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7.4 購買

7.4.1 購買管理

7.4.1.1 購買業務の管理

神戸化学株式会社が外部調達する購買品を以下に示す。また、調達先の選択と管理の責任は、各担当部門部長にある。 購買品の管理は、購買管理の手順に従って行われる。

 1. 原材料、部品、半製品、副資材など
 2. 冶工具、金型および設備などの設備類
 3. 外部に委託する製品およびサービス 、すなわち、製造外注、試験委託、
   設備メンテナンス、校正、設計外注、ソフトウエア外注、運送、委託倉庫、
   代行納入、人材派遣など

生産管理部は、上記の原材料、外注品、一般資材等の購買の手順を、購買業務管理手順に定め、管理・維持する。一方、購買品に対する仕様、ないしは必要事項は、各担当部門担当者により作成され、各担当部門部長が承認する。

7.4.1.2  購入品の調達先の評価と登録 

 各担当部門は、サービス、原材料など製品製造に必要な資材の調達先評価を下記の如く行う。

 1)ISO9000認証取得企業の場合には、評価を必要としない。
 2)新規調達先の評価
  購買業務管理手順に基づいて、「調達先評価表」を用いて評価を行う。評価方法
   は、下記の協力メーカーの評価基準に準じる。評価結果により、新規 調達先として
   決定された場合、評価結果、調達先名、原材料品名、受け入れ検査の有無、
   調達包装形態など必要事項を「調達先台帳」に登録する。
  なお「調達先評価表」は、品質記録として適切に維持する。
 3)従来からの調達先の評価
   品質に関する過去の納入実績などを勘案し、「調達先台帳」に登録する。
   なお、品質上の重大なる問題が生じた場合には、新規評価の手順にしたがって
   再評価する。

 生産管理部長は、外部に委託する製品およびサービス の新規供給者に関する評価・登録を以下の手順にしたがって実施する。

 1)購買業務管理手順に規定された「調達先評価表」を用いて品質保証体制、
  検査体制、工程作業管理などの項目に関してABC三段階評価を行う。
  調達先評価表に記載されている評価の定量化法にしたがって、総合得点を計算し、
  「評価点ランク」を決める。この評価ランクがB以上の協力メーカーを、
  「調達先台帳」に登録する。
 2)ただし、過去三年間、品質上の重大な問題を発生させていない協力メーカー、もしくは
  品質管理体制に関する文書を提出している協力メーカーに対しては、
  この評価を行わず、登録される。
 3)発注に際しては、この「調達先台帳」に登録されている協力メーカーの中から適切な
  協力メーカーを選択する。
  なお、作成された「調達先評価表」は、「調達先台帳」と共に品質記録として作成し、
  適切に保管する。

7.4.2 購買関連情報

 金型などの購買のための「注文書」、原材料の発注などの「発注伝票」、部品および外注品の「注文書」もしくは「日程表」を、各担当部署の責任者が作成する。「発注伝票」に製品の名称、数量、納期のみならず、必要な場合には、調達仕様(仕様書、図面など)が 明確に判断できる資料を添付する。「注文書」、「発注伝票」等は承認されたものが、調達先もしくは協力メーカーに送付される。

7.4.3 購買品の検証

  協力会社もしくは調達先の検査結果成績表をもって購買品の検証とすることを原則とする。したがって、必要と判断された場合を除き、受入れ検査等は実施しない。ただし、協力会社からの納入品の場合、出荷担当者により数量検査は実施される。検証が行われる場合には、購買品の検証に関する手法は、受入れ検査・試験の章で規定される。

神戸化学、または顧客が、協力メーカーの事業所内で製品の立会検査を行うことがある。この場合には、その旨、および出荷前検証方法・手段を「注文書」に明記する。

関連文書
    QMS-P-006  購買業務管理手順書
 

7.5 生産および業務

7.5.1 業務管理


7.5.1.1 生産計画の作成


 製造部は、上記の「各旬計画」又は「号機別生産計画表」に基づいて、当日の生産品目と数量を確定し、「生産段取表」を作成する。「生産段取表」には、使用する設備名と号数別の製造品名、品番、使用材料名などの必要事項が記入される。

7.5.1.2 作業伝票の作成

製造部は、「生産段取表」と共に、当日製造される製品の「作業伝票」を作成し、各製造作業者に対して当日の作業の指示を行う。「作業伝票」には、品番、品名、生産量など作業者が製造を開始できる情報が記入されている。

7.5.1.3 成形加工の工程管理

 段取り作業者および製造作業者は以下の工程作業並びに工程の管理を行う。
 
 1)段取り作業者は、所定の品質の確認のために設備運転条件の設定を行い、 立ち上げ運転を行う。
  初品チェック作業者もしくは品質保証室担当者は、立ち上げ運転による
  「初物」の品質チェックを行う。又、寸法管理を必要とする製品は、
  X-Rs管理図を作成し、合否を判定する。合格の場合には、製品の製造が開始される。
  不合格の場合は、設備運転条件を再設定する。
  なお、確認結果は「初物チェックシート」に記録される。
 2)製造作業者は、工程内検査を「工程管理規定」にしたがって検査した結果を
  「成形工程チェックシート」と「作業伝票」に記入する。
  なお不適合品が連続して発生した場合には、その内容、数量、発生原因などを
  速やかに上司もしくは品質保証室に、報告する。
  不適合品は、「製品識別管理規定」にしたがって、良品から隔離される。

7.5.1.4 二次加工の工程管理

製造担当グループ長は、「作業指示書」を作成し、作業者に品名、作業内容、数量などを指示する。作業者は、「作業伝票」に品名、図番、作業者名、不良数、不良内容などを記録する。詳細は、「工程管理規定」に記載されている。

7.5.1.5 製造設備と工程能力

 製造作業者は、工程能力を継続的に維持するために、「設備管理規定」に基づき、以下に記載されている設備維持の業務を行う。

 1)設備チェックシートによる日常点検および月次点検
 2)工程内検査に用いる検査機器の日常点検
 3)成形作業途中の設備点検

 関連文書
  QMS-006 工程管理規定
  QMS-P-004 金型設計手順書
  QMS-P-005  初品評価承認手順書
  

7.5.2  製品の識別

神戸化学は、製品識別手順書にしたがって、製品の識別管理を以下の手順で行う。なお、顧客が製品固有の識別を要求する場合にのみ個別識別を行う。

 1) 原材料は、メーカーによって定められた製造番号(材料名、ロット番号)により識別される。
 2)製品の識別には、顧客との間で合意・承認された製品図面に記載された品番(図番、
  部番等も含む)と共に品名が併用される。さらに、射出成形機による製品の製造履歴
  を確保するために、品番、品名、材料名、材料ロット番号、射出成形機の号機、
  および製造年月日が「P管」に記録される。
 3) 二次加工される場合には、射出成形の一次加工時に用いられた品番および品名とは異なる
  新たな品番および品名が用いられる場合もある。
 4)一次および二次加工の工程に於いて、製品は運搬用容器に入れられ、その容器には、
  製品の識別に用いられる品番、品名、製造ロット(年月日)、個数などが記載された
  「現品票」が貼付される。
 5)「現品票」は、製品が出荷されるまで、製品に貼付される。ただし、初品および
  変更品の場合には、「現品票」と共に「初物品」帳票が用いられる。この「初物品」には、
  品番、品名、初物内容などが記載される。また、顧客から要求される重要部品に対しては、
  製品に製造年月が表示される。

  関連文書
   QMS-P-012 製品識別手順書


7.5.3 顧客の所有物


 金型など顧客より支給を受けるに際する管理の責任は、営業本部長にあり、以下の管理が適切に行われるよう担当者に指示する。

 1) 顧客が支給する金型については、試打ちを行い製品の形状および外観と成形性を
  確認し、使用に適さない場合は、記録し顧客に報告する。
 2) 顧客が支給する金型以外の支給品については、受け入れ時に確認を行い、欠品、
  損傷、または使用に適さない場合は記録し顧客に報告する。
 3) 顧客が支給する支給品については、紛失、損傷、劣化、腐食等が発生しないように
  適切な手段で保管する。
  
  関連文書
   QMS-P-013 製品保管・出荷手順書
   
7.5.4 製品の保管

 神戸化学は、顧客の指定する納入場所に搬入するまで製品を管理する責任を有する。製品の保管並びに納入に関わる責任は、生産管理部物流グループにあり、以下の管理業務を行う。

1)材料、半製品、部品、製品の損傷または劣化を防止するため、取り扱いは注意して行う。運搬
時には適切な機具を用いる。
2)加工または出荷待ちの材料、半製品、製品は、その図番および製品名により識別され、定められた場 所に保管する。また、腐食、風雨などによる損傷を防止するため、保護あるいは回避の対策を行う。 「現品票」は通い箱もしくは段ボ ール箱に表示される。
3)半製品または製品の輸送および顧客への引き渡し後での損傷または劣化を防止するため、定められた 容器仕様に従って収納を行う。
4)製品を保護するために指定された容器形態で、契約をした運送業者により顧客に納入される。また、 自社運搬車により顧客の工場倉庫、または外部契約倉庫に搬入される製品もある。

  関連文書
   QMS-P-013 製品保管・出荷手順書
   
7.5.5 プロセスの妥当性確認

 神戸化学の製品の中で特殊保安部品以外は、経済的見知より成形工程内で全数検査は行われない。したがって、突発的成形工程条件の変動による不適合品の発生を完全に除去することはできない。よって、 初品の試作生産を実施時に、不具合発生率、作業の操作性、作業時間と製造コスト計算など量産時に於けるプロセスの妥当性を確認し、プロセスの操作条件を含むQC工程表、並びに工程内検査方法と検査基準を作成する。妥当性確認結果は、報告書として配布され、品質記録として保管される。
 
また、検査基準書に求められている目視検査は、技能教育により検査確度を向上させ得るものの作業員の健康状態等によりその確度は上下する。ただし、現時点ではこの検査方法を代替する経済的、かつ妥当なる技術は存在しない。
 
  関連文書
   QMS-P-005  初品評価承認手順書
   QMS-006 工程管理規定

7.6 測定および監視装置の管理

 神戸化学は、顧客の要求事項に対する適合性を確実とするために検査、測定及び試験装置を管理し、校正し、装置の精度を確保する。品質保証室長は、以下のプロセスを管理する責務を有する。

7.6.1 測定機器の指定

品質保証室は、以下のように測定機器の指定を行う。

 1) 工程内検査に用いられるノギスなど主要計測機器は、「計測機器管理台帳」に固有の
  機器識別番号(製造シリアル番号でもよい)を付与して登録される。
 2) 生産本部における設備の運転条件を管理するための計測機である接触型表面温度計を
  校正対象測定機とする。「計測機器管理台帳」に固有の機器識別番号(製造シリアル番号でもよ    い)を付与して登録される。

7.6.2 測定機器の校正

 登録された校正対象測定機器は、適用製品規格(機器のJIS規格など)によって要求される精度を維持するため、校正の周期、校正の頻度、校正環境を規定した検査機器管理手順書に定められた校正手順に従って、校正が行われる。ただし外部機関による校正も含まれる。

7.6.3 国家原器への照合性

 校正は、国家検定機関により検定され、検定結果証明書がある一次基準器(ブロックゲ-ジなど)を用いて行うことを原則とする。ただし便宜上、機器メ-カ-に依頼し、国家原器と照合されている基準器を用いて校正を代行させることもある。

7.6.4 校正記録

 校正記録には、機器の型式、機器識別番号、校正者名、校正の結果と合否判定、校正日および使用した基準器の識別番号が含まれる。自社での校正記録および他社依頼の校正記録は品質保証室でいつでも閲覧できるように保管される。

7.6.5 有効期間

主要計測機器の既校正実施日、次回実施予定日、校正計測値などを機器別に「計測機器管理台帳」に記入する。また、すべての校正対象機器の有効期間が分かるようにラベルの表示で区別される。

7.6.6 定期精度チェック

 定期精度チェックが二次標準器(ブロックゲ-ジのブロックなど)を用いて検査機器管理手順書に定められた計測機器に行われる。定期精度チェックの頻度は機器によって異なるが、定められた期間毎にチェックする。

 定期精度チェックの結果はグラフ化し、精度が許容範囲にあることを確認する。精度が許容範囲外であることが判明した場合には、有効期間内であっても校正を行う。校正対象外の計測器は、かならず作業前に点検、および手入れを行う。なお、当該精度チェックには、使用されるソフトウエアが含まれる。

7.6.7 校正基準外れ

 使用する校正対象計測機器が、校正で不合格となった場合は、計器を破棄、ないしは補修のため計測機器メ-カ-に送付し、使用しない。さらに、直前の有効な校正以降、過去に遡ってその機器によって得られた検査結果の有効性を評価し、記録に残す。

関連文書
QMS-P-014 検査機器管理手順書
QMS-P-008 検査業務手順書
QMS-005  品質記録管理規定


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