※この感想はblogからの転載になります。 |
■パコと魔法の絵本 |
![]() 変わり者ばかりが居る病院の中でも、特に人々から嫌われている大金持ちの超ワガママで頑固ジジィの大貫が、交通事故により一日しか記憶が持たないパコとい う一人の少女に出会ったことで、少しでも彼女に記憶に何かが残るようにと考えるようになり、彼女が毎日読んでいる絵本『ガマ王子VS ザリガニ魔人』を病院内のみんなで演じてパコに見せてあげようという案を思い付き、現実させるべく奮闘する。 …という話で、頑固ジジィ が純粋な少女に心を動かされるファンタジー作品なんですが、触れ込み通り「大人が笑って泣ける」作品でもありました。もう、大笑いしたり、笑った直後にウ ルウルしたり、ウルウルした直後に笑ったり、観ている方も忙しかったですよ。最後の方なんて涙無しには観られなかったんですが、心温まるエンディングには ジーンとしましたね。 とにかく登場人物の設定と演じている役者さんが異常なくらいにハマッていて、個人的にはビジュアルだけでも70点はあげたいくらいツボでした。! ![]() これだけの変わり者をよく思い付いたというか、とにかく登場人物を観ただけで も笑える凄さ。しかも特殊メイクが凄くて、素とは別人になっている役者さんも少なくないですからね(笑)。そして少女パコを演じるアヤカ・ウィルソンちゃ んがメッチャ可愛くてね〜♪彼女を観ているだけでメルヘンの世界に居るようでした。 また、超個性的な登場人物達にもそれぞれドラマがあって、頑固ジジィが少女パコに出会ったことで少しずつ変わっていったように、他の登場人物も頑固ジジィに振り回されながらも心の変化があったりして、どの登場人物にも愛着が持てる素敵な内容でもありました。 特に後半の「劇中劇」のシーンなんて、それぞれの登場人物の個性が出ていてサイコーでした。この作品はシーンによってCGと合成になるんですが、絵本のガ マ王子が池から出て来たシーンとか、絵本通りの動きをするシーンなんて妙に可愛い&カッコいい!と思ってしまい、少女パコと同じテンションで喜んでしまい ました(笑) ![]() オールセットで、ホ ントに舞台をやっているような現実離れした作りな分(この原作は舞台作品)、奇抜なキャラクターや展開も違和感なかったし、逆にすんなりと作品のワールド に自分も入り込めた気がします。こういう独特なワールドが展開されたメルヘンチックな作品…私は非常に好物です♪ あと、何といっても CG化された絵本のキャラクターが可愛くて!顔つきとか表情が劇中劇の中で演じている登場人物に似ていて愛嬌やユーモアがふんだんにあり、CG合成が全く 違和感がなかったし、ガマ王子が最後にパコへ見せた表情にはキュ〜ンとなったと同時に涙ボロボロでした。 【注意】以下、ネタバレを含んだ感想になります。 先にも書きましたが、一日しか記憶が残らないパコが、少しでもいいから何か心に残るように…と、あの頑固ジジィの大貫がガマ王子を熱演する姿をはじめ、 それぞれの登場人物が自分なりに熱演する姿はサイコーでしたね。特に阿部サダヲさんが演じた掘米の怪演ぷりはツボでした。大貫が考えた配役には掘米の役は 無かったのに、自分で勝手に役を作って出た挙句に無駄な活躍を見せたりして大笑いしました。 ![]() 阿部サダヲさんといえば、中盤のシーンで大貫に対してキレる時に「ピンポンダッシュッ!」と叫びまして、あの高見沢さんソロ曲『騒音おばさんvs高音おじ さん』の同じフレーズを思い出して、一人でツボに入ってしまいました。あの曲にはグループ魂として参加してくれましたからね〜。 すごく奇抜なビジュアルでぶっ飛んだ内容でもあったけど、全体に流れる雰囲気はとてもピュアで、最後には本当に心温まる気分になれて良かったです。最後の あの運命の結末は予想していなかった分、すごく悲しく感じてしまいましたが、パコちゃんとガマ王子のあの表情に何とも言えない安らぎに似た幸せを感じまし た。 なんかね、今でも最後のパコとガマ王子のシーンを思い出すと鼻がツーンときちゃうんですよ。それくらい余韻に浸れる作品でした。小ネタもふんだんに使われていたし(ケロロ軍曹だけでなく、ギロロ伍長までいたわ!)、DVDが出たら間違いなく買っちゃいますね。 |