※この感想はblogからの転載になります。

WALL−E〜ウォーリー

 去年の11月以降から色々あって、とでもじゃないけど映画館に足を運ぶ余裕も無かったんですが、昨日に祖母も四十九日法要が無事終わったので、気分転換にずっと気になっていたアニメーション長編映画、『WALL-E(ウォーリー)』を観て来ました。

 物語の舞台は、人間がゴミだらけにして去っていった為に廃墟と化した地球。
  たった一人(一台?)だけ残っていたゴミ処理ロボットの"ウォーリー"が、毎日プログラム通りにゴミ処理を続けて700年の月日が経っていた。好奇心旺盛 なウォーリーは、廃棄物の中から宝物を探すのが楽しみだったが、一人ぼっちのウォーリーの本当の夢は誰かと手を繋ぐことだった。
 そんなある日、 ウォーリーの前に巨大な宇宙船が降り立ち、その中からピカピカのロボットが出て来た。その新しいロボット"イヴ"に好奇心を抱いたウォーリーは、いつしか イヴと手を繋ぐことを望むようになっていくが、そのイヴがウォーリーの目の前で宇宙船にさらわれてしまった。

 …という内容で、前半は地球でのウォーリーの孤独な生活のドキュメンタリー、後半はイヴを追うウォーリーの冒険ファンタジーになっている作品でした。
  ウォーリーの動作と微妙な表情の変化だけで状況を描写していく無声映画のような前半部分は、個人的にかなり好みでツボに入ったんですが、後半の冒険劇はエ ンターテイメント作品らしいけど、ちょっと長過ぎるかな…とも感じました。もちろん、後半部分も面白いんですけど、前半がとにかく素晴らしいんですよ!ア ニメーション映画の原点回帰のように感じました。

 地球に居るウォーリーだけでも十分に魅力的に描写されているので、逆に登場人物が増え 展開が複雑になっていくと、ウォーリーの"良さ"が薄くなってしまっていたのが残念。ただ、前半はほのぼのと見せている反面、後半は人間の文明社会に対し て痛烈な皮肉が織り交ざっていて、決して子供向けの作りでないところが気に入りました。

 しかし、『ファインディング・ニモ』の監督作品なだけに、"愛すべき存在を命懸けで助け出す"という共通テーマがありましたね。そういえば、あの作品でも人間はあまり良い描写ではなかったな〜(笑)

 前半の描写が丁寧だった分、後半の展開にはいささか粗さというかご都合主義も目立ちアンバランスさも感じましたが、主人公のウォーリーが常に魅力的だったので最後まで楽しく観ることができました。
 最初に冒険アニメーションと書きましたが、すっごくピュアな恋愛映画でもあると思うし、どういう視点で観るかによって色んな"楽しみ方"ができる作品だと思います。

 この映画を観終わった後、古いテレビは丈夫で長持ちしたけど(変な話、叩けば直る部分もあった)、新しいテレビは多機能で綺麗だけど壊れやすいよなぁ〜と痛感してしまいました。



 


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