新生「長銀」の最高経営責任者に八城政基氏の就任に思うこと
今朝の朝日新聞や日経にトップで報道された新生「長銀」の
最高経営責任者として就任する八城政基氏は、元エッソ石油の社長で
定年で退職された後、シティバンク日本代表になられ、今のシティバンク
を日本に定着させた方です。京大、東大大学院を終えられ30代には
エッソ石油の重役に就任。その後社長となられました。
今朝、八城さんの下で活躍された元人事担当重役の方がわれわれ退職者にメール
発言された内容を転載します。
「かねてから話題になっていた長銀問題が、昨日正式に米リップル社
に譲渡されることと、八城さんがその新社長に就任されることが発
表になりました。
今日の日経にはその記者会見の模様が八城さんの写真とともに出て
います。何とも喜ばしいことです。
ただ、これからの難しさは想像にあまりあると思いますが、八城さ
んのことですから抜群の柔軟性と先見性、実行力、それに加えるに
あのお人柄で立派に処理されて行かれることと思います。
健康に留意され、更なるご活躍を皆さんとともに祈りたいと思います。」
エッソ在職時代、八城さんのプレゼンテーションを聞く機会が多くありました。
彼のプレゼンテーションのやり方を見ていて、社員のみならず顧客にも
意見や経営状況を説明することの重要性やその伝え方の大切さを学びました。
いかに優秀で深い内容であったとしても、プレゼンテーションの仕方次第で
その意図が伝えられるかどうかは決まる。もちろん八城さんのようには
できませんが、いま私がやる話のした方は八城さんの影響を受けていること
だけは確かです。
マネジメントレビューのやり方がよく話題になります。
日本企業のISO取得指導を通じて知ったことの一つは、マネジメントレビュー
のやり方が下手だと言うことです。もっと言うならば、会議そのものも効率的で
質の高いものにする必要性があります。データをうまく使う、たとえば内部監査の
結果報告でも単純に結果そのものだけを報告するのではなく、現在の工数と比較して
改善を加えればこれぐらい工数を低減でき、全社に適用すればこれほどの利益向上に
役立つまで言及することが理想です。よくあることは、マネジメントレビューをしても
「So what?」ということになる。そうならないように内容をよく吟味する必要があります。
ISO9000取得をしてもあまりメリットが見えないと言うことを聞きますが、
それはマネジメントレビューのやり方が不十分なことが原因である場合が多いのではと
推測しています。品質記録がどうだとか、手順書が悪いなども問題ではありますが、
やはり会社全体に関わるところにまで対象を広げることが必須となります。これを上手にやれば
「モノ」の質から「サービス」の質までカバーするシステム作りへと変換させられる
と思っています。ISO担当者の責任やその力量が問われる所以です。経理や財務、
経済計算、統計などにも精通する必要があります。