オモシロイ!マークはあくまで私の好みです。
■2008年
1作目「タルト・タタンの夢」と同じように、フレンチの料理やそれに関わる人たちのちょっとしたミステリを三船(シェフ)氏が解くという趣向。
今回、その三船シェフの過去も語られていて、世界観が広がっています。
表題のヴァンショーというのはフルーツやスパイスを入れたホットワインのことで、
この本を読んでいると飲んでみたくなるのですが、アルコール強いかな?
いつかチャレンジしてみたいと思います。
今までちらちらと名前だけ出てきたファイアーシスターズ(暦の妹)
のお話・・・のように思わせといて、けっきょくは暦にまつわるお話でした。
今までの後日談みたいな。
マヨイちゃん(八九寺)がいい!
「失礼、噛みまみた」←つい言ってみたくなります。
いつもながら伊良部に癒されてしまう人々のお話。
「オーナー」「アンポンマン」「カリスマ稼業」「町長選挙」の4編収録。
「町長選挙」以外は実在のモデルがすぐうかびます。
特におもしろかったのは「アンポンマン」。
そういえば子供の時、ひらがなの「む」とか書くのむずかしかったよなーと思い出しました。
シリーズを文字通り長年にわたってひっぱっている爽香。
行動力があって機転が効いて・・・とスーパーヒロインぽいけど、ほんとのところ、起きた出来事を面倒がらずに誠意を持ってこなしているだけ・・・なんですよね。。。
それができない人のなんと多いことか☆
「キラレ×キラレ」といい、もしかして背中に物を入れるの流行ってるんでしょうか?
ストーリィに犀川先生・萌絵・真賀田博士がずいぶん絡んでくるようになりました。
最終的には女王シリーズの序章っぽくなるのでしょうか?
加部谷の今後が気になります、ガンバレ!
サクリファイス=犠牲
1p目でいきなり不幸な結果が告げられていたので、ある程度想像していたが、やはり不幸な結末で、さらに謎が解かれていくと、せつないようなやるせないようなちょっとすわりの悪い気分になった。
ピュアってこわいです。
書かれていること全ては理解できなかったけれど、何度も投げ出しそうにもなったけど、ラストで救われた。
ラストの5行にすべてが収束されている。
“世界は必ず良く生まれ変わる”
あと、エンジェルバニーズに助けられた、
会話のテンポがクドカンぽく、場の雰囲気が軽妙になって。
読み始めはよかったんですが、後ろの方になるにつれて、どんどん読むスピードが落ちてしまいました。
自転車で急な坂道を登ってるみたいな感じ。
その先に気持ち良い景色があるのは感じているんだけど、そこに行くまでが辛い!・・・みたいな。
「恋愛だって悲しい結末ならないほうがいいってもんじゃないかな」
「人は自分より先に死んで悲しいに決まってるペットをそれでも飼うんですよ」
という会話文が好きでした。
主人公の高橋くん、やるときはやるなという人でした。
人生の転機ってどこにあるかわかりませんという話。
最後、ちょっと時間がとんだエピソードが森先生らしかった。
内容的には、カーター暗殺事件のオズワルド側の物語を現代風にアレンジして・・・という感じ。
5つのパートに区切られているのですが、視点(語り手)がかわり、そのエピソードが次々リンクしていく気持ちよさときたら!
複数の主観や全体のリンクを一望にできる・・・小説って、読んでる側にだけ許された神の視点ですね。
読み出したらとまれなくて、一気読みしました☆
絶対的に信頼できる人に出会える、っていいなと思った。
あと、キルオが零崎人識とダブリました。なんとなく。
ずっと作中作☆
世界(章)が進行するとともに壊れ続けるので、読んでいても現在のその場が信じられない・・・おもしろい体験でした。
ホームズ館で壊れるくろね子さんが魅力的。
あと、小説からはぐれるの解釈。
なるほどーと思った。
卒業とかじゃなくはぐれるの方がたしかにやさしいですよね。
「化物語」でちらちらと出ていた暦と羽川さんの出会い編。
暦が特異体質になった履歴ストーリィ。
会話がいちいちおもしろい。
とくに140pのパンツの描写が秀逸!
入れ子につぐ入れ子状態で半分読んでもまだ、全体像がつかめないくらいだったが、一編一編がおもしろく、気づいたらエンドをむかえていた。
巴さんのキャラがよかったので、もうちょっと出番が欲しかった。
短編それぞれの覚え書き感想。
ジャイロ・スコープ:ササクラとクサナギのお話し。静かな信頼感があってよいかんじ。
ナイン・ライブス:チーターと赤ん坊。
「ボンネットの黒猫が見えるか?」でやっと語り手が誰なのか確信できた。
ワニング・ムーン:副船長の会ったキルドレは以前に会ったキルドレと酷似していたのかな、と思った。
スピッツ・ファイア:ダイナーの老人がしゃべった!フーコたちも登場。
ハート・ドレイン:カイとクサナギの出会い。
アース・ボーン:基地に来たマシマがフーコと出会う話〜フーコが出ていくまで。
ドール・グローリィ :飛行機から降りたカンナミと、スイトの娘(お姉さんと呼んでいるけど)の再会。回想中にスイトがクリタを撃つシーンあり。
スカイ・アッシュ:キルドレを模して「一年草と多年草」という表現があり、すごく納得がいった。
最終話でした。
ハッピーエンドのいろいろなカタチってやつでしょうか?
思っていた方向のラストではありませんでしたが、読み終わると、これしかないのかな?という気になる。
あと、なんといっても竹さんのイラスト。
ほんとうに神がかった出来映え。(キャラの見た目の捉え方など)
一ヶ月の1冊のペースにあのクオリティ。
良い仕事してるってこういうことを言うんですねー。
シリーズ全12冊、楽しく読ませていただきました。
お相手はまにわに最後の生き残り鳳凰とみせかけてあの人(←ネタバレ自重)。
もう終盤と言うこともあって、展開が早い早い。
戦いには特化していなくて、謎解き編という感じ。
まにわにの人鳥くんが気に入っていたので残念!
今回のお相手は仙人でした。
なんともつかみどころのないキャラというか、どうなの?というか。
でも、その語るところは意味深く、謎がぽろぽろとはがれていきました。
って、刃のない刀ってどうなの?(←ネタバレ)
刀を集めるにあたって、交渉で譲り受ける、力ずくで奪い取るなどの方法があったわけですが、今回は「王刀」の名にふさわしく正々堂々と試合で決着を・・・という内容。
そこにいろいろ絡んでくるわけですが、ついに「ちゅう」(←ネタバレ)しましたね!
会った人々に関する感想が興味深いです。
とくに森(博嗣)夫妻のとことか。
お料理絡みのミステリということで、出てくるお料理がおいしそうなことといったら!
読み終わると、こっくりとしたおいしいデザートが食べたくなります。
続編も出るそうなので、そちらも楽しみです。
お金を持ってて使いきれないよーって内容、潔いです。
掃除機愛と犬愛にあふれた作品。
特に子犬がらみのお話はおもしろい、おもしろすぎる。
さいごちょっと変な展開になったのもご愛敬?
実際に舞台化された劇の脚本。
お葬式の帰りに、喪服の男女5が集まって話をするという、恩田氏得意の不穏な空気をまきちらしたあげくサクッと幕。
らいしいといえばらしい作品でした。
すこし不思議(SF)な物語。
最初、やけに達観したヒロインに反感があったものの、随所にでてくるドラえもんエピソードの使い方や、理帆子の周囲の人々の血の通ったかんじと、それをS(SUKOSHI=少し)F(F〜)で表現するところ、おもしろかった。
最終章の「二十代の千代田光輝は死にたかった」でやられた。
それまでのちょっと放置されていた謎がピタピタとあるべき場所にはまっていくのを追うのが楽しく、ページをめくるのがもったいないほど楽しみでした。
ぎゅっといろいろつまった良い話。かなり好きです。
辻村美月「スロウ・ハイツの神様 上」環の個性がちょっとうるさい気がしたが、それは好みの問題。
住人達がまだ若く何者でもないという不安やあせり・・・
読んでいるとこそばゆかった。
同居ものの良いところ満載のストーリィ。
「その人はその人の状況以外は何も持ち運べない」という文があって、感じ入った。
いくら外野がいろいろ気を揉んでも結局はそういうことなんだな、と。
そして、自分を救えるのもまた自分だけ、ということ。
結婚しないで子供を産むけど、相手のことは信頼できるし、自分が安定しているので、とくに不安もないですよ?
という内容でした。(←もっと奥深いのですが、私なりの覚え書きなので)
あらをみつけ貶すことで、ものごとを立証するより、プラス面をたくさん見つけて・・・たくさん見つからない場合は、ちいさな良き点にスポットをあてて見た方が、その対象にとっても、見つめる本人にとっても良い影響がでるよね、という・・・あたりまえといえばあたりまえのことに気づきました。
とはいえ、やっぱりチビラくんはのびのび育てすぎな気も・・・。
一生懸命はカッコワルイとか言ってなにもしないのは逃げで、実は格好悪いことでした。
この主人公のように、人のために一生懸命になれる人はカッコイイ!というより、その真摯さゆえか、逆にかわいらしく愛しくさえ思える。
40にもなれば虚勢なんてはらなくて良いんです!
「i」正体はやっぱり・・・でした。
にしても、ラストの意外なアプローチはよかったです。
善と悪がいつの間にか入れ替わっていたのもおもしろいし、脇役一人一人に血が通っていて、その行動により物語が動く様もうまく描かれている。
あっちにひっぱりこっちにひっぱりされているうちにすっかり入りこんでしまいました。
著者は大の綾辻ファンらしいですが、作風は180度ちがいます。
どちらかというと宮部みゆきに近い感じ。
前回読んだ「ぼくのメジャースプーン」から秋先生とあと二人知っているキャラが出ていてその時点でちょっと勘を働かせるとなんとなーくわかっちゃうことがあります。
ので、こっちを先に読めば良かった。
感想ですが、ちょうど良い長さで場面転換があり、その都度視点が変わり飽きることなく読み進めらる。
あと、ちょっとしたエピソードも印象的。
この人の作品、好みかも・・・と思った。
対談やQ&Aからそれぞれの個性というか人柄がじんわりわかってくる。
ファンにとってはそれこそが読むことの醍醐味です。
「ベリーベリーストロング」聴きたくなりました。
日常の謎という言葉がありますが、この作品は異常あるいは不思議な世界の日常と言う感じ。
その場の空気感を伝えるのがうまい恩田氏だけに、すっとその世界に入り込め、そして読んだ後、なんとなく落ち着かない気持ちになる・・・そんな短編集でした。
好きなのは「夜想曲」、あと「エンドマークまでご一緒に」「SUGOROKU」が印象に残りました。
がんばりすぎ&災難にあいすぎの爽香にも明るい兆しがみえてきた?
明男との仲も安定しているようでひと安心です。
今後活躍しそうなニューキャラも登場し、
全体的にやわらかい雰囲気だった。次回作は海外編か!?
ある能力を持っている小学4年生の「ぼく」と、ある事件に遭遇して心が遠くにいってしまった「ふみちゃん」のお話。
主人公が同じ能力を持つ先生と7日かけて犯人にあたえる罰を考えるわけですが、このたぶん一番大事なところより、主人公のふみちゃんの本質を見抜く力がすごい!とそこに感服。
と、さいごの方に上野動物園が出てきて、昨日行ったばかりだったので妙な符号を感じたり。
牡牛座から乙女座まで、星座をからめた6編の短編ミステリ集。
ミステリと言うよりパズル。フェアにいろいろ呈示されていてもどこか自己完結していて、ちょっと入り込めない感がありました。
あと、思ったのは時事ネタがけっこう入っていて、その分古くさく感じるのも早そう・・・かと。
2巻目を読んだときから時間がたっていて、思い出しながら読んだ。
1話目のストーリィが入り込みやすく、すぐにその世界観にひきこまれた。
が2話目で失速。テーラ編より、地球編のがおもしろい。
3編あるが、どれも解決しないで終わっているので、消化不良気味。
4巻読まなきゃ。
ちょっと毒のある小説を書く若竹さんの絵本とは?と読みはじめたのですが・・・毒はちょっとあるものの、わりとフツーでした・・・
読後感イイ!読んだ後、心が温まる作品。
そういえば前作もそうでした。
事件に巻き込まれる人ってそういう気質なんだなと思った。
こういう言い方はマイナスっぽいけど、ややおせっかいというか。
2話目の女の子とのやりとりや、3話目の老女との最初の出会いや・・・ほっとくのが普通に思うんですけど?
そこで踏み込むから、その踏み込んだ分の振り幅の事が起きるという仕組み。
そうして得る喜びの振り幅も大きい。
軽妙なテンポの良い会話、シリーズ3作目でなじんできた登場人物達
・・・おもしろくなくはないのですが、
読了後、感情の動きが殆どなくて、あれ?と思った。
面白かった!とも、つならなかった!とも思わず。
この著者の作品に慣れすぎてしまったのかな。
もう少しだけ・・・なにかあったら・・・
うまく言えないけど、心に訴えてくる、あるいは印象深い何かが。
下巻から、もう1人の主役・ロジカルモンスターこと白鳥が捜査に加わりストーリィが加速。
白鳥は派手でおもしろいキャラクタ。
デキル奴なのかそうでないのかと田口(語り手)と一緒にイライラしてしまうほど。
他にも、脇役キャラが皆活きていて細部までバランスが良かった。
ラスト、田口の巻き返し(?)ではちょっと胸が熱くなりました。
リーダビリティが良いというのか、ちょっと間があいてから読んでもすぐにその世界にひきこまれる。
2006年「このミス」の大賞作とのことで、巻末の審査員の感想から期待して読み進めたのですが、裏切られないまま、下巻に進めました。
今度の対戦は江戸の奥地に広がる人外魔境の異界・不要湖。
お相手は日和号、ネタバレギリギリで言いますが刀の定義って広いんですね。
今回は否定姫もついに姿をみせ、次なる展開の予感も。
限られた時間内に、限られた空間の中で会話をすることによって、その二人の関係性が変化していく。
ちょっと「夜のピクニック」に近い、でもちょっと大人版。
ミステリー要素、恋愛要素も漂いつつ、ラストもしっくりまとまって、バランスのとれた作品。
○○な子ほどかわいいというただそれだけで読み続けているシリーズ。
どこまでいくのか見とどけます!
洒脱で少しせつないハードボイルド小説。
探偵・頸城のもとへ、ある美術品を取り戻してほしいという依頼が舞い込む。その美術品の名前が「天使の演習」。
これはもう某シリーズとのリンク決定?
ということで、時間軸を気にして読みました。
(が、いろいろ忘れていてあまりピンときませんでした)
頸城と志木真智子の恋がせつなく、余韻を残したラストが良い感じ。
なんというか、きっと森氏は本心ではこういうの書きたい人なんだなと、思った。
本人は「違います」って言うと思うけど☆
漢字にする場合は「萌えない」ではなく「燃えない」です。
ミステリですが、謎が呈示され読者が推理するというものではなく、作者がちらつかせる謎をただただ見つめるだけ。
答えは語り手である主人公の中にしかないからです。
実はこういう雰囲気は(文体とかストーリィとか)好きだったり。
特にラスト数行は、無駄がなく余韻が残ってよかった。
ついに、姉弟対決。超人的な才能の持ち主七実さんとどう戦うのか?
にひたすら焦点があてられていて、それゆえ逆に薄味な気がした。
それだけだから。
もうひとひねりあってもよかった?
というか、この対決をここに持ってきたのがもったいない気も・・・。
あとの盛り上げで効果的に使って欲しかったけど、やっぱりここで出しちゃうのが西尾流なのかな。
「七話」で「七花vs七実」と七でそろえたかったとか。
ミステリーランドの本です。
子供向けということもあって、読後感が良い。
良いのですが、扱っていることは重い。パックのことも・・・。
でも、シンの精一杯考えたり頑張ってる一本気な姿勢が次第に実を結んでいく様は、充分救いになる。
脇役それぞれも個性的に描かれているので、続編、あるいはシリーズ化を望みたいところです。是非。
CLAMP「xxxHOLiC」のノベライズ化ですが、最初の1話を読んだかぎりじゃ、なにも西尾維新が書かなくても・・・という感じだったのが、2.話3話と読み進んでいくうちにどんどん西尾ワールドになっていくのがおもしろかった。
けど、ノベライズ化作品としてはデスノの方に軍配。
ちなみに「ランドルト環」は視力検査のときの、切れ目のある輪っかの事らしいです。
今回の対戦相手は、日本最強の堕剣士・錆白兵!とのふれこみでしたが、なんというか七実さんとまにわに3人衆の戦いにあけくれて、薄刀・針の奪還方法はさいごでチラリと語られるだけ。
このへんの確信犯的書き方が、らしいです。
七実さん、まさに伏兵ですね。
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