8 測定、分析および改善
8.1 一般
組織は、以下の事柄に必要となるモニタリング、測定、分析、改善プロセスを計画し、実施すること。
a)製品の適合性を明示する
b)品質マネージメント・システムの適合性を確保する
c)品質マネージメント・システムの有効性を継続的に改善する
これには、統計的手法を含む適用可能な手法、並びにその使用の程度を確定することを含むこと。
8.2 モニタリングおよび測定
8.2.1 顧客満足
組織は、品質マネージメント・システムの成果測定の一つとして組織が顧客要求事項へどの程度合致させているかに関する顧客の見解を測るために情報をモニタリングすること。この情報を取得し、利用する手法は定められること。
8.2.2 内部監査
組織は、品質マネージメント・システムが以下のことがなされているかどうかを確定するために計画された間隔で内部監査を行うこと。
a)本国際規格の要求事項に対し、また組織によって確立された品質マネージメント・システムの要求事項に対し計画された手はず(7.1を参照)を確認する。
b)効果的に運営され、維持されている
監査プログラムは、監査されるべき活動並びに領域の状況および重要度、かつ以前の監査結果を考慮して計画されること。監査の判定基準、適用範囲、頻度、技法は明確化されること。監査員の選定並びに監査の実行は、監査プロセスの客観性と不偏性を確保すること。監査員は、自らの業務を監査できない。
文書化された手順では、監査を計画し、実施し、結果を報告し、記録を維持する(4.2.4を参照)ための責任と要求事項を定められること。
監査される領域に責任を有する経営陣は、発見された不適合とその原因を除去するために遅れることなく確実にアクションをとること。
フォローアップ活動には、是正処置の実施検証、および検証に関する結果報告を含むこと(8.5.2を参照)。
参考:指針に関してはISO 10011を参照。
8.2.3 プロセスのモニタリングおよび測定
組織は、モニタリングおよび、適用できる場合、品質マネージメント・システムのプロセスの測定のために適切な手段を適用すること。これらの手段は、計画された結果を達成するためのプロセスの能力を明示しなければならない。計画された結果が達成されなかった時には、適切なように、製品の適合性を確保するために是正および是正処置が行われること。
8.2.4 製品のモニタリングおよび測定
組織は、製品の要求事項が満たされていることを検証するために製品の特性をモニタリングし、測定すること。これは計画された手はず(7.1を参照)にしたがって製品の具現化プロセスの適切な段階(複数)で実施されること。
許容基準への適合に関する証拠は維持されること。記録には、製品の払い出しに権限を持つ要員(複数)が示されていること(4.2.4を参照)。
製品の払い出しおよびサービスの引渡しは、すべての計画された手はず(7.1を参照)が満足すべき状態で完了するまで行われないこと。もしそれに反する場合は、関連有権限者、および、適用できる場合、顧客の承認を得ること。
8.3 不適合品の管理
組織は、製品要求事項に適合しない製品は識別され、意図しない使用あるいは引渡しを防止するために管理されることを確実に行うこと。 不適合品を処置するに必要となる見直しとアクションのための責任と権限は文書化された手順で定められること。
組織は、以下のいずれかもしくはそれ以上の方法で不適合品を処置しなければならない。
a)検出された不適合を除去するアクションをとる
b)関連有権限者の承認、および、適用できる場合、顧客の同意の下で使用、払い出し、受容する権限を与える
c)本来の意図された使用ないしは用途に戻すアクションをとる
不適合品の性質および受けた同意を含めその後に取られたアクションの記録は、維持されること。(4.2.4を参照)
不適合品が修正される場合には、適合性を証明するために再検証されることを条件に修正されること。
引渡し後、あるいは使用が開始された後不適合品が検出された場合には、組織は、不適合の事の成り行きに関して適切なアクションをとること。
8.4 データの分析
組織は、品質マネージメント・システムの適切性並びに有効性を明示するため、また品質マネージメント・システムの継続的改善がなされうる領域を評価するために適切なデータを収集し、分析すること。これには測定並びにモニタリング活動、およびその他の関連する情報源によって生成されたデータを含めること。
組織は、以下の情報を得るために該当データを分析すること。
a)顧客満足(8.2.1を参照)
b)製品要求事項への適合度合い(7.2.1を参照)
c)予防的アクションの機会を含むプロセスと製品の特性,および傾向
d)供給者
8.5 改善
8.5.1 継続的改善
組織は、品質方針、品質目標、内部監査結果、データの分析、是正処置および予防処置、経営者の見直しの利用をもって品質マネージメント・システムの有効性を継続的に改善すること。
8.5.2 是正処置
組織は、再発防止を目的に不適合の発生原因を除去するために是正処置を行うこと。是正処置は遭遇した不適合の影響に見合った適切であること。
是正処置に対する文書化された手順は、以下の要求に対し明確にされること。
a)不適合(顧客苦情を含む)を見直す
b)不適合の発生原因の確定する
c)不適合が再発しないことを確保するための処置の必要性を評価する
d)必要とされた処置を決定し、実施する
e)実施された処置の結果を記録する(4.2.4を参照)
f)実施された是正処置を見直す
8.5.3 予防処置
組織は、再発を防止するために、潜在的不適合の発生を除去するための予防処置を確定すること。予防処置は、その潜在的問題への影響度合いに適切であること。
予防処置に関する文書化された手順は、以下の要求に対し明確にされること。
a)潜在的不適合並びにその原因を確定する
b)不適合の発生を予防するアクションの必要性を評価する
c)必要とされた予防処置を確定し、実施する
d)実施された処置の結果を記録する(4.2.4を参照)
e)実施された予防処置を見直す