レベル5 持続可能 |
6.1節 戦略の方向づけ
組織には、モニタリング機能が備えられており、いかなる時でも内外の環境の動向を見つけることができ、戦略と企業の能力を継続的に適応できようになっている。
6.2節 ミッションおよびビジョン
組織のミッションとビジョンは、すべての利害関係者に継続的に価値を提供し、ダイナミックで、情報技術を頼りとしている。また、すべてのレベルでの将来を見据えて今日の社会的な責任に対して強いコミットメントを行っている。
6.3節 戦略の側面
戦略は、組織のビジョンとミッションを忠実に反映している。その戦略は、短期、中期および長期の方針と目標に転換されている。これらは、あらゆる面で企業の持続可能性を保証している。
6.4節 方針と目標
方針と目標は、組織の方向を持続可能性の維持に向けさせるための継続的アプローチを提供している。さらに、目標の実現が製品に建設的な影響を与え、業務運営は効果的になり、満足と財務的な見返りがあり、利害関係者の自信と忠誠心を勝ち取っている。
6.5節 戦略計画
組織は、観測所を持っている。その観測所の活動によって、企業環境のデータを連続的に分析し、市場で永遠に存続することを確実とする短期、中期および長期の戦略計画を策定し、最新に更新することができる。そのようなデータを取得するためには、次のようなことに配慮されている。すなわち、競合他社および最高にランクされた企業と比べた場合の自社の位置関係、市場と製品の将来の展開、いかに行動すればよいかの意識が失わさせらることもありうるリスクである。さらに、経済的かつ人口統計的な動向、社会的な疑問に対応できるデータ、新規の経営モデル、新規の技術、利害関係者の切迫度と期待などである。
6.6節 リスク管理
すべての活動と組織の永久的な目標を融和させながら、企業環境の要因およびリスクの分析と明確化することは常習的に行われている。
6.7節 持続可能性のための戦略の見直し
市場の標準と歩調を合わせながら生き残るために、組織の業績指標、利害関係者の受け入れ度、および技術と市場の進化に対して追求する態度、競争他社、もしくは国内外のレベルとの競争力との比較を通じて、経営者は組織の戦略を見直し、更新している。
6.8節 コミュニケーション
組織は、ミッション、ビジョン、戦略、方針、目標、運営上のデータおよびフィードバックに関連する情報を伝達するために効果的な企業の内外とのコミュニケーションを実践している。コミュニケーションプロセスの効果および効率は、企業の持続可能性と一列につながっている。
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レベル4 革新的 |
6.1節 戦略の方向づけ
組織は、企業環境の展開と展開している条件を満たし得る企業の内部能力を体系的に分析している。その一方、利害関係者の必要とするものと期待、学習および経験に基づいて必要とする戦略を確立し、展開している。
組織は、戦略が有効であり効率的であることを確実にするために定期的に戦略を評価している。
6.2節 ミッションおよびビジョン
ミッションとビジョンは、競争力にも考慮しながら、利害関係者との関係についての知識に基づくようにいつも作成・変更している。
ミッションとビジョンは、有効性および効率について見直され、市場と利害関係者の変化するニーズと期待に基づいて継続的に適応させている。
6.3節 戦略の側面
組織は、次のような側面に基づいて戦略を立てるための機敏でダイナミックなプロセスを確立している。すなわち、職場環境、利害関係者のニーズと期待、経営資源の能力と入手可能性、および前回の経験から学んだ学習である。
6.4節 方針と目標
方針と目標は、 市場と利害関係者の変化するニーズと期待に対する回答を提供するために半永久的に適当である。
目標と方針の効果的な実現は、組織と利害関係者のすべての異なったプロセスを貫いてはっきりと表れている。
方針と目標は、利害関係者の主たるグループに効果的に伝達されている。
6.5節 戦略計画
組織は、ビジョン、ミッション、現在および将来の利害関係者のニーズと期待、脅威、リスク、市場、競争と成功要因、新規技術などを参考として取り入れて戦略計画を作り上げている。この計画は、継続的な向上を可能とし、市場で永久的に存続できることを確実にしている。
これらの計画は、組織の業績にプラス、もしくはマイナスの影響を与える可能性がある状況が発生したときにはいかなる場合にも、計画の有効性と効率に関して再評価されている。この評価は、改善、もしくは改革の処置を講じることを可能にしている。
6.6節 リスク管理
組織は、市場での進化や永久的な存続を制約する環境要因を体系的に確認し、分析し、理解している。このことにより、関連するリスクを見極め、選択され、初めて経験する変化を習得しながら、かつ過去の体験によって管理されている。
組織は、初めて経験する変化の有効性と効率をレビューし、測定している。
6.7節 持続可能性のための戦略の見直し
組織は、マネジメントシステムが継続的に効果的で、効率的で、競争力を持っていることを確実とするために戦略を見直し、永久的に採用している。また、組織の組織構成やプロセスが現在および将来の利害関係者の必要性、および環境の変化に答えを提供できるように、戦略の見直しを行っている。
6.8節 コミュニケーション
組織のコミュニケーションプロセスは、効果的で効率的な学習能力を可能にするために他の組織との接触を取り入れて改善されている。同時に、改革のための関係とネットワークの構築に積極的である。
コミュニケーションプロセスの効果と効率は、新規の機会と改革の必要性を予測する能力を分析するために継続的に見直しが行われている。
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レベル3 適応性あり |
6.1節 戦略の方向づけ
組織は、企業環境の進化と展開している条件を満たし得る企業の内部能力を体系的に分析している。その一方、必要とする戦略を確立し、展開している。
組織は、戦略が適切で効果的であることを確実にするために明確に示された戦略の方向を定期的に評価している。また、必要な時には戦略は修正されている。
6.2節 ミッションおよびビジョン
組織は、企業環境に関する内外の情報を有している。これらは、達成しなければならないミッション、ビジョンおよび戦略の方向の確立を可能にしている。
組織は、環境の必要性に適応できるようにミッションおよびビジョンの有効性を定期的に見直し、評価している。
6.3節 戦略の側面
組織は、顧客のニーズと期待にかかわる製品・サービスのみを戦略の基点とはせず、それらを満たすために組織の能力や必要な経営資源を考慮している。
6.4節 方針と目標
組織の方針と目標は、ビジョンとミッションと連携した戦略に基づいている。目標は、測定可能であり、組織のあらゆる
レベルに展開されている。
目標と方針の効果的な実現は、組織のすべての異なったプロセスを貫いてはっきりと表れている。
6.5節 戦略計画
組織は、ビジョンとミッションを参照しながら、顧客のニーズと期待を満たすように方向づけられた戦略計画を策定している。
これらの計画は、有効性を測定し改善の処置を講じるために定期的に評価が行われている。
6.6節 リスク管理
組織は、市場での進化や永久的な存続を制約する環境要因を体系的に確認し、分析し、理解している。このことにより、関連するリスクを見極め、行動を引き出している。
6.7節 持続可能性のための戦略の見直し
組織は、システムが引き続き有効であることを確かにするために品質マネジメントシステムの定期的な見直しを実行している。その上で、戦略がビジョンとミッションと首尾一貫しているかどうか、戦略は測定可能な目標としてあらわされ組織構成に展開されているか、プロセスは環境の変化に対応できる答えを出すことができるかをレビューし、評価されている。
6.8節 コミュニケーション
組織は、主たる利害関係者とのコミュニケーションの機会と改善を明らかにし、実施している。彼らからフィードバックを得ている。このフィードバックは組織の改善に利用され、このことにより企業の適応性と弾力性を付ける助けとなっている。
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レベル2 能動的 |
6.1節 戦略の方向づけ
組織は、環境の展開、および展開している条件を満たす必要のある企業内部の能力についての分析を行っている。その一方、必要とする戦略を確立し、展開している。
6.2節 ミッションおよびビジョン
組織は、ビジョンを明らかにしているし、それを達成するための戦略に重きを置いている。しかし、ミッションにはなっていない。
6.3節 戦略の側面
基礎として、組織は、顧客のニーズと期待に関係した製品・サービスに関する戦略を基点にしている。
6.4節 方針と目標
組織は、組織のミッションに基づく方針を持っている。測定可能な目標も組織の主たるレベルに展開されている。
6.5節 戦略計画
組織は、参考としてビジョンを取り入れながら、目標と短期的な活動を明らかにしている。これらは、品質マネジメントシステムの一部分としてレビューされている。
6.6節 リスク管理
顧客満足度に基づいて、組織は、市場での進化や永久的な存続を基本的に制約する企業環境の要因を明確にし、分析し、理解している。
6.7節 持続可能性のための戦略の見直し
組織は、要求事項を満たすことと顧客満足に焦点を当てた品質マネジメントシステムの定期的な見直しを実行している。
6.8節 コミュニケーション
組織は、法的・規制要求事項および品質マネジメントシステムを順守する形で内外のコミュニケーションについての体系的なプロセスを定め、実行している。このプロセスは、顧客満足、利害関係者と内部の運用上のニーズを重視している。
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レベル1 初歩的 |
6.1節 戦略の方向づけ
組織は、企業環境の展開の分析を実行していないし、将来の戦略も定められていない。
6.2節 ミッションおよびビジョン
組織は、ミッション、あるいはビジョンを明らかにしていない。
6.3節 戦略の側面
組織は、戦略の基礎となる異なった要因は何かを明確に判断していない。
6.4節 方針と目標
組織の方針と目標は、戦略に基づいていないし、ビジョンとミッションとの連携もされていない。
6.5節 戦略計画
組織は、短期、中期、長期の活動を計画できるようになるフレームワークを策定していない。
6.6節 リスク管理
組織は、市場での進化や永久的な存続を制約する企業環境の要因を明確にしていない、分析もしていないし、理解さえしていない。
6.7節 持続可能性のための戦略の見直し
組織は、戦略を見直していない。
6.8節 コミュニケーション
組織は、コミュニケーションプロセスを定めていない。ただ単に、法的に、財務的に、あるいは内部的なことで必要になった時に反応する仕方でコミュニケーションを行っているだけ。
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