8.2.3 プロセスの監視および測定
神戸化学は、販売部門、購買部門、設計・開発部門を含む業務プロセスの効果と効率を測定並びにモニタリングするためにデータを収集し、分析を実施する。測定項目並びに分析内容は、各部門長によって設定・選択され経営者のレビュー会議によって討議・決定される。
生産プロセスは、品質特性のバラツキの状態を表す一つの指標であるCpk値(工程能力指数)またはこれに準じる指標をもって監視される。重要な特性のCpk値は、1.33、もしくはそれ以上を確保しプロセスを管理する。工程能力が上記の基準を満足しなかった場合は、品質管理部長の承認の下で必要な応急処置(当該特性の全数検査など)を実施すると共に改善活動を開始すること。
統計的手法による分析によって判明した改善点および改善目標を月次報告会で討議・決定する。
8.2.4 製品の監視および測定
品質管理部長は、製品の品質特性を確認し、特定された要求事項が満たされていることを検証するために適切な手段を決定する責務を有する。決定された工程内検査基準並びに検査の要求事項は、生産プロセスの適切な段階での検査を含め作業指示書に記載される。
結果の証拠は、製品の特性が許容できる範囲に入っていることを明示するために記録される。製品は、必要な検査が完了し合格とはんていされるまでに顧客にリリースされることがあってはならない。合否判定の結果と製品のリリースを許可した担当者を記載した検査報告書は、管理すべき記録として品質管理部に保管・管理される。
なお、特定されたすべての検査に対する合格判定がなされる前に製品を顧客にリリースすることは、販売部長の承認と顧客の同意が得られた場合にのみ許容される。
8.2.5 環境に関する監視および測定
環境管理部長は、法令・規制項目を含む環境基準に定められた項目が遵守されていることを定期的に検証するために適切な手段を決定し維持し実施するする責務を有する。決定された要求事項は、プロセスの適切な段階での検査を含む作業指示書に記載されるものと、環境測定手順として定めるものがある。
結果の証拠は、環境に関する特性が環境基準の範囲に入っていることを明示するために記録される。合否判定の結果を記載した検査報告書は、管理すべき記録として環境管理部に保管・管理される。
関連文書
EMS-005 環境測定手順
8.2.6 品質/環境目標に関する監視および測定
各部門長は、各部の品質/環境目標の達成度をあらかじめ定めた指標で経営企画部長に毎月報告する。経営企画部長は、これを集約し神戸化学の品質/環境目標の達成度を明確にし、報告書を作成して月次報告会に報告する。管理責任者は月次報告会に出席する。
目標達成に対する問題と改善策を月次報告会で討議する。経営企画部長により重大と判断された問題に対する処置は、経営者のレビュー会議によって討議・決定される。
経営企画部長は、当該報告書および議事録を保管・管理する。
8.3 不適合製品の管理
神戸化学は、要求事項に適合しない製品が意図しない使用あるいは出荷さることを防止するために、不適合品の識別を行い、適切に管理するために以下の手順を定める。
a) 神戸化学の管理職を含む社員は、不適合製品を検出、発見したときには「保留」のタグを付けるか、もしくはその他の適切な方法で識別した後、管理職に報告しなければならない。不適合製品は、使用、出荷、適合品との混合を防止するために進行中の作業から隔離する。
b) 製造中に不適合が発見された時には、作業員は「保留」のタグを付けて進行中の作業から隔離する。もし即時に是正できない不具合が発生した場合は、生産部管理職もしくは品質管理担当者が作業を続行することを決めるまで作業を中止する。
c) 品質管理部長は、以下のいずれかの不適合製品の処置を決定する。
・ 再加工:不適合を元来の特定された要求事項に適合するように加工後再検査
・ 特別採用:修正を加える、加えないに関わらず「特別採用の承認」のもとで不適合を受け入れる
・ 他の用途への格下げ、もしくは用途変更
・ スクラップ:間違って使用されないように物品を破棄
・ 供給者への返品:代替えもしくは他の処分のために供給者に物品を返却
なお、「特別採用」の決定については顧客に通知され、承認を得なければならない。
d) 品質管理部は、物品および不適合品の性質を記述した不適合報告書を作成し、管理すべき記録として保管・管理する。不適合製品の処理が決定された場合に、その内容を記入する。「特別採用」の決定については、顧客および販売部長の承認記録が添付される。
e) 不適合報告書の写しは、管理責任者に配布され、装置、プロセス能力、従業員の訓練での欠陥など改善が求められる領域を決定するために使用される。
f) 製品が出荷された後に不適合が発見された場合には、8.5.2項の是正処置の手順に従って起こり得るであろう問題を含む不適合製品による影響に適切な対応を講じる。