川崎市のISO規格認証取得支援制度
11月8日付け朝日新聞の湘南版で、川崎市のISO規格認証取得支援制度を報道した。他県では報道されていないと思われるので、転記したい。
「製品輸出の前提条件となりつつある国際標準化機構(ISO)の認証取得を支援するため、川崎市は中小企業を対象にした新たな事業補助制度を立ち上げる。これまで県や県内他自治体のISOへの取り組みは、既存の融資制度活用を促すなどが主体になっており、一歩踏み込んだ格好になる。『ものつくりの町』として、地元産業の活性化により強く力をいれていく。
ISO9000シリーズは1987年に制定された品質管理と品質保証に関する包括的な規格。具体的な生産工程、マニュアルなどを文書で示し、将来的にその工程の水準を維持することを、第三者機関に認めてもらう手続きだ。欧州を中心とした各国の政府が導入を進めており、取引や入札参加の条件として認証取得を求められる場面が内外で増えつつある。ISO14000シリーズは生産活動の環境への影響について、企業の姿勢を問う内容の規格で、こちらは今後、本格的に普及していくものとみられている。
川崎市の新制度は、ISO9000シリーズと、ISO14000シリーズの認証取得を進める業者に対し、百万円を限度に、経費の二分の一までのを補助する。月内に制度を配付し、説明会を開催する予定だ。申し込みを審査委員会にはかり、交付を決める。
ISOをめぐる最近の動きでは、県商工部が十月半ばに、取得経費に対して既存の融資制度の積極的な活用を促すパンフレットを作成するなどしているが、新たな補助制度まで打ち出すのは、めずらしい。
新制度に対して川崎市経済局の林光昭・産業新興課長は『これからはISO規格がないと、どんどん輸出が難しくなる。直接海外取引のない中小企業でも、親企業がそうなれば事情は同様に厳しくなる。ものつくりの町として生き残っていくためにも、行政の支援を積極的に利用してほしい。』と話している。
神奈川県は、先月「能力開発スタッフバンク」という新しい制度を設立したのも、このような川崎市の動きを支援するためだったのかも知れない。なにはともあれ、川崎市の中小企業は、わたしのような人的資源を利用できることは確かだ。また、行政がこのような制度まで設立しなければならないことを考えると、ISO規格に関連した環境は、中小企業にとって相当厳しいことを再認識させられた。諦めないで、積極的に前進されることを願っている。
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通産部会の答申で国際標準化推進「官民で計画を」
いまさらの感が強いが、11月13日付けの朝日新聞の記事を転載する。
通産省の詰問機関「日本工業標準調査会・国際部会」はこのほど、モノや生産システムの国際規格づくりで日本は情報通信や環境・安全などに重点を置くべきだ、とする答申をまとめた。国際規格をつくる国際標準化機構(ISO、事務局・ジュネーブ)に、どの技術をいつ提案するか、といった「戦略」を通産省と各業界団体が検討し、業界ごとに「国際標準化推進計画」を策定するとともに、ISOの活動に日本企業が積極的に参加していくべきだ、と提言している。
今年度中に、各分野ごとに「国際標準化推進計画」を通産省と各業界団体が策定し、日本企業を国際規格としてISOに積極的に提案していく。
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