8.4 改善のためのデータ分析
神戸化学は、当該品質/環境マネジメント・システムが品質/環境方針並びに品質/環境目標を達成する上で有効かつ適切に機能しているか、当社の業務プロセス並びに製品とサービスが顧客の要求事項および環境基準を満たしているかを測定し、財務的指標を含む種々のデータを収集・分析し、改善の余地を明らかにし、さらなる向上を目指すために以下のことを行う。すなわち、
a) 市場占有率および顧客満足度の測定
b) 社員意識調査による社員満足度、社員定着率、社員一人当たり生産性
c) ISO9004モデルに基づく品質マネジメント・システム自己評価
d) 売上高に対する間接費率の測定など財務的業績評価
e) 予測される当社の戦略的業務に適任な社員数の増加傾向
f) 製品の適合性とその安定性
g) 生産プロセス能力指数とその傾向
h) 供給者の納入実績
i) 環境基準の遵守状況とその安定性
j) その他当社の経営環境の変化に関連するデータ
上記調査・分析は、年一回行われ、結果は、経営者のレビュー会議の討議を経た後、必要に応じて、社員をはじめ利害関係者に報告する。なお、上記測定・分析の項目に関しては、経営者のレビュー会議の検討を経て変更される。
8.5 改善
8.5.1 継続的改善
神戸化学は、顧客満足度を高め、環境影響を改善し、企業環境の変化に即応しながら企業業績の向上を目指す。その実現のために経営者のコミットメントとして表明した内容を実現するために品質/環境向上計画を継続的に実践する。品質/環境方針、品質/環境目標を含む品質/環境計画は、経営者のレビュー会議を通じて内部監査、データの分析、是正処置、予防処置などを検討し、改訂される。
当該品質/環境マニュアルに記載されている品質/環境マネジメント・システムは品質/環境計画の実践に社員全員が使用する指針であるが、さらなる改善を加え、より一層完全なる品質/環境マネジメント・システムの成熟を目指すために改善のためのデータ分析結果を尊重する。データの分析結果のみならず日常管理の状況調査・分析、是正処置および予防処置の決定の過程で判明した業務プロセスの欠陥を改善する。すなわち、改善活動は絶えることなく継続的に実践される。
改善すべき領域は、経営者のレビュー会議で明らかとされ、社長によって実施の優先順位が決定される。優先順位に従って改善活動が実施されるよう品質/環境計画、ないしは中期経営計画に組み入れられる。必要なる場合、人的資源を含む経営資源の再配分も計画される。
8.5.2 是正処置
神戸化学は、再発防止を目的に不適合の発生原因を除去するために以下の手順に従って是正処置を講じる。
a) 顧客苦情や地域苦情を含み原材料、製品、業務プロセスに不適合が発見された場合、「是正・予防処置フォーム」を作成し、その問題の大きさと遭遇するリスクに釣り合う適切なる是正処置を行う。この処置には不適合の影響を緩和する処置が含まれる。
b) 「是正・予防処置フォーム」は、補助的な文書、参考資料のために添付された報告書および説明を付けて管理責任者に送付される。
c) 管理責任者は、送付された「是正・予防処置フォーム」をレビューし、個々の是正処置を決定するために関連部署の関係者と共に協議を行う。
d) 是正・予防処置を分析し、状況の改善のために一つないしはそれ以上の解決策を決定する。再発防止策に関しては、その必要性を評価し、評価結果によって実施の可否を決定する。決定された是正処置は「是正・予防処置フォーム」に記録として残す。
e) 手順の変更を含め、決定された是正処置内容は関係部門で速やかに実施し、是正が効果的に実施されていることを確認する。確認された効果を「是正・予防処置フォーム」に記入し、管理すべき記録として管理責任者により保管・管理される。
f) 顧客および地域の苦情は、苦情の発生原因を究明し、当該手順に従って再発防止のための恒久対策を決定する目的で「是正・予防処置フォーム」を効果的に利用する。
8.5.3 予防処置
神戸化学は、いずれ不適合として顕在化する潜在的問題の原因を調査し、予防処置を講じるための手順を以下の通り定める。
a) 下記の情報あるいは日常管理の状況調査・分析、是正処置の決定の過程で判明した業務プロセスあるいは品質/環境マネジメント・システムの欠陥、ないし欠如は、不適合の潜在的原因であり、予防処置の実施を要する不適合である。
・ 顧客の苦情およびフィードバック
・ 地域の苦情およびフィードバック、要望
・ 内部監査報告書
・ 顧客訪問報告書
・ 設計時に提起されていた問題点
・ 検査・試験報告書と校正記録
・ 過去の類似した不適合とその是正処置
・ 他社の事例および情報
・ 作業報告書と作業員の教育訓練記録
・ 原材料試験報告書
・ 在庫期間報告書
・ 供給者の評価結果
b) 管理職を含む社員が予防処置の要する不適合を発見もしくは感知した場合には、迅速に品質管理部長に連絡する。品質管理部長は、必要に応じ環境管理部長と協議し、不適合の発生を予防する処置の必要性を評価し、必要と判断した場合には、「是正・要望処置フォーム」を作成する。
c) これらの潜在的問題を発見した、ないしはされた部署は、8.5.2項 是正処置の手順に準じて原因除去のための改善策を決定し、実施する。必要なる場合には、品質/環境マネジメント・システムの一部改訂もしくは追加を管理責任者に伝達する。管理責任者が改訂もしくは追加を要すると判断した場合には、経営者のレビュー会議で討議し、同意を得た上で改訂もしくは追加を決定し、実施する。
d) 予防処置を実施する部署の部門長は、実施された予防処置が効果的であることを確認し、予防処置およびその効果を「是正・予防処置フォーム」に記入し、管理責任者に報告する。「是正・予防処置フォーム」は管理責任者により承認され、管理すべき記録として保管・管理される。