経営資源
ヒト、モノ、カネ、そして情報の経営資源を管理していない企業はなかろう。少子高齢化の時代になり人々の教育・訓練だけではなく、育児施設を整えるなどのインフラストラクチャーの整備も必須のことになった。設備や資金を効果的で効率よく活用するためには、「選択と集中」を徹底することが経営責任になる。天然資源の効果的な利用、環境への影響の低減、そして自然環境の保護は、日本企業の喫緊の課題だ。

レベル5 
持続可能
7.1節 経営資源の運営
  • 組織は、戦略とそれを計画することによって持続可能性を発展させ達成するための戦略上の経営資源を見極めている。
  • 組織は、組織の経営資源と外部資源を制御し、保護し、発展させるために有効で効率的な計画を策定している。
    7.2節 計画作成
  • 経営資源の運用プロセスの計画作成は、組織を持続可能性に向けて経営することを目指している。
  • 経営資源の潜在的な不足を回避するための処置・行動は今まで成功している。
    7.3節 経営資源の配分
  • 経営資源の配分プロセスは、効果的で効率よく、持続可能性を導く戦略計画作成プロセスに全面的に連携している。
    7.4節 人的経営資源
  • 人的資源の達成能力(コンピテンス)と満足度合が高く、そして戦略を作成することによって、組織の長期的に持続可能な成長を可能にしている。
    7.5節 インフラストラクチャー
  • インフラストラクチャーは、組織が持続可能性を目指すには効果的で効率的である。
  • インフラストラクチャーは、ミッション、ビジョン、戦略、および利害関係者のニーズと期待に全面的に連携されている。
  • 職場環境に実行されているプロセスは、持続可能性を維持できるし、他社と競争しても負けない。
    7.6節 知識
  • 組織は、持続可能性を確実にするためのナレッジマネジメントプロセスを有している。
    7.7節 財務的経営資源
  • 財務的な経営資源を管理するための効果的で効率的なプロセスは、すべての利害関係者のニーズと期待に全面的に連携されている。その結果、持続可能性をもたらしている。
    7.8節 天然資源とライフサイクルの管理
  • 天然資源の効果的な利用、環境への影響の低減、自然環境の保護が、企業の持続可能性を実現している。


  • レベル4
    革新的
    7.1節 経営資源の運営
  • 組織は、統合されたマネジメントシステムを運営管理し改善するため、顧客満足の向上のため、そして利害関係者のニーズと期待を満たすための経営資源を明確にしている。
  • 組織は、組織の経営資源を制御し、保護し、発展させるために有効で効率的な計画を策定している。
    7.2節 計画作成
  • 組織は、経営資源を計画するための効果的かつ効率的なプロセスを定め、実践し、改善している。計画には、経営資源、および潜在的な脅威に関連づけて考えられるリスクの明確化、展開、提供、モニタリング、維持および防止が含まれている。
  • 組織は、明確化された経営資源についての持続可能性を定期的に見直している。
    7.3節 経営資源の配分
  • 経営者は、組織の経営資源の必要性を評価するための、さらに経営資源の配分の優先順位を確立するための効果的で効率的なプロセスを策定し、実行している。これらには定期的に見直しが行われている。
    7.4節 人的経営資源
  • 組織は、達成能力(コンピテンス)、訓練、権限移譲、知識、意識・認識、動機付け、ニーズと期待を統合した人的資源を管理する効果的で効率的なプロセスを策定し、実践している。
  • 組織は、戦略的人的経営資源マネジメントプロセスを実践している。
    7.5節 インフラストラクチャー
  • 組織は、インフラストラクチャーを効果的で効率的に計画し、提供し、管理している。このインフラストラクチャーとその関連プロセスは、すべての利害関係者のニーズと将来の期待が考慮されている。
  • 組織は、インフラストラクチャーに対する潜在的なリスクを明らかにし、効果的で効率的な方法で予防処置を提案している。
  • 組織は、職場環境がすべての法的・規制要求事項(職業上の健康と安全に関するものも含む)に応じることが確実になるように効果的で効率的なプロセスを実行し、改善している。
  • このプロセスは、組織内、働いている他の利害関係者、もしくは組織を訪問する人々の生産性、創造性、職場の健康を促進している。
    7.6節 知識
  • 組織は、情報、知識及び必要とする技術を明らかにし、取得し、保護し、利用し、評価するための効果的かつ効率的なプロセスを定め、実践し、改善している。
  • 組織は、情報、知識および技術をパートナーとその他の利害関係者と共有している。
    7.7節 財務的経営資源
  • 組織は、財務的ニーズを予測し、必要な財務的資源を取得し、財務上の経営資源を制御するための効果的かつ効率的なプロセスを定め、実践している。
    7.8節 天然資源とライフサイクルの管理
  • 組織は、天然資源を有効に利用し、その入手可能性(の限界を)考慮するためのプロセスを策定し、実行し、改善している。このプロセスでは、製品のすべてのライフサイクルでの環境が考慮されている。


  • レベル3 
    適応性あり
    7.1節 経営資源の運営
  • 組織は、業務運用、マネジメントシステムの改善、および顧客と主たる利害関係者の満足を得るために必要な経営資源を見極めている。
  • 組織は、組織の経営資源を管理し、保護し、発展させるための有効的な計画を策定している。
    7.2節 計画作成
  • 組織は、経営資源を計画するための効果的なプロセスを定め、実践し、改善している。計画には、経営資源の明確化、展開、提供、モニタリング、維持および防止が含まれている。
  • 組織は、明らかにされた経営資源の持続可能性を定期的な見直しを行っている。
    7.3節 経営資源の配分
  • 経営者は、組織が必要としている経営資源を評価し、経営資源の配分に対し優先順位を付けるための効果的なプロセスを策定し、実践している。
    7.4節 人的経営資源
  • 組織は、達成能力(コンピテンス)、訓練、意識・認識、動機付け、ニーズと期待を管理する効果的で効率的なプロセスを策定し、実践し、改善している。
    7.5節 インフラストラクチャー
  • 組織は、インフラストラクチャーを効果的で効率的に計画し、提供し、管理している。このインフラストラクチャーおよび関連するプロセスは定期的に見直されている。
  • 組織は、インフラストラクチャーの潜在的なリスクを明確にしている。
  • 組織は、職場環境がすべての法的・規制要求事項(職業上の健康と安全に関するものも含む)に応じることが確実に行われるように効果的なプロセスを実行し、改善している。
    7.6節 知識
  • 組織は、情報、知識及び必要とする技術を明らかにし、取得し、保護し、利用し、評価するための効果的なプロセスを定め、実践し、改善している。
  • 組織は、情報、知識および技術を利害関係者と共有している。
    7.7節 財務的経営資源
  • 組織は、財務的ニーズを予測し、決定し、必要な財務的資源を取得し、財務上の経営資源をモニターし制御するための効果的なプロセスを定め、実践している。
    7.8節 天然資源とライフサイクルの管理
  • 組織は、天然資源を効率的に利用し、その入手可能性に配慮するプロセスを策定し、実践している。


  • レベル2 
    能動的
    7.1節 経営資源の運営
  • 組織は、業務運営のためのプロセスおよび顧客を満足させるために必要な経営資源を明らかにしている。
    7.2節 計画作成
  • 組織は、経営資源の明確化、提供、モニタリングを含め、経営資源の計画作成のためのプロセスを定め、実践している。
    7.3節 経営資源の配分
  • 経営者は、組織に必要な経営資源のニーズを評価するためのプロセスを策定し、実践している。
    7.4節 人的経営資源
  • 組織は、人的資源の達成能力(コンピテンス)および訓練を管理するプロセスを明らかとし、実践している。
    7.5節 インフラストラクチャー
  • 組織は、インフラストラクチャーを計画し、提供し、管理している。
  • 組織は、職場環境がすべての適用される法的・規制要求事項(職業上の健康と安全に関するものも含む)に応じることが確実に行われるようにプロセスを明らかにしている。
    7.6節 知識
  • 組織は、情報、知識および技術を不可欠な経営資源として取り扱っている。
  • 組織は、情報、知識及び必要とする技術を明らかにし、取得し、保護し、利用し、評価するための効果的なプロセスを定め、実践し、改善している。
    7.7節 財務的経営資源
  • 組織は、財務的ニーズを決定し、モニタリングや管理を行ってはいないが必要な財務的資源を取得するためのプロセスを定め、実践している。
    7.8節 天然資源とライフサイクルの管理
  • 組織は、天然資源(エネルギー、水、オイル、鉱物など)を効率的に利用するプロセスを策定し、実践している。


     
  • レベル1 
    初歩的
    7.1節 経営資源の運営
  • 組織は、業務を運営するための経営資源を明らかにしているだけ。
    7.2節 計画作成
  • 経営資源の計画作成のプロセスは定かでなく、主なる経営資源を明らかにして提供してのみである。
    7.3節 経営資源の配分
  • 組織は、経営資源のニーズを単純な評価を行った後に経営資源を提供している。
    7.4節 人的経営資源
  • 人的資源の達成能力(コンピテンス)と満足度合が高く、そして戦略を作成することによって、組織の長期的に持続可能な成長を可能にしている。
    7.5節 インフラストラクチャー
  • インフラストラクチャーは、計画やプロセスなしに部門の要求に従って提供されている。
  • 組織は、正式な形で、職場環境には注意を払っていない。
  • 組織は、法的・規制上のようなある種の要求事項を満たす努力をしている。組織は、顧客もしくは当局の強制的な要求があった後で職場環境を改善している。
    7.6節 知識
  • 組織は、知的資源としての意識も持たず情報、知識および技術を経営資源として取り扱っている。
    7.7節 財務的経営資源
  • 組織は、モニタリングや管理を行わず必要な財務的ニーズを決定し、必要な財務的資源を取得している。
    7.8節 天然資源とライフサイクルの管理
  • 組織には、天然資源の利用および自然環境への影響に関する方針もなければ計画もない。

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