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2000年版ISO9000監査チェックリスト

 「これからのISO9000」では審査時の代表的な質問だけを掲載した。しかし、紙面の制約のために割愛せざるを得なかった。以下の監査チェックリストは本書を補足するために作成した。当然ながら、内部監査での監査チェックリストとしても利用できる。監査チェックリストは、規格の文言を疑問文に変えればよいだけだと思えばよい。



チェックポイント
質問
4 品質マネージメント・システム

4.1 一般要求事項

1. 組織は、ISO9001にしたがって品質マネージメント・システムを構築し、文書化し、維持管理しているか?

2. 品質マネージメント・システムの効果が継続的に改善されているか?

3. 組織は、以下の事柄を実行しているか?

  a) 品質マネージメント・システムに求められる業務プロセスは明確にされているか?しかも、
これらの業務プロセスが組織全体に適用しているか?

  b) これらの業務プロセスの流れと相互関係は決められているか?

  c) これらの業務プロセスの運営と管理が効果的に行われていることを確かめるために基準や
手法が決まれているか?

  d) これらの業務プロセスの運営とモニターリングを行うために必要となる経営資源が提供さ
れ、これを支援する情報を得ることができるか?

  e) これらの業務プロセスは、測定され、モニターされ、分析されているか?

  f) これらの業務プロセスに対する計画された結果を達成し、継続的改善を行うために
必要となる行動を起こしているか?

4. 組織は、ISO9001の要求事項にしたがってこれらの業務プロセスを運営管理しているか?

5. 要求事項に対する製品の適合性に影響を及ぼす業務プロセスがアウトソースされている場合、そのプロセスを管理する方法が品質マネージメント・システムの中で明らかにされているか?

 

経営者もしくは管理責任者にお尋ねします。

1.貴社の品質マネージメント・システムと業務プロセスがどのような構成になっているかを説明してください。

2.業務プロセスの流れと相互関係がよく理解できません。もうすこし詳しく説明してください。

3.個々の業務プロセスが効果的に運営されているかを判断するための尺度や指標はありますか?あれば、製品の実現化プロセスに対して説明してください。

4.それらの指標に対してどのような結果や傾向があったのか最近のデータを使って説明してください。

5.そのようなデータをどのような手法を用いて分析されていますか?

6.データの分析によって明らかになった改善点や改善すべき業務の内容がありましたか?あれば、それを説明してください。

7.アウトソースに相当する業務はありますか?あれば、その業務をどのように管理するかは、品質マネージメント・システムにどのように組み入れていますか?


チェックポイント
質問
4.2 文書化の要求事項

4.2.1 一般

6. 品質マネージメント・システムの文書には、以下の事項が文書にされているか?

  a) 品質方針と品質目標が記述された文書があるか?

  b) 品質マニュアルはあるか?

  c) ISO9001が要求する文書化された手順はあるか?

  d) 業務プロセスの効果的な計画作成、運営管理に必要となる文書であり、組織が必要と
判断した文書はできている?

  e) ISO9001が要求する記録はあるか?

4.2.2  品質マニュアル

7. 以下の事項を含めて品質マニュアルは作成され、維持管理されているか?

a) 品質マネージメント・システムの適用範囲、除外事項の詳細とその合理的な事由。

  b) 品質マネージメント・システムを参照される文書化された手順書。

  c) 品質マネージメント・システムの業務プロセスの相互関係を示す記述。

4.2.3  文書の管理

8. 品質マネージメント・システムに求められている文書は管理されているか?

9. 以下の事項を管理することが文書化された手順で明確になっているか?

  a) 文書の適切さに対しての事前承認。

  b) 必要に応じてレビューし、アップデートし、文書の再承認。

  c) 文書の改訂と最新版管理の手順。

  d) 文書の版の識別と使用場所の明確化。

  e) 文書の容易性と識別。

  f) 外部文書の識別と配布管理。

  g) 無効文書の使用防止と保管の場合の識別。

4.2.4  記録の管理

10. 製品の適合性、そして品質マネージメント・システムの効果的な運営を示す証拠を出すことができる記録を残し、維持管理できるようになっているか?

11. 以下の事項を管理できることを明確にできる文書化された手順があるか?

  a) 記録の明確化

  b) 保存

  c) アクセス(閲覧・検索がすぐにできること)

  d) 保護(記録が消滅・改ざん・紛失しないこと)

  e) 保存期間

  f) 廃棄処分の方法

管理責任者にお尋ねします。 

1.品質マネージメント・システムの文書にはどのようなものがありますか?

2.品質目標を見せてください。

3.規格が要求している「文書化された手順」を見せてください。

4.御社の業務プロセスを効果的に計画し、運用し、管理を確実に行うためにどのような文書がありますか?

5.これら以外に管理すべき文書には何がありますか?

6.規格の要求事項の中で適用を除外していますか?除外があるならば、その要求事項と除外した事由を説明してください・

7.「文書化された手順」は品質マニュアルに記述していますか?それとも、別個の文書を作られていますか?

8.品質マネージメント・システムのプロセス間の相互作用について説明してください。

9.管理すべき文書の管理方法を説明してください。特に、最新版管理と改訂の手順および廃止文書の処理方法を詳しく説明してください。

10.文書の発行前に誰がレビューし、誰が承認しますか?

 

 

 

 

 

11.記録の管理に関する手順を説明してください。

12.記録の保管方法を説明してください。保管期間はどこに規定していますか?

13.記録の作成と保管している現場の責任者にお尋ねします。保管している環境は、劣化・破損・紛失防止に適切ですか?

14.記録の識別方法は何ですか?

15.保管期間を過ぎた記録はありますか?あれば、どこに、どのように保管していますか?

 

 

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