなどが実際に行われていることなど一切しらない「バブルで浮かれた日本人ぼけ」である。日本企業の長期的経営は、ある日突然倒産させたり、リストラしたり、年金受け取り額を下げるとかをすることですか。大きな米国企業は、リストラをするときには、他部門への移動をまず最初に提示し、新しい仕事が本人の希望にあわないと、他社への推薦状まで用意することをご存じですか。しかも、ペンション(企業年金に近いが、悠々と暮らせるだけの額になる。日本企業は、退職金だけ、それもなんと2千万円程度しかない。)は、日本と比べようがないほど恵まれている。日本企業の利益率など低くて、社員をここまで面倒をみることなどできないことをご存じですか。最後に、唐津さんへの質問。「いまの米国の経済復活は、日本が支えているということですか?」。世界中から材料や部品はもちろん、人材を含め技術そのものも調達するのは、いまや世界の常識である。まして、企業の競争力は、国境を越えた提携・合併などの高度な経営戦略がなければ強化できない時代が、今来ている自覚すらないの発言としか思えない。まったく現実を無視した意見であることをこんな方が言うとは、ただむなしさが残るだけだ。「日本の技術が無ければ、米国はなにもできない」のだそうですから、答えが知りたい。では、オリンパス会長の談話を転載する。

 「私は製造業にグローバルスタンダードはないと思っています。メーカーにとって米国の圧力以上に厳しいのは、市場における競争です。商品の質が悪ければ市場から駆逐される。人工的な国際標準よりはるかに厳しい標準が市場にはあるのです。
 デジューレスタンダードの「ISO 14000」は地球環境という人類の未来がかかっていますから全力をあげて取り組むべきと思っています。しかし、「ISO9000」についてはまったく納得できません。(途中略)

 金融システムにはBIS規制のような共通のルール、暗黙のルールがあり、これを無視すると日本から資金が逃げていくし、日本の金融システムもおかしくなる。一方製造では、ネジやフイルムの感度などはISOとしてやれば造る側も消費する側も便利です。問題は、モノづくりの工程管理の手法であり、もともと建設業やエンジニアリングのためにつくられた「ISO9000」は、コンセプトからして違うということで、これはリールではないのです。カネを使って工場を監視し、マニュアル化が進んでいるかどうかをチェックして認定書を出すというのは一種の強制的なもので、ルールではない。だから反対しているのです。しかも思想がおかしい。私どもの工場にはマシニングセンターがあり、大きな自動機が3台ほど連なって、顕微鏡の鏡体を自動的に削ったりするのですが、こうした大きな設備投資をすれば、3直フル稼働しないと償却できない。しかし、彼らは検査に来て、プログラムを組んだら、カギは工場長か係長がもっていなければならないという。ワーカーが壊したり山猫ストをやるからだ、という発想なのです。それでは、夜中に故障したらだれが直すのか。当然、ワーカーが直さなければならないわけです。このようにすべてにおいて発想に違いがある。だから、私は「文明の衝突だ」と言っているわけです。

 もうこうなると、なにをかいわんやだ。マシニングセンターなどは、世界中で使われていて、「ISO9000」認証取得している会社は必ずある。そこでは、この審査員のいうとうりカギを工場長や係長に預けていると信じたのだろうか。大体、そんな工場にカギを使ってセキュリティを確保しているのだろうか。本当なら、その方がよほどの馬鹿者しか思えない。それを「文化の衝突だ」というなら、早くやめればよい。ほかの人は、そんな馬鹿げたことをしないからだ。

 「ワーカーが壊したり山猫ストをやる」というのは、30年以上前のことで、いまやそんな労働者を使って、世界の一流企業が事業をやっているところはどこにもない。それぐらいのことを知らないのかとつくずく情けなくなってしまう。海外出張もあるのだろうから、本人で確かめたらいいではないか。そう信じるのは勝手だが、その下で働いている社員に、きっと同じように情けなくなることを言って困らせているだろう。可哀想に。

 信じたくないが、もしこんなことを言う監査員がいるならば、ゆゆしきことである。規格のどこから、そんな「カギは工場長に」の発想が出てきたのだろうか。確かに、規格では多くの要求項目に「確保」(assurance)の言葉が出てくるが、こんなことを言っているのではない。まさに、「重箱の隅をほじくる」監査員である。信じる方もほうだが、監査員の質は大きな問題だ。少なくとも、オリンパスに監査員を送った監査機関は、直ちに、監査員の資格剥奪を含む是正処置を講じるべきである。このようなことが、経営者自信によって紙面を通じて報道されたのであるからだ。ISO10011規格に沿って、監査機関は、監査員の能力を見直す義務が課せられていることを認識すべきである。さもなくば、多くの日本企業で行われている認証取得活動を阻害することになると警告したい。


|目次|