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8.2.1.4 財務的アプローチ

財務面の考慮と品質マネージメント・システムを結びつける方法論は、組織全体に結果を財務的な数字で伝達することができるように評価し、確立されるべきである。

財務的なアプローチの事例には以下のモノがある。

財務面の考慮と品質マネージメント・システムを結びつけることによって得られた情報は、プロセス並びに活動の改善を計画し、実行するために経営者の見直しに供せられるべきである。

(訳者注:もっとも進んでいる経営手法を採用している企業では、すでに財務上の業績向上に新しいコスト分析を採用している。)

8.2.1.5 自己評価

組織は、何らかの自己評価プロセスを確立し、実践することを考慮すべきである。自己評価の範囲並びに深さは、組織の目標や優先順位に関連させながら計画されるべきである。付属書Aに記述されている自己評価方法は、現存する経営品質賞の評価基準、もしくはその他の適切な手法と同様に、組織の自己評価に用いることができるであろう。

付属書Aの自己評価法を用いる利点のいくつかは以下である。

付属書Aの自己評価法は、当該国際規格で定められた品質マネージメント・システムの実行による効率並びに効果の程度・度合いを決めることに焦点を合わせている。付属書Aは、既存のモデルと競うために、自己評価法を供する意図はない。自己評価法は、内部、もしくは外部品質監査に替わるものとして考えるべきではない。

付属書Aの自己評価法を用いることによって、組織の業績並びに品質マネージメント・システムの成熟度合いの全体像を示しうる。また、改善が求められている領域を特定するためのインプットを提供でき、優先順位をつけることができる。

8.2.2 プロセスの測定およびモニタリング

組織は、プロセスの成果を評価するために測定方法を明確にし、測定を実行すべきである。組織は、このような測定を製品の具現化プロセスにいかに組み入れるか、またプロセス・マネージメントにおける測定の役割について考慮しなければならない。

プロセスの成果測定の事例に以下のモノが含まれる。

8.2.3 製品の測定およびモニタリング

組織は、製品に対する測定要求事項(合否判定基準を含む)を確立し、規定すべきである。製品の測定は、規定された要求事項に対しての適合性を検証するために計画され、実行されるべきである。

組織は、製品を測定するために何んらかの方法を選択する際には以下のことを考慮すべきである。

  1. 製品および供給者によって供給された製品の規定された要求事項への適合性
  2. プロセスの連鎖の中での各測定ポイントの場所
  3. 各ポイントでの測定されるべき特性、用いられるべき文書並びに合否判定基準
  4. 必要な設備並びに冶工具
  5. 製品の選択された特性の立ち会いもしくは検証のための顧客が設定したポイント
  6. 法規制当局による立ち会いもしくは実施されることが要求されている検査もしくは試験
  7. 以下の事項が認定された第三者機関によって実施されるように組織が意図している、もしくは顧客もしくは法規制当局によって要求されている、場所、時期、方法
  8. 材料、製品、プロセス、人々並びに品質マネージメント・システムの認定
  9. すべての規定された検査並びに試験が完了し、合格したことを確認するための最終検査
  10. 製品の測定プロセスからのアウトプット

製品の測定は、製品が要求事項に適合していることを検証する目的で引き渡しが行われる前に実施されなければならない。組織は、製品の測定のために用いられたアプローチ並びに検証の記録をレビューし、適切なる改善を加えるべきである。

製品の測定記録の典型的な事例には以下のモノがある。

8.2.4 利害関係者の満足度の測定およびモニタリング

8.2.4.1 一般

組織は、製品の具現化の段階において、その他の利害関係者のニーズを満たすために必要となる測定情報を明確にしなければならない。このような情報には、人々、所有者、供給者並びに社会に関わる測定が含めるべきである。

8.2.4.2 組織の人々

組織は、以下のことを行うべきである。

8.2.4.3 所有者

組織は、以下のことを行うべきである。

8.2.4.4 供給者

組織は、以下のことを行うべきである。

8.2.4.5 社会

組織は、以下のことを行うべきである。

 

8.3 不適合の管理

8.3.1 一般

組織内のすべての人々は、プロセスのいかなる段階においても不適合の報告する権限を持つべきである。このことは、特にプロセスをモニタリングしている者、並びにプロセスのアウトプットを検証しているにとって言えることである。不適合に対する迅速な手当によって迅速な是正行動を開始することができる。

不適合に対する対応する権限は、製品要求事項の達成維持をするために定められるべきである。組織は、誤使用を防止するために製品の識別、隔離、並びに処分を管理すべきである。

また、組織は、通常の作業で是正された不適合に関する情報を記録することを考慮する必要があるかもしれない。このようなデータは、プロセスの改善のために貴重な情報を提供しうる。

学習を支えるため、また分析並びに改善活動のためのデータ提供を助けるために、処分と共に、すべての不適合は記録されることが重要である。

8.3.2 不適合のレビュー並びに処分

組織は、すべての不適合に対するレビュー並びに処分のためのプロセスを有すべきである。不適合のレビューは、発生の傾向ないしはパターンがあるかどうかを決定するために指定された人々によって行われるべきである。これらの傾向は、改善のため、また経営者のレビューへのインプットとして考慮されなければならない。

このレビューを行う人々は、不適合の影響度を評価しうる能力を有し、是正処置を決める権限並びに経営資源を有しなければならない。顧客が処分を受け入れるかは、一つの契約上の要求事項であることもある。 

 


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