品質国際規格ISO9000の取得活動広がる
最近の新聞報道から思うに、取得活動は広い分野に浸透し始めている。農薬メーカーや引っ越し専業などである。また、ペルーの産業人育成に松下電器内に「企業内学院」を開設した。病院給食会社がISO 9001を取得した。以下に、これらの報道内容を転載した。
「農業専業メーカーの間で品質管理、環境管理などの国際規格であるISOシリーズの認証を取得する動きが広がってきた。海外メーカーからの製剤受託業務になってきたことに加え、環境に配慮した企業姿勢を打ち出す狙いがある。
認証取得で先行する北興化学工業は、すでに北海道工場、新潟工場、岡山工場で品質管理規格であるISO9000を取得。12月には新潟工場で環境管理規格のISO 14001を取得する計画だ。ISO14001シリーズの取得は国内の農薬工場では初めてとなる見込みで、他の二工場でも来年には取得する計画だ。
クミアイ化学工業は昨年の清水工場(静岡県)に続き8月に小牛田工場(宮崎県)、竜野工場(兵庫県)でISO9002を取得する。日本農薬も昨年取得した鹿島工場(茨城県)に次ぎ、福島工場、佐賀工場で今秋をめどにISO9002の認証を申請する。」
「引っ越し専業大手のアートコーポレーション(大阪府大東市)は千葉支店で、品質管理・品質保証の国際規格「ISO9002」の取得が内定した。同規格の取得は国内引っ越し業界では初めてとなる。」
「松下電器産業はペルーの産業人のため、ペルーの松下電器内に『企業内学院』をこのほど開設した。96年にペルーを訪問した橋本龍太郎首相の提案を受け、通産省の外郭団体、海外技術者研修協会(A0TS)と協力して実現した。
研修は『品質管理』と『環境管理』の2コースがある。それぞれ国際規格であるISO9000、ISO14001の各シリーズの取得を目指す。講師は現地の専門家で、40人の受講者のうち、松下の従業員は4分の一程度。順次コースを拡充していく。」
「三菱商事と仏給食会社のソデクスが出資する病院給食会社、ソデックスヘルスケア(東京都)は、品質保証の国際規格ISO 9001を取得した。認定範囲は、京都で大原記念病院(約2百床)や老人保健施設などを経営する医療法人行陵会の調理場。」
ここまで普及が進むと多くの人たちが何らの形でISO規格に関わることになります。世の中は不況で多くの失業者が出ていますが、コンサルタントがそのよい例で、この分野が急速に成長することは間違いないでしょう。まさに「サッチャーの失業対策」が日本にも貢献したと言える。この現象は、日本もサービス経済社会への移行が急速に進むことをも意味する。個人の能力が問われる新しい労働形態が起りつつあることも明白である。じっくりそれを外から眺めることにしたい。