◆ エミュレータの紹介にあたって(あるいはお断り) ◆

「本物のPC Engineを所有しているのならば、エミュレータなんて必要ないよ」
と、おっしゃる方もいるでしょう。それはまったくの正論です。

だがしかし!
PC Engineも、カタチある機械であり、いつの日か壊れて遊べなくなるでしょう。

実際、私は既に二台もDuoを潰してしまいました・・・(T-T)

その時、果たしてハードウェアの修理、または再入手が出来るのでしょうか?
今は、まだ何とかなるかもしれませんが、5年・10年先ではどうでしょうか?

それは、我々が「PC Engine」で、遊べなくなるだけのことではありません。
「PC Engine」という素晴らしい「文化」を、 将来に向けて伝えることが不可能になることを意味しているのです。

そこで、注目して欲しいのが、エミュレータという存在なのです。
エミュレータは、劣化・破壊の心配がありません。 母体となるパソコンは全世界で販売されており、またOSも、 まったく無くなることはあり得ないでしょう。

ここで、「Micro Softが支配力を失ったら?」とか、つっこまないように。
NTベースのWin2000で動かない可能性はあるが、IBMのPC-DOS 2000で対応可。

ここまで書けば、もはやお気付きでしょう。

エミュレータは「PC Engine」という「文化」を未来に向けて残し、そして伝えていくことが出来る、 究極かつ理想的な「PC Engine」なのです!

Hu-Cardに関しては、著作権法の問題が残っていますが・・・。
Ver.1.0では、SYSTEMCARD機能を内蔵予定の為、CD-ROM2は問題なくなる。

私がエミュレータを紹介したのは、こんな意図があったからなのです。 もっとも、各製作者にどんな意図が在って開発したかは不明ですが。
皆さんも、ぜひ一度エミュレータに触れ、遊んでみて下さい。 きっと「PC Engine」の新たな世界が見えてくるかと思います。

できれば、本物の「PC Engine」で将来も遊べるのが一番いいのですが。


◆ Magic Engineとは何か? ◆
「Magic Engine」は、フランス在住のDavid Michel氏によりプログラムされた、 PC/AT DOS互換パソコン用の、PC Engine(TG-16)エミュレータです。
1999/10/6現在、バージョンは、0.91(DL可能なデモ版は0.90)となっています。
なお、このプログラムはシェアウェア($35または\4500)として公開されています。
◆ どこで入手するのか? ◆
作者のホームページから、デモ版がダウンロードできます。
デモ版(ZIPファイル)には、15分遊べるが、サウンド機能の無いバージョンと、 まったく遊べないが、サウンドがでるバージョンが同封されています。
これがあれば、「Magic Engine」がいかに素晴らしいものか理解できますので、 PC/ATユーザでしたら、試しにダウンロードすることを強くお勧めします。
また、作者に送金することによって、レジスト版(完全版)が入手できます。

注 作者に無断でレジスト版(完全版)がダウンロードできるサイトも ちらほらと見受けられます。根性のある人は、そちらを探すのも手かもしれません。
ただし、逮捕されようと、訴えられようと、私は責任持ちません。くれぐれも注意!

◆ 何がエミュレートされるか? ◆
PC Engine Hu-Card及びTG-16 Turbo Chipが映像・音声(ステレオ)ともにほぼ完全に作動します。
しかし、若干のグラフィック関係のバグが残っているようです。
SUPER GRAFX専用ソフトも一応、起動します。(あくまでも起動する「だけ」。スプライト関係がダメダメ)

また、「CD-ROM2」「SUPER CD-ROM2」も動作可能です。
システムカードのROMイメージがあれば、「CD-ROM2」ソフトがパソコンのCD-ROMドライブで作動します。
ただし、WindowsのCD認識が甘いのか、DOS窓からは動かないソフトも一部に存在します。 これはWindowsの問題で、この場合はDOSで再起動させればOK。
次回VerUP(Ver1.01?)では、「アーケードカード」にも対応予定とのこと。

◆ どんなマシンが必要か? ◆
readmeでは、ペンティアム100MHzと、16MのEDO-RAMを搭載したPC/AT互換機推奨。
最低限486CPUと8Mメモリが必要。
と、なっていますが、このスペックでは遅くて使いものになりません。

動作確認した私の環境を以下に記しておきます。(カッコ内はチップ名等)

C P U Intel Pentium 200MHz
IDT Winchip C6 225MHz
AMD K6 233MHz
AMD K6-2 400MHz
AMD K6-2 500MHz
正常動作・速度も十分
(ビデオカードに依存)
MEMORY 64MB EDO-RAM SIMM
128MB SD-RAM DIMM
 
VIDEO ATi All-In-Wonder 16M (Rage128)
Diamond Stealth 3D 2000 2M (ViRGE)
Diamond VIPER V330 4M (RIVA128)
Matrox MilleniumII 4M (MGA-2164WP)
Nunber9 Imagine128 s2 4M (Imagine128)
Nunber9 SR9 32M (Savage4 Pro)
完璧 (画質・速度共に問題無し)
完璧 (画質はアレだが、DOSが速い)
ほぼ完璧 (225MHz以上ならば完璧)
完璧 (DOS最速Videoの地位は伊達じゃない)
遅い (400MHz以上ならば、ほぼ完璧)
完璧 (画質・速度共に文句無し)
SOUND Audio Excel AV-511 Analog out (CMI 8738)
Aureal SQ2500/SuperQuad Digital (AU8830)
Ensoniq Sound Scape互換 (AudioPCI ES1871)
Gravis Ultra Sound PnP Pro (Inter Wave)
Sound Blaster 16互換 (ES1868)
Sound Blaster Pro互換 (AudioPCI ES1871)
Audio Excel AV-511 Digital out (CMI 8738)
Ensoniq Sound Scape Elite (OTTO II / ESP)
Roland SCP-55 (PCMCIA PC-Card)
Turtle Beach MultiSound Pinnacle
正常動作
正常動作 起動時にエラー 動作は可
正常動作 最も似ている 動作が軽い
正常動作 ただし若干トーンが異なる
正常動作
正常動作
動作せず デジタルアウト不可
動作せず 対応しているハズなのだが
動作せず SB16/Pro互換機能ナシ
動作せず SB16/Pro互換機能ナシ

サウンドエミュレーションを切ると、古いスペックのマシンでもかなり快適に遊べます。
(まぁ、すっごくつまらなくなりますが…)
サウンドが鳴らない時は、バッチファイル組んで SET BLASTER 係数をいじれば大抵OK。
また、遅い場合はフレームスキップも可能ですが、当然、画像は悪くなってしまいます。

◆ どうやってエミュレータを使うのか? ◆
DOSプロンプト(またはDOS窓)で、「Magic Engine」のディレクトリを指定し

PCE rom-image

とすれば、起動します。
"rom-image"は、実行させたいのPC Engineソフトのファイル名になります。
拡張子は".PCE"。他に".ROM"もありますが、".PCE"に書き換えればよい(はず)。

また、起動オプションとして、「CD-ROM起動」「解像度変更」「パッドON・OFF」等も存在します。
(起動後の変更も可能)

キーボード、またはゲームポート接続のゲームパッドで操作します。
多人数同時プレイ可。(パッドならば、GRAVIS GRiP PAD系のみ?)
DOS窓からであれば、IF-SEGA・MS SideWinderでも動作可能(要設定)

注意:ROMイメージに関する質問には一切応じません。

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