人は何故スポーツクラブへ行くのか?

 「最近太ったでしょ?」そんな衝撃的な言葉を久しぶりに会った人に言われたことはありませんか?そんなことはなくても、ズボンのベルトの穴がだんだんずれていったりして、お腹のでっぱりが自分で気になっていたりしませんか。そんなあなたは確かに太ったのです。それだけではありません。きっと体力もかなり落ちているはず。たまに体を動かすと翌々日に筋肉痛が出てきたり、電車に間に合うように階段をかけ登って気分が悪くなったことがありませんか?顔から汗が滴り落ち、咽がからからに乾くという経験を最後にしたのはいつのことでしょう。

 今の世の中、特に都会人は自分の体を動かすことが少なすぎます。車を持つ人が増え、どこでも簡単に移動できる。歩いて行けるところでも車を使ったりして。何故なら、買い物に行っても車なら重い荷物を持つ心配をすることもありません。電車でも同じです。最近ではエスカレーターやエレベータの設置が進んで、歩かなくても駅のホームへ出入りできるようになりました。空いている階段を尻目に、エスカレータに並んで乗ることも多いはず。

 何ごともバランスが大切です。人間も動物ですから、体を動かさないとそのバランスが崩れてしまいます。適度な運動と食事を取ってこそ、心身ともに健康でいられるのです。家の周りをランニングするのもよし、家の中で腕立て伏せや腹筋運動をするのもいいです。しかし一人で継続するのは難しい、そんな人もいるでしょう。そんな時、スポーツクラブに入会してはいかがでしょうか。むきむきの筋肉マンにならなくても、トライアスロンで完走できるようにならなくてもいいんです。無理の無いペースで日頃のストレスと運動不息を解消できます。そんな時間はないよという貴方。本当ですか?漫然とテレビを見ている時間はありませんか?惰性で晩酌を続けたりしていませんか?時間は与えられるものではなく、作り出すものです。その気になれば昼休みにだってできることはあるんですから。

 またクラブ通いを続けていると、新たな知り合いもできることと思います。社会的地位や仕事という枠を離れた付き合いはストレスに晒される人間関係とは別の物です。今までの交友範囲を超えた人付き合いは決して無駄にはなりません。かといって、無理に人付き合いをする必要もありません。スポーツクラブに通ってくる、一見変わった人たちを観察するのも楽しかったりします。誰に強制されるものではありません。自分の意志で、自分のペースで通うことができる。大袈裟ではなく、軽く考えてみませんか?それでも心配な人は、誰か適当な仲間を一緒に引き込んでしまいましょう。最初はとかく一人で行くと寂しく感じるかも知れませんが、知り合いがいればへっちゃらです。

 最後に僕らがスポーツクラブに通うようになったきっかけを紹介しましょう。時は結婚して2年が経った頃でした。夏の旅行に岐阜県の寸叉郷温泉に行きました。温泉街の奥にダム湖があって、そこに夢の吊り橋という名所があります。湖を見下ろす谷の上から一気に下がって湖面近くにある橋を渡り、また一気にがけを登るというのが観光コースでした。しかしその昇り降りがきつい。高校、大学とそれなりに運動をして来たつもりなのにその有り様。いままで気付かなかった運動不足をその時ほど感じたことはありませんでした。その旅行から帰ってすぐにスポーツクラブ探しを始めたのです。それから時は過ぎ、今その当時の写真を見ると、体が丸まると太っていたということに気付きます。運動不足解消とダイエットに効果があり、新たな友人ができたスポーツクラブは、今や我が家の生活に無くてはならないものとなりました。

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